NHK高校講座

家庭総合

Eテレ 毎週 木曜日 午後2:40〜3:00
※この番組は、前年度の再放送です。

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※この番組は、前年度の再放送です。

今回の学習

第32回 衣生活

衣服はどうやって作る?

  • 監修:大阪府立天王寺高等学校教諭 谷 昌之
学習ポイント学習ポイント

衣服はどうやって作る?

今回のテーマは 「衣服はどうやって作る?」
  • 太哉・絢音
  • りゅうちぇる

「家庭総合」では、これから生きていくために必要な知識や技術を、りゅうちぇるさんと一緒に学んでいきましょう!

番組ではこれまで、どうして人は服を着るのか、そして天然繊維や化学繊維のほか、最新の技術でどんどん進化している最新の服の素材について学んできました。
今回も衣生活・ファッションのことについて、現役高校生の、太哉さん(高3)、絢音さん(高1)と一緒に話していきましょう。

今回のテーマは、「衣服はどうやって作る?」

りゅうちぇる 「ふだん当たり前に着ている僕たちの衣服が、いったいどんなふうに作られているのか?ファッション業界の舞台裏にも迫りますよ!」

3つのポイントは、「衣服はどんなパーツで できている?」「縫い方の基本をマスターしよう!」「服作りの手順」です。
一着の服ができるまでのプロセスや、作り手の思いに注目しましょう!

衣服はどんなパーツで できている?
型紙

りゅうちぇる 「服って、もともと平面のいろいろなパーツを組み合わせています。」

これはシャツの「型紙」です。

  • 身ごろ
  • えり

からだでいうと胴体の部分にあたる「身ごろ」を中心に、「えり」「袖」などいろいろなパーツがあるのがわかります。

  • パターン
  • 袖

この型紙は「パターン」ともいいます。
このパターンをもとに布をパーツに切り分けて、からだに合うように構成して縫い合わせると、シャツが完成します。
たとえば、袖になる肩の部分は曲線になっているからこそ、実際に縫製されたときに肩を包む形、(からだに)フィットした立体的な形になります。

りゅうちぇる 「こんなふうに、洋服は曲線に裁断された布をからだの形にフィットするように立体的に縫い合わせて作られているんです。
実際にシャツはどんなふうにして作られるのか気になるよね!?専門店のシャツ作りの様子を見てみましょう!」

  • 採寸
  • 胸囲・ウエスト

  • ゆき
  • けい囲

  • 胸幅
  • 背肩幅

  • 背幅
  • 背丈

  • 着丈
  • アームホール

シャツ作りの第一歩は「採寸」です。
「胸囲」「ウエスト」、けい椎点から手首までを測る「ゆき」、ほかにも「けい囲」「胸幅」「背肩幅」「背幅」「背丈」「着丈」「アームホール」など、全部で10か所以上の採寸が必要です。

  • 型紙作成
  • 28枚の型紙を作る

シャツ作り、続いての工程は「型紙作成」です。
採寸したサイズをもとに、シャツ作りに必要な28枚もの型紙を作ります。

  • 裁断
  • 斉藤さん

次は「裁断」です。
布に型紙を置き、ナイフで裁断していきます。
このとき、縫い合わせるパーツの柄が合うように意識しているんだって!

テーラー 斉藤 久夫さん 「『柄合わせ』がありまして、袖のほうまでなるべく(柄を)合わせるように、横のラインを合わせるようにしようと、裁断はしています。」

  • 縫製

続いて「縫製」です。
縫製は布の厚さや場所によって、縫い方を変えて作業します。

  • ボタンホール加工
  • ボタン付け

次は「ボタンホール加工」「ボタン付け」
ボタンホールはミシンで、ボタン付けは手縫いです。
実はこのボタン付けにも、ある工夫が…

  • 穴が通しやすいように
  • 根巻き

(女性テーラー) 「ボタンの穴に通すときに、きつすぎると固くなったりするので、(ボタンを)穴に通しやすいように“根巻き”といって、厚みを考えて縫うようにしています。」

  • アイロンかけ
  • シャツの完成

最後にアイロンを使って丁寧に仕上げていきます。

これでオーダーメイド・シャツの完成です。
からだにぴったりフィットする、世界にひとつだけのシャツができました!


