NHK高校講座

国語表現

Eテレ 毎週 火曜日 午後2:10〜2:30
※この番組は、前年度の再放送です。

国語表現

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今回の学習

第39回 社会にはたらきかける表現

地域を知る

  • 国語監修:信州大学教授 藤森 裕治
学習ポイント学習ポイント

地域を知る

地域を知る
  • 藤森先生と足立さん
  • 今回の生徒

番組のMCは歌手の足立佳奈さん!
そして、今回教えてくれるのは藤森裕治先生です。

みなさんは、今までさまざまな角度から国語表現について学んできたと思います。
それぞれの内容は、深いところでつながっています。
その成果は、やがて世の中に出たときに実を結ぶはずです。
そこで、今回と次回は、実際に地域と関わりながら学んでいきましょう!
この番組に出演する高校生8人で、東京都渋谷区にある代々木八幡商店街の「地域振興のためのキャッチコピー作り」に挑戦してもらいます。

インタビューの準備
  • 代々木八幡商店街の代表の方に話をうかがいました
  • 代々木八幡商店街の代表の方

情報を集めるために、街の人にインタビューしてみましょう。
その前に、準備をしておくことが大切です。
何も知らない状態では相手に失礼ですから、きちんと下調べをしておきましょう。
街の代表の方に話をうかがったり、地図やインターネットで調べるなどして、街の全体像を把握するといいですね。

高校生の8人は、代々木八幡商店街の代表の方に話をうかがいました。
商店街の店の特徴や、他の商店街との違いを教えてもらった8人。
他にも、地域の特色がうかがえるような質問をして、魅力を探りました。

キャッチコピーのテーマを探す
  • れんさん、さくらさん、かなめくん、ぼるくんのチーム
  • ひろとくん、とみあかさん、くれあさん、はるひくんのチーム

街の特徴がわかったら、実際に街に出てみましょう。
今回は4人1組でキャッチコピーのテーマを探してもらいます。

「れんさん、さくらさん、かなめくん、ぼるくんのチーム」は、自分たちの持つ渋谷のイメージとは違う、昔ながらの雰囲気が感じられることに注目しました。

「ひろとくん、とみあかさん、くれあさん、はるひくんのチーム」は、隠れがを探す楽しさに注目しました。

  • テーマを決める
  • テーマを決める

実際に街を歩いて感じたことを話し合い、テーマを決めます。

「れんさん、さくらさん、かなめくん、ぼるくんのチーム」は、『新しいお店と古いお店』をテーマに決めました。

「ひろとくん、とみあかさん、くれあさん、はるひくんのチーム」は、『路地裏の魅力』をテーマに決めました。

2チームとも、良いテーマを見つけることができました。
テーマになりそうなものを感じとり、それを裏づけたり、修正したりするために、実際に現地に聞きに行く、というのがインタビューの極意です。

表現の達人〜鈴木敏夫さん
  • 鈴木敏夫さん
  • 鈴木敏夫さんとれん、ぼる

今回の達人は、スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫さん。
『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』など、宮崎駿監督と共に、多くの作品を制作し、世に送り出しています。

映画作りで、鈴木さんが大切にされていることとは?
鈴木「映画って、集団作業じゃない?1人でやるわけじゃないじゃない。映画を作るときって、中心の人は監督でしょう?宮崎駿はまさにその“監督”。多分ね、自分が考えて物語を作ったりするじゃない…不安だと思うんだよね。つまり、自分が書いたものが本当におもしろいかどうか。僕が思ったのは、側にいて、“これいいよ”とか“これよくないよ”って(言うこと)、こういうことをしてあげる。“最初の観客”をやってみようと思った。映画監督ってね、孤独な作業だと思うんだよね。いくら側に僕がいたって、作るときは自分ひとりじゃない。それと同時に、スタッフがいっぱいいるわけよ。そうすると、みんながどう思うかっていうのもあるでしょ。中にはね、いろいろなことを言う人がいるわけよ。“つまらないから辞めちゃおうか”とかね。そういうときに僕が考えたのは、もうひとつ大事なこと…この人の味方になろうかなって。間違ってても、いいって言っちゃおうって。わかる?これ、結構大事だったのよ!本人もね、そりゃあ不安なときもあるじゃない。でね、調子が悪いと兎角よくないものになっちゃうじゃない。で、自信を失うじゃない。“どうかな?”って(宮崎監督が持ってきた)ときにね、グッとがまんして“いいじゃないですか!”って(言う)ね。」
ぼる「でも、ずっとダメ、ダメ言われるより、いいって言われた方がモチベーションもあがるから…」
鈴木「そう!だから、もっとややこしい話をすると、ずっとそうやって言ってたら、“鈴木さんそう言ってるけど、本当は違うだろう?”とかね、そういうのもあったんだよね(笑)」
ぼる「感づかれたんですね!」
鈴木「感づかれてる!付き合いが長いから、そうなっちゃってるんだよね。」
れん「わかっちゃうんですね。」
鈴木「そう。そりゃあね、いつもニコニコしているわけにもいかないでしょう?監督と一緒にやるっていうときに。たまには怖い顔をするわけよ。そしたら、向こうだって負けず嫌いだから“コノヤロー!”って思うじゃない。そうするとね、ふぁっといいものができるときがある。そういうときにできるんだよね。だから、たまには敵対する。いろいろあるよ。僕は彼と出会って四十何年…ずっと仲が良かったら、多分こんなふうにはいかなかったのかなとかね。くっつきすぎるとよくないと思った。だから、いまだに僕と宮崎駿って人はね、40年付き合いながら、打ち合わせなんかも嫌になるくらいやってきたけれど、言葉遣いだけは気をつけているんだよ。いくら仲良くなっても、“おい、お前”って言わないの。丁寧語でしゃべる。俺はね。すると、彼も丁寧語でしゃべるわけ。するとね、ある距離が生まれるじゃない。40年間その距離が(続いている)。」
ぼる「続けられるってすごいですね。」
鈴木「そう。秘訣なのよ。仲良くなりすぎるとね、人間ってケンカしたり、何か起こるじゃない。本当にそうなんだよね。」

