NHK高校講座

国語表現

Eテレ 毎週 火曜日 午後2:10〜2:30
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第37回 メディア・リテラシー

広告というメディアを読む

  • 国語監修:富士見丘中学・高等学校教諭 坂口 陽子
学習ポイント学習ポイント

広告というメディアを読む

広告というメディアを読む
  • 坂口先生と足立さん
  • 今回の生徒

番組のMCは歌手の足立佳奈さん!
そして、今回教えてくれるのは坂口陽子先生です。

みなさんと一緒に勉強していくのは
ひろと(高橋大翔)くん、ぼる(石田海翔)くん、くれあ(東海林クレア)さん、はるひ(河野晴日)くん、の4人です!

  • 坂口先生
  • 生徒

今回のテーマである「広告というメディアを読む」とは、広告に隠された意図を読みとるということです。
広告には、ある商品を売ったり、あるメッセージを伝えるという意図があります。
その“意図”を表現するために、不都合はなことを隠したり、良いところを誇張したりしています。
ですから、広告表現の裏に隠された意図を知ることは、情報の受け手である私たちにとって、とても大切なことなのです。

毎日接する広告
  • ひろと
  • ぼる

ある調査によると、私たちは1日に100近い広告を目にしているそうです。
高校生の4人に、見た覚えのある広告を聞いてみると…
ひろと「電車の中で美容系の広告を見た。」
くれあ「ネットで化粧品の広告を見た。」
はるひ「(ネット配信の)動画の前に清涼飲料水の広告が流れた。」
ぼる「学習塾の広告を見た。」
このように、広告はいろいろなメディアを通じて私たちに届けられています。

広告媒体の種類は大きく分けて2通りあります。
映像(動画)紙媒体(静止画)です。
紙媒体(静止画)の広告が、ひと目で引きつけるような表現で作られるのに対し、
映像(動画)の広告は、記憶に残るような表現を意識して作られています。

広告表現の違いを読み取る
  • ポスター1
  • ポスター2

上の2枚のポスターは、番組の教材として作成した“国語食品”という架空の会社の広告です。

広告には、大きく分けて、イメージ広告商品広告という2つの種類があります。

上の左図のポスターはイメージ広告です。
特定の商品を売るのではなく、国語食品という会社が“毎日の健康を支えます”というイメージを表現しています。
やさしい配色やていねいな言葉遣いにも、その意図が表れていますよね。

上の右図のポスターは商品広告です。
とにかく“このサプリメントを売るぞ!”という気迫があふれていますよね。
見た人が思わずこの商品を買いたくなるような広告になっています。

2つのポスターは、同じ会社の広告ですが、伝わるイメージがまったく違います。
どのような意図で、このような違いが生まれてくるのかを正確に読み取る技術を身につけることが大切です。

表現の達人〜小山薫堂さん
  • はるひ
  • 小山薫堂さん

今回の達人は、放送作家の小山薫堂さんです。

はるひ「もし小山さんが広告を作るとしたら、どのような工夫をしますか?」
小山「今の時代、結局広告に何を求められるかというと、どれだけ広告価値を最大化するかがポイントになってくるんですよね。広告価値が最大化されるというのは、見た人が誰かに伝えたくなる、発信したくなる(ということです)。以前は口コミっていうものしかなかったですが、今は“人”そのものがメディアなので、最初に広告の情報を受け取った人がどれだけ拡散するかっていう、その拡散の大きさが広告の価値として量られる時代だと思います。例えば『ハイスタンダード』というバンドの久しぶりのアルバムの広告、いわゆる“駅貼り”のポスターだったわけです。そこに何をしたかというと、『ギフト』という曲の譜面だけを出したんです。曲を発表する前に。そうすると、どうなるかっていうと、ファンがそれを見に来て、写真に撮って自分のSNSに上げたりする。その譜面を見たハイスタに憧れている人たちが演奏してみて、動画サイトに上げる。そうすると、まだ発売されていない曲が出回る。しかも、それが本当かウソかわからない形で出回って、じゃあ本当の曲ってどんな曲なんだろう、と注目度も高まるし。」
はるひ「そしたら買いますよね。」
小山「買いますよね。非常に良くできた広告モデルですね。」
はるひ「僕たちが(制作者の)思うように動かされている」
小山「そう。伝えたいことを書いてしまうと、いちばん伝わらない。ついつい、あれも伝えたい、これも伝えたいと思うじゃないですか。なので、(例えば)これだけの広告スペースがあるんだったら、ここの中にどれだけ自分が伝えたい思いを詰め込めるかなと思うんだけれども、それを見た人が心を動かされるかはわからないし、何かを感じるとも限らないわけで。それよりも、自然に興味をもって、その人自身がさらに深いことを知ろうと思って行動したときに、広告の価値が生まれてくる(と思うんです)。」

広告を読む技術
  • AIDMA(アイドマ)の法則
  • AIDMA(アイドマ)の法則

広告を分析するには、広告がどのように制作されているかを知ることが重要です。

広告制作の技術のポイントを、AIDMA(アイドマ)の法則といいます。
AIDMAは、次の5つの単語の頭文字です。
Attention → 注目を引く
Interest → 興味を喚起する
Desire → 購買意欲をそそる
Memory → 記憶させる
Action → 購買行動を要請する

ポスター2

先ほどの国語食品のポスターにも、AIDMAの法則が使われています。
どこに使われているのか、わかりますか?
例えば…
・『今だけ 1本買うと もう1本プレゼント!』という部分にAction
・『キャンペーンはまもなく終了!』という部分にAction
・『これで1日ガンバれる』という部分にAttention
このようにAIDMAの法則が使われています。

また、小さく書かれた『※個人の感想です』という部分には、隠された意図があります。
不都合な情報を小さく隠して、“でも間違いではない”ということを表しています。

  • AIDMAの法則を見つけて分析
  • 文字の大きさや言葉、書かれている語彙にどんな特徴があるか

さて、AIDMAの法則を見つけて分析することで、広告の意図を知ることができます。
まず、広告のコピーに使われている文字の大きさや言葉、書かれている語彙にどんな特徴があるか、読み取ってみましょう。
高校生の4人は以下のようなことを読み取りました。
・全部の文字がカクカクしていて、インパクトの強さが表れている。
・『自然由来成分』のところは真面目な情報なので、その部分はきちんとした文字で書かれている。
・すべて言い切りの形になっているのが、強いインパクトを与えている。

  • どのような人々をターゲットにしているのか?
  • くれあ

次に、この広告はどのような人々をターゲットにしているのか、逆にターゲットにしていないのはどんな人たちなのかを考えてみましょう。
高校生の4人が広告から読み取ったのは…
・働いている男性が主なターゲット
・子どもはターゲットではない
・(ポスターの男性がスーツを着ているところから)ターゲットは都会で働く人のイメージ
・高齢者もターゲットではない

つまり、働き盛りのサラリーマンの男性をターゲットにしていることが読み取れると思います。
同じように働いている同年代の女性、スーツを着ないで働く人たちは除外されているイメージを受けます。
これは、ターゲットにしている人をかなり絞っているポスターだと言えそうです。

  • 次回もお楽しみに〜!

私たちは、普段から様々な情報に囲まれています。
広告を見ることで、情報が得られると同時に、社会問題について考えさせられることもあります。
だからといって、情報をそのまま信じ込むのではなく、批判的な目をもって分析的に見ることで、情報に惑わされずに行動できるようになるはずです。
そのためにも、みなさん、“読み取る技術”を身につけてくださいね!

それでは次回もお楽しみに!

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