絢音 「採寸したり型紙をとったりしていて、そういうところに(テーラーの斉藤さんの)技が見えてきて、すごいなと思いました。」

太哉 「いまって、なんでも機械でできる時代じゃないですか。それでも(オーダーメイドのシャツ作りは)職人さんの技というのがあって、本当にすごいなと思いました。」

りゅうちぇる 「手縫いでしっかり作っていて、しかも、ちゃんとボタンが留めやすいように(厚みを考えて縫う)という思いやりの心も 手縫いだからこそできて、しかも味があっていいよね!こんなお裁縫が、自分でできたら、メチャクチャかっこいいよね!?」

縫い方の基本をマスターしよう!
  • エンジョイソーイング
  • 谷先生

りゅうちぇる 「いま着ている服の手直しなどにも使える、“お裁縫”にチャレンジしましょう!」

太哉・絢音 「はーい!Let’s enjoy sewing♪」

ここからは、番組の監修を担当する、大阪府立天王寺高等学校 教諭 谷昌之先生にお裁縫のコツを教えてもらいます。

谷先生 「早速、『ボタン付け』にチャレンジしてもらおうと思うんですけれども、みなさん、ボタン付けをしたこと、ありますか!?」

りゅうちぇる 「あります!」

太哉 「ある…?」

絢音 「ある…けど、ふだんはお母さんにやってもらってます…。」

りゅうちぇる 「そうだよね。」

谷先生 「一度、私がボタン付けてみますので、ぜひ確認してみてください!」
りゅうちぇる 「お願いします!」

  • 位置を決める
  • 玉を持ってくる

・まず、ボタンを付けたい位置を決めます
・その位置に、針を小さくひとすくいして、玉を持ってきます

  • 針にボタンを通す
  • 糸を通して固定

・そして、針にボタンを通します
・ボタンが少し浮くように糸をゆるめ、2〜3回、ボタン穴に糸を通して固定します
・ボタンをしっかり子照りしたら、次は「根巻き」です。

  • 根巻き
  • 玉どめ

・ボタンと布の間に針を出し、糸を2〜3回、固く巻き「根巻き」をします
・ボタンを付けた布の裏に針を出して、「玉どめ」をします
玉止めは、まず針に糸を3回ほど巻いて、糸を引っ張って「玉」を作ります。
「玉」をしっかりと押さえて、最後まで離さずに引っ張ると、狙った位置に「玉どめ」をすることができます。

  • 糸を切る
  • ボタン付け完成

これでボタン付けの完成です!

  • 太哉ボタン付け
  • 絢音ボタン付け

谷先生のお手本を参考に、3人もボタン付けにチャレンジ!

太哉 「あ、こうか…」

谷先生 「ロープウェイみたいに、するするするーっとすると、絶対そこにしか行かない!」

りゅうちぇる  「(絢音さん、)いい感じ!!」

絢音 「いい感じかも〜」

  • りゅうちぇるボタン付け
  • りゅうちぇるの完成ボタン付け

りゅうちぇるさんはボタンの根巻きをずいぶん頑丈に巻くみたい!?

りゅうちぇる 「5回くらい(根巻き)やっとくわ!絶対(ボタンが)とれてほしくないっ!はい、おわり!!」

絢音 「できた〜!」

谷先生 「(りゅうちぇるさんは、ボタンの)根巻きをたくさんやっていましたよね?」

りゅうちぇる 「そうなんです!」

谷先生 「あれも、コートとか分厚い(衣類)もののときは、ボタンをとれにくくするためには必要なので、そういう工夫もすごくいいなと思って見ていました。」

りゅうちぇる 「確かに、薄い布とかでも、多めに(ボタンの根巻きを)巻いちゃっていたので、そういうふうに生地を使い分けて(根巻きの回数を調整して)やっていくといいんだ。」

谷先生 「はい。そこを自分で考えながら、ボタン付けひとつとっても、どうしたらいいかなっていうことを工夫しながらやっていくと、さらによくなるなと思いました。」

りゅうちぇる 「なるほど。」

  • まつり縫い

続いて、スカートやズボンの裾上げに活用できる「まつり縫い」にチャレンジしてみましょう!
(番組では、縫い目がわかりやすいように赤い糸を使っています。通常は目立たないように布と同系色の糸を使います。)

  • 糸を出す
  • 針を抜く

・折り山の端から1mmの位置に、折り山の下から糸を出します
・5mm先の折り山のすぐ下の表布を、1mmだけすくいます
・少し先の折り山の下から針を刺して針を抜きます。このとき、糸を強く引きすぎないように注意しましょう!