インタビューにチャレンジ
  • 事前に役割分担を決める
  • 事前に役割分担を決める

テーマが決まったところで、各チームのテーマに沿ったお店にインタビューに行きます。

インタビューのポイントをおさえておきましょう!
(1)事前に役割分担を決める
リーダー、インタビューをする人、メモをとる人、録画・録音をする人を決めておきましょう。
(2)相手が答えやすい質問を心がける
このとき、テーマに沿った質問を意識することも大切です。

  • 路地裏のベーグル屋でのインタビュー
  • 路地裏の焼き菓子屋でのインタビュー

「ひろとくん、とみあかさん、くれあさん、はるひくんのチーム」のテーマは『路地裏』。
6か所でインタビューを行いました。
そのうち2か所でのインタビューをご紹介します。

【路地裏のベーグル屋でのインタビュー】
とみあか「私たち、国語表現の授業の一環で“キャッチコピーを作る”というのをやっていて、何問か質問させてください。」
お店の人「はい。」
とみあか「いつから、ここにお店を出しているんですか?」
お店の人「10年目です、今。」
とみあか「凄い!長いんですね。」
お店の人「結構長いんですよ。」
とみあか「どうして、この裏の路地の地下にお店を出そうと思ったんですか?」
お店の人「正直、物件が空いていたから、というところもあるんですけれども…」
とみあか「これから、このお店をどうしていきたいか、希望はありますか?」
お店の人「今、10年経ったので、街に馴染んできたというか。そういう感じがあるので。土日はわざわざ地方から来てくださる方も、街全体で多くなっているので、その波にうち(のお店)も乗って、商店街の波に乗って(いきたいなと思っている)。」
とみあか「いろいろな年代の方が来られますか?」
お店の人「すごく幅広いです。」
とみあか「路地裏こそのプラス面、マイナス面はありますか?」
お店の人「プラスの点は、ワクワク感だったり、“私しか知らないわ”みたいな。路面店にはない、地下だからこその、ちょっとした楽しみみたいなものはあるかなと思います。宣伝という意味では、なかなか難しいかもしれないですね。裏道で、地下なのでね。」
とみあか「ありがとうございます!」

【路地裏の焼き菓子屋でのインタビュー】
はるひ「このお店のアピールポイントはありますか?」
お店の人「ナチュラルな素材を使って、なるべく手作りで全部作っています。」
とみあか「裏の路地にあるからこその課題はありますか?」
お店の人「9年もやっているのですが、まだ地元の方でご存じない方が意外といらっしゃって、“いつオープンしたんですか?”って(言う)お客様が毎週いらっしゃいます。」
とみあか「私たちは、この商店街にアットホームな雰囲気を感じていて。商店街でアットホーム感を感じることはありますか?」
お店の人「東京の真ん中にありながら、意外とみなさん地元感が強い街ですね。」
はるひ「渋谷らしくないというか…」
お店の人「そうなんです。代々木公園もあって、フラッと散歩しながらっていうような、気軽な雰囲気の街ですね。」
はるひ「そういうのが、僕たちがアットホーム感を感じた理由かな。」
とみあか「そうだね。」
くれあ「お写真、撮ってもいいですか?」
お店の人「どうぞ。きょうは商品が残り少なくなってしまっているんですが…。」

このように、写真を撮るときには許可を得るようにしましょう!

