NHK高校講座

国語表現

Eテレ 毎週 火曜日 午後2:10〜2:30
※この番組は、2018年度の新作です。

国語表現

Eテレ 毎週 火曜日 午後2:10〜2:30
※この番組は、2018年度の新作です。

今回の学習

第4回 文章表現の基礎

文章のリフォーム-推敲(すいこう)

  • 国語監修:早稲田大学教授 幸田 国広
学習ポイント学習ポイント

文章のリフォームー推敲

文章のリフォームー推敲
  • 足立佳奈さん
  • 幸田先生

番組のMCは歌手の足立佳奈さん!
そして、今回教えてくれるのは幸田国広先生です。

  • とみあか
  • きょうの生徒

今回、みなさんと一緒に国語を勉強していくのは
咲桜(曽根咲桜)さん、ぼる(石田海翔)くん、くれあ(東海林クレア)さん
そして、きょうの日直、とみあか(富田明里)さん
の4人です!

演習「推敲その1」
  • 推敲
  • くれあ

推敲とは、書き終えた文章を再度読み直し、悪いところがないかチェックし、書き直したり、練り直したりすることをいいます。

実際に推敲してみましょう。
次の文章は、大学の推薦入試の際に提出する志望理由書・エントリーシートに記入された文章だと考えてください。

私は高校3年間、バスケ部に所属しマネージャーしながら勉強との両立を目標としてきた。その中で学んだことはたくさんあるが、特に、みんなとの協調性である。

推敲をするときには、どこに出すのか、誰に読んでもらうのかということも考える必要があります。

  • ぼる
  • 幸田先生

まず、たて書きの文章では、数字は漢数字で表すのが原則です。
そして、この場合には、どういった顔をした大学の先生が審査するのかもわかりません。社会とコミュニケーションをとるための文章です。
正式な文章では、省略語ではなく、正式な名称を使うことに注意が必要です。
さらに、一つの文が長くなった場合には、複数の文に分けると、よりわかりやすい文章になります。

正解例はこちらです。
私は高校三年間、バスケットボール部に所属し、マネージャーを務めてきた。その間、勉強との両立を目標としてきた。そこでは多くのことを学んだが、特に、大切だと思ったのは、部員どうしの協調性である。

演習「推敲その2」
  • ぼる
  • 推敲中

次の文章を推敲してみましょう。

ふだんの練習の時も試合の時もそうだが、一人一人が自己主張したり勝手なプレーをしたらよいチームにはなれない。お互いのことを思いやる想像力が大事だと思いました。それはマネージャーの最も難しい仕事でもありました。

  •  正解例
  • 生徒

正解例はこちらです。
ふだんの練習の時も試合の時も、一人一人が自己主張したり、勝手なプレーをしたりしていたらよいチームにはなれない。お互いの思いやりが大事だと痛感した。良好な人間関係を保ちながら力を発揮できる場づくりは、マネージャーにとって最も難しい仕事であった。

文末の表現は、「だ、である」調か「です、ます」調か、どちらかに統一するのが、原則です。
また、「だから」や「なので」などの話し言葉は使わないようにしましょう。
例えば、「だから」を使いたい場合には「したがって」などの表現を使うといいですね!

表現の達人「リリー・フランキーさん」
  • リリー・フランキーさん
  • リリー・フランキーさん

今回の達人は、リリー・フランキーさん。
映画やドラマで俳優として活躍する一方、イラストレーターやコラムニスト、作詞家など、さまざまな顔を持っています。
2005年に出版された小説『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』は社会現象となるほどのベストセラーとなりました。
さまざまな形で表現を続けているリリー・フランキーさん。言葉を発信することについてどのように考えているのでしょうか。

「今、SNSの中の文章って批評性が高くなっているじゃないですか。例えば、ひとつのテレビを見ても何か、誰かの発言にしても。ぼくも何かひとつ、評価しなくてはいけない文章、それが例えば、
音楽でも、映画でも、そういう文章を書いているときに何かを『くさす』文章ってそんなに難しくない。というか、若いときは、批評性を持つという意味が、批判的にとか、あらを探すとか(そう思いがち)。そういう文章を書いていると、自分が辛口になったような気がしたり、批評性が高いような気持ちになって、批判的なものを書いていたんですけど。でも、多く書いているうちに、批判的な文章を書く文章力ってそんなにいらないというか、何かをほめる文章力の方がものすごく難しい、ほめることには芸がいる(と気付いた)。あの批判はすごくよかったんです、っていうのは、どこかでオレを人身御供にして言いたいことを言ってもらってスカっとしましたみたいな、その人の片棒をかついだみたいで、ちょっと気分が悪かったりするので。」

リリーさんは、SNSとは距離をおきつつも、SNSの世界から新たな言葉の文化が発信されていると感じているそうです。
「どんなSNSの深いところでも、深いことを話している人たちの中では新しい言葉と新しい文体が生まれてるように、また、そのなかでも、今は絵文字の文化があるから、また新しい文学というか国語の形にはなっているかなと。」