  • 繰り返して縫う
  • 表から見たまつり縫い

これを繰り返して「まつり縫い」の完成です。
表から見ると、縫い目は小さく目立たなくなっています。

  • まつり縫い挑戦太哉
  • 太哉のまつり縫い

3人も早速、「まつり縫い」に挑戦します!

あれ、太哉さんはボタン付けのときよりも、かなり苦戦しているみたい!?

太哉 「ボタンつけるのもめちゃくちゃ難しかったんですけど、あっち(ボタン付け)で慣れたからできるかなと思ったら、こっち(まつり縫い)はもっと難しくて、(縫い目の)間隔とかもバラバラで、ほんとの“まつり(祭り)”みたいになっちゃった…」

りゅうちぇる 「本当だね(笑)」

  • まつり縫い挑戦絢音
  • 絢音のまつり縫い

一方、絢音さんはきれいに縫えたみたい!

絢音 「できました!」

りゅうちぇる 「お上手〜!」

りゅうちぇる 「きょうは『ボタン付け』と、裾上げに使える『まつり縫い』を教わりました。これ、いざという時に絶対、役立てるね!?」

太哉 「絶対、役立ちます!」

谷先生 「そうですね。自分でボタンを付けたり まつり縫いをしたり、服作りの技術を身につけることも大事なんですけれども、そういう経験を積んでおくと、既製服を買うときに『どういうところを見たらいいのかな』とか、『この難しいところ縫えてるな』『ここ、すぐほどけそうだな』という商品を見る目も身につくと思うので、ぜひたくさんチャレンジして、縫い方の技術を身につけてもらったらなって思います。」

服作りの手順
  • ジャケットを着た絢音
  • 直撃

りゅうちぇる 「ここからは、既製服を作る手順について見ていきますよ。モデルは絢音ちゃんです!」

絢音 「はい!私が着ているのは、ある人気ブランドのジャケットです。すごく動きやすくて、着心地もとてもステキです!」

りゅうちぇる 「めちゃくちゃ似合ってる!一気に(絢音さんの)雰囲気、変わってる!」

絢音 「かわいいですよね。動きやすいですし!」

りゅうちぇる 「絢音ちゃんが着ているジャケットはスタイリッシュでタイトな印象だよね。でも、“長い時間着ていても疲れない”と、バリバリ働く女性たちに大人気なんだって。このジャケットがどのようにして作られてきたのか、完成するまでの流れを直撃しました!」

  • ジャケット
  • 森さん

2015年に発売されたこちらのジャケットは、いまもなお多くの女性たちから支持を集める人気の商品です。
企画を担当したのは、森 雅史さんです。
フォーマルな装いでもストレスなく過ごせるようなジャケット、第一線で活躍する働く40代の女性を応援する、そんな服を作りたいと森さんは考えました。

森さん 「ジャケットって堅苦しく感じられることもあるんですけれども、一番はやっぱり着心地を追求したジャケット(を作りたい!)」

  • 常さん
  • スタイルアップ効果

森さんの企画のもと、デザイナーの 常 ひとみさんが「デザイン」を担当します。
常さんは、森さんから届くお店の情報やお客様の意見を聞きながらイメージを膨らませ、ジャケットのデザインを考えます。

  • デザイン画
  • 伸縮性のある素材を開発

こちらが常さんによるデザイン画。
最大の特徴は、ジャケットを着ると細く見える“スタイルアップ効果”です。

常さん 「男性社会で戦っていく中で、それでも女性であることの大切さみたいなものをすごく大事にされている方に向けてつくりたいという思いがあり、素材やデザインを工夫しました。」

素材選びもデザイナーの仕事です。
常さんは、伸縮性があり長時間着ていてもストレスにならない素材を開発しました。

  • 堀内さん
  • トワル

デザインと素材が決まったら、それを立体的な形にするのが、パタンナー 堀内 仁美さんです。
デザイナーの常さんの考えたデザイン画をもとに、まず試作品となる「トワル」を作成します。

  • 木綿の生地を使って試作するトワル作成
  • 作業中の堀内さん

裁断した木綿の生地をピンで留めて作ったトワルで、ジャケットのシルエットやパーツのバランスなどを確認します。
今回のジャケットは伸縮性のある素材を使うため、からだにフィットしつつも、タイトかつエレガントな形へと調整を進めていきます。
完成したトワルから、型紙をつくるのもパタンナーの仕事です。

堀内さん 「トレンドも変わるし、流行もどんどん移りかわって素材も変わっていくので、シーズンが変わってデザイナーさんから新しいデザイン画が来て、これからまた1からトワル組もうって思うときが楽しいです。」