  • 藤森先生
  • スタジオ風景

先生に、このインタビューのようすを見てもらいました。

先生「第一印象は、初心者には思えない!さすがだなと、ヨイショして…。まず、インタビューで大事なことの1つは身だしなみです。改まった場では帽子を取るとか、コートを脱ぐとか。清潔な服はもちろんだけれども。きちんとした服装っていうのは、とても大事なインタビューの要素です。それから、アピールポイントについて。お店について聞いていましたが、街のことなので、街の視点っていうところも聞いてみると良かったですね。良かった点は、役割分担がしっかりしていたところ。猛烈な勢いでメモをしていたり。とみあかの質問も見事だったよね。自分たちの考えも出しながら、“どうですか?”ではなく“(「はい」「いいえ」で答えられるように)ありますか?”という形で、答えやすい質問をしていましたよね。お見事です!」

  • 30年以上続いているお店でのインタビュー
  • 最近出店したパン屋でのインタビュー

次に、「れんさん、さくらさん、かなめくん、ぼるくんのチーム」のインタビューです。
テーマは『新しいお店と古いお店』。
7か所でインタビューを行いました。
そのうち2か所でのインタビューをご紹介します。

【30年以上続いているお店でのインタビュー】
最初に、取材の目的を明確に伝え、話をうかがいます。
れん「今回は、この商店街のキャッチコピーを考えるという取り組みをしているので、いろいろなお店にインタビューさせていただいています。きょうはよろしくお願いします。30年以上ここにいて、この商店街とか、この土地のいいところはどこだと思いますか?」
お店の人「商店街のいいところってね、あまり発展性がないわけ。正直言って。今、やっと改革されるようになって、いろいろなお店が入ってきてるけれども。今は新しいお店が入りすぎているから、反対にコミュニケーションがまったくなくなっている。」
れん「今は新しいお店が入りすぎてるっておっしゃっていたんですけど、これから商店街として、こうなっていったらいいなという希望みたいなものはありますか?」
お店の人「渋谷の駅からここまで、商店街は3つくらいあるの。1つの商店街で協力する何かが欲しいよね。」
ぼる「最後の質問になるんですけど、この商店街をひと言で表せますか?」
お店の人「この地域だけじゃなくてもそうだけど、『仲間』です。」

【最近出店したパン屋でのインタビュー】
れん「よろしくお願いします。」
咲桜「最初に、どういった理由で、この場所にお店を出したんですか?」
お店の人「ここは利便性がいい。あと、通勤とかにもいいっていうことがあって選びました。」
れん「なるほど。」
咲桜「次に、この商店街の良さって何だと思いますか?」
お店の人「それぞれが個性的で魅力がありますね。古くからずっとあったり、新しく店舗展開したり、いろいろ混じっている。」
咲桜「次は、どんな商店街になってほしいですか?」
お店の人「どんな…」
れん「今の時点で、商店街で変えて欲しいなと思うところはありますか?」
お店の人「無理やり変えるのではなく、自然と新しいお店と古いお店が調和していくと思うので、そのままでいいと思います。」
咲桜「最後なんですけど、ズバリ、この商店街をひと言で表すと、どうなりますか?」
お店の人「ひと言ですか〜!?でも、『調和』です。」

  • れんさん
  • ひろとくんとはるひくん

こちらのインタビューのようすも、先生に見てもらいました。

先生「“ひと言で言えば”っていう質問があったでしょう。その質問のおかげで、両方ともすごくいいお答えを頂けたけど、とても難しい質問。ちょっと困ってましたよね。そこは考えてみる必要があるかな。それから、(準備して)持っていた質問の順番通りに聞こうと焦っている感じがちょっとうかがえた。それは多少脱線しても構わないから。話には流れがあるから。(次々に別の質問をするのではなく、相手の返答をきちんとうけこたえることも大切。)でも、このチームでいいなと思ったのは、お互いに助け合っていることなのね。最初に咲桜が質問したけど、“うまく伝わったかな?”という場面で、すかさず、れんがフォローしていたり。大事なことをひとつ言っておくと、失敗をどんどんして欲しいの。失敗する中で、“もっとこうすれば良かったな”っていうところから学ぶんだけど、どうですか?これがまだまだだったなって思ったところ(ある)?」
れん「パン屋さんとかカフェの方にお話をうかがったときに、基本情報みたいなものが、まだまだ調べきれていなかったので、調べておけることがもっとたくさんあったんじゃないかなって思いました。」
先生「そうそう。それ、大事なことだよね。そして、もうちょっと調べたことを出してもよかったよね。“〜なんですよね?”っていう形で聞くと、よく知っているんだなって(思ってもらえる)。じゃあ、良かったことは?」
はるひ「僕はちょっと自信がなくて、受け答えとかがあまりできなかったんですけど、そういうときに、ひろとが後ろから声を出してくれたり、とみあかも質問してくれたり、くれあがちゃんと録音してくれたりとか。僕たち、ちゃんとチームがうまくいっていたので。そこはすごく良かったと思います。」
先生「いいね!」

  • 足立さん
  • 次回もお楽しみに〜!

次回は、今回のインタビューの内容をまとめて、キャッチコピーを作ります。

それでは次回もお楽しみに!

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