ご自身では絵文字は?
「あまり使っていなかったんですけど、地元の先輩の井上陽水さんが絵文字を使えっていう(ので)。陽水さんは、ほぼ絵文字だけで返事が返ってくるっていうか、あんなに言葉を巧みに扱う人なのに、絵文字の中の意味が曖昧なものが好きなんじゃないですかね。例えば、『先輩、今日飲みにいきませんか?』って送ると、ビールの絵文字と親指が立っているだけみたいなのが来るみたいな。たぶん、その絵文字を探していくほうが、手間はかかっていると思うんですけど。ああ、また、先輩たちも新しい国語の世界になっていくんだなって。」

リリーさんご自身は推敲されることはありますか?
「それは基本的にはないですね。連載ものは推敲する時間がないっていうのもありますけど。でも、次に推敲するとなったときは、何年か後に雑誌に書いたものが書籍化されるってとき。そのときにゲラを直す作業があると、そのときは慎重にやります。」

どこがポイントになりますか?
「そのときはもう、時間に追われて書いて。ちょっとここの表現がぬるくなっているとか、ここの語尾が3年たったらちょっと変になっているってところを直していく。ワープロやパソコンで書いて、漢字選びでも、変換すると自分の身の丈以上の漢字を選ぶかもしれないけれども、これはひらがなにしておいた方がいいぞってことも多々あるわけなんですよね。でも、モノを書くっていうのは最初、“ちょっと自分が頭よく思われたい”っていう変なとらわれがあるから、そこから飛び出していくには、自分が一生懸命書きたいものを見つけるのが一番じゃないですかね。」

演習「推敲その3」
  • さくら
  • スタジオ

次の文章を推敲してみましょう。

「貴校の学風は、自立との強調であり、バスケ部で学んだことをぜひ生かしてみたい。また、体育学部ではスポーツ栄養学を学びたいと思っている。そして、未来は栄養士目指してがんばりたい。」

  • 幸田先生
  • 正解例

正解例はこちらです。
貴校の学風は、自立との協調なので、バスケットボール部で学んだことをぜひ生かしてみたい。また、体育学部ではスポーツ栄養学を学びたいと思っている。そして、将来は栄養士目指してがんばりたい。

まず、「強調」の漢字が「協調」と修正されています。
内容にふさわしい語句を選ぶことは、推敲の大切なポイントです。
この場合には、数年後の話ですから「未来」ではなく「将来」と言う方が適切ですね。
また、正解例では、ひとマスあけて、段落を分けています
今まで自分が一生懸命やってきたことを話す自己PRと、将来何をやりたいのかというこれからのことでは内容が大きく異なります。
このようなところで段落をつくるといいですね。

  • シンガーソングライターでSNSでも人気の足立さん
  • 自己アピールの文章を書いてもらいました

シンガーソングライターでSNSでも人気の足立さんに、事前に自己アピールの文章を書いてもらいました。
大学入試で、自己アピールの文章を提出するとしたら…という設定です。
この授業を受けた後で書きたかった!という足立さんが書いた文章がこちら!

 私はとても明るい人だ。
なぜなら、常に笑顔でいるからである。泣いていたとしても、必ず最後は笑顔でいる。
 例えば、高校生最後の体育祭。私のクラスは、優勝どころか12クラス中、最下位だった。クラスの中で私以外全員泣いていた。でも、私は泣いているよりも笑顔でいる方が良いと思い、泣かなかった。このクラス全員で参加出来た、そのことが何より幸せなことだと思ったからだ。
 はじめに、私は自分自身を明るい人だと書いた。でも、もしかしたら、明るいというより、ポジティブに考えるのが特意の人なのかもしれない。ポジィブに考えるからこそ、笑顔でいられるのかもしれない。
 これらのことから、私は明るい人という意見から、ポジティブな人だと考えました。

  • 足立さん
  • 生徒

改めて読んで見て、
・数字は漢数字に直せばよかった
・「ポジティブ」と書こうとしたのが「ポジィブ」になっている

ことに気がつきました。

その他にも、
「特意」は「得意」が正解です。
そして「得意の人」ではなく「得意な人」とした方が適切です。

最後のマス目を埋めたら完成ではなく、書き終えたら、もう一度、見直してみましょう。
そうすると気づかなかったことが見えてきたり、新たな発見もあるかもしれません。

推敲の人「松尾芭蕉」

江戸時代の俳諧師(はいかいし)・松尾芭蕉(まつおばしょう)。
代表作は紀行文「おくの細道」です。

「閑かさや  岩にしみ入 蝉の声」
「夏艸や  兵共どもが 夢の跡」


誰もが知るこれらの句でつづられている「おくの細道」。
そこには人生、旅、俳句といった、芭蕉の世界観が構築されています。
芭蕉が書いた「おくの細道」の自筆本には、清書された文章の上にいくつもの貼り紙をして、修正がなされています。
妥協を許さない芭蕉の推敲を重ねた跡がうかがえます。
このストイックな推敲の結果が、名作「おくの細道」を生みだしたのかもしれません。

本日の授業終了!
  • 次回もお楽しみに〜!

作文をたくさん書きたいなと思ったという足立さん。
みなさんも、きょうの授業をしっかり復習して、文章の書き方をマスターしましょう☆

それでは次回もお楽しみに!

科目トップへ

制作・著作/NHK (Japan Broadcasting Corp.) このページに掲載の文章・写真および
動画の無断転載を禁じます。このページは受信料で制作しています。
NHKにおける個人情報保護について | NHK著作権保護 | NHKインターネットサービス利用規約