  • 仕様書
  • 縫製

こうしたプロセスを経て既製服の「仕様書」ができ、工場で縫製されます。
そして、ようやくジャケットの完成です。

森さん 「洋服1着ができるまでに、社内・社外含めて多くの方がたずさわっています。そういった、いろいろな方の思いをのせた製品をお客様の手元に届けられること、お客様に満足いただくことが、一番の魅力かなと思っています。」

太哉 「服って、デザインとかサイズとか 見た目のことばかりを意識していたんですけど、VTRを見て、機能性を大事にしているんだなっていうのをすごく感じました。」

りゅうちぇる 「本当だね。」

絢音 「つくる人の思い、服を作るのに いろいろな人が いろいろなことを思って作ってきて、それがこの1着にまとまったというか…それがすごいなって思いました。」

りゅうちぇる 「本当だよね。女性が社会で活躍していくために機能性も大事にして作られたっていうのもだけど、かつ女性らしさも出すっていうか、その個性もしっかり出すというところがうまいバランスで作られているし、でも、そのためにはいろんな人の熱意があるからこそできあがるもの!だからこそステキなんだなぁって僕も感じた。これからも僕自身も、お洋服をちゃんと愛そう、お洋服を知ろうって思えたかな。」

わたしたちの未来 〜SDGs17のゴール〜
  • SDGsの目標12
  • 日本のアパレル業界では年間100トンの衣類が廃棄

いま、日本のアパレル業界から廃棄される衣類は、年間100万トンに及ぶといわれています。
なかには新品のまま焼却処分されるものも、あるそうです。
そこで今回、取り上げるSDGsの目標は、目標12「つくる責任つかう責任」です。
日本のあるアパレル企業の取り組みについて、紹介します。

  • EARTH TO WEAR

長く大切に使ってもらえる服づくりをめざすアパレル企業では、「EARTH TO WEAR」というアクションプランを掲げています。

  • プラスチックの使用削減
  • 服のリサイクル

プラスチックの使用削減や、リアルファーの使用禁止など、地球環境に配慮した服作りをめざしています。
また、不要な衣料品を回収して新しい服の原料や再資源化する活動にも力を入れています。

  • 服育授業
  • 岩崎さん

さらに、小学校の家庭科の授業にデザイナーやパタンナーを派遣して、服を作る楽しさや、服を大事にすることを伝える「服育」の授業も行っています。

アパレル企業 広報 岩崎 麻佐子さん 「私たちは長く1着の服を大切に愛用する、そんな心を育むために『服育』授業を続けてきております。どのように一緒になって、服を楽しんで、長く着ていただけるかっていうことを(お客様と)一緒に考えていきたいと思いますし、そのために(アパレル企業として)なにが提供できるかっていうのを、これから考えていきたいと思っております。」

  • 絢音の感想
  • 太哉の感想

絢音 「地球にやさしい服づくりというのが大切だなと思った。いままであまり目を向けたことがなかったんですけど、100万トンも(衣服が)廃棄されているということを知って、私たち買う側からも服を選んで買うことが大切だなって思いました。」

太哉 「最近 部屋の大掃除をして、服を捨てようと いまゴミ袋がいっぱいあって…だったらリサイクルできるなって、ちょうどタイムリーに思って。リサイクルなら自分にもできるし、地球に優しいなら、やりたいと思いました。」

りゅうちぇる 「ステキ!いろいろな人の思いが込められているはずの『服』、絶対にむだにしちゃいけないよね。今回紹介した企業だけでなく、ほかにもいろいろなアパレル企業が、同じような取り組みを行っているんですね。
地球を傷つけることなく、消費者の僕たちも『つかう責任』として、そういう思いが込められて作った服を選ぶチカラを持たないといけないよね!これからも地球や人にもやさしいファッション、意識していこうね!」


それでは次回もお楽しみに!

【第32回 衣服はどうやって作る?】3ポイント まとめ
  • 家庭総合 第32回 ポイント1
  • 家庭総合 第32回 ポイント2
  • 家庭総合 第32回 ポイント3

1:衣服はどんなパーツで できている?
服は「身ごろ」や「えり」「袖」など、たくさんのパーツから作られます。

2:縫い方の基本をマスターしよう!
ボタン付けとまつり縫い、自分でもぜひトライしましょう!

3:服作りの手順
作る人たちのさまざま思いが込められた服、長く大事に着ていきましょう!

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