NHK高校講座

家庭総合

Eテレ 毎週 木曜日 午後2:40〜3:00
※この番組は、2020年度の新作です。

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今回の学習

第3回 自分・家族

家族の役割ってなに?

  • 横浜国立大学教授 堀内かおる
学習ポイント学習ポイント

家族の役割ってなに?

第3回のテーマは 「家族の役割ってなに?」
  • りゅうちぇると2人の現役高校生
  • りゅうちぇるの家族

「家庭総合」では、これからの生活に必要な知識や技術を、りゅうちぇるさんと一緒に学んでいきましょう!
今回は現役高校生の、さとしさん(高3)と英さん(高1)と話していきます。

もうすぐ2歳になる男の子の子育て真っ最中のりゅうちぇるさんにとって、家族の役割とは…?

りゅうちぇる 「僕は、家族っていうものは『たくさんの大切な愛を教える場所』と思っていて、僕も子どもがいるんだけど、子どもにもたっぷりたくさん愛情を注いでいけたらいいなって思っているんですね。」

今回の3つのポイントは、「家族に望むこととは?」「世帯と家族」「家族の機能の社会化・外部化がもたらすもの」です。
家族にはどんな役割があるのか?一緒に考えていきましょう!

家族に望むこととは?
家庭の役割アンケート

家族が暮らす場所が「家庭」です。
内閣府が行った世論調査に「家庭の役割」について聞いたアンケートがあります。
調査結果を見てみると、

1番多かったのは「家族の団らんの場」64.2%。
また「休息・やすらぎの場」「家族の絆を強める場」などがありました。

2番目は「親子が共に成長する場」38.4%。
「子どもを産み育てる場」「子どもをしつける場」などもあり、子どもを家庭の中心にしている人も多いようです。

他にも「夫婦の愛情をはぐくむ場」や「親の世話をする場」などがありました。
このように、家庭に愛情や、やすらぎを求めている人が多いとわかります。

  • さとし
  • 英

さとし 「僕も家族に対しては、やすらぎや愛情?を求めているので、やっぱりアンケートと同じような意見でしたね。」

英 「家族には恥ずかしいこととか隠したいことが、私はあんまりないので、素を出したなかで、また新しい発見だったり、考えごとをできる場かなと思います。」

1950年代ごろ、高校生のみんなが生まれるずっと前の、家族の役割はどうだったのか、みてみましょう。

  • 第一次産業が大半
  • 火起こし

家族の役割は、時代とともに変化しています。
いまから70年ほど前、1950年代は、農林業や水産業などの第1次産業が産業構造の約半分を占めました。
家族は、生活に必要なものをほぼ自給自足していました。

例えば、お米の収穫にはたくさんの人手を必要とします。
そのため、子・親・祖父母という3世代以上が同居し、家族みんなで力を合わせて働き、ともに生活していたのです。

家事も、いまとは比べものにならないほど、重労働でした。
台所で使う火は、毎回「火おこし」をしました。
井戸で水をくみ、洗濯するのもすべて手作業です。
機織りや裁縫をして服を作るのも、主に家族が担っていました。

  • 結婚式
  • 出産・育児

結婚式も、家で行われました。
そして、出産や育児も、家で、家族みんなに見守られて行われました。
そして、家族の最期をみとるのも、家で行われていたのです。


りゅうちぇる 「全部、家の中でやってたんだね。大変そうだったよね。」

英 「家族で働く・・・、みんなで一緒に住んで、みんなで農業をして、家族で仕事をするっていう感覚が私にはないので、なんか新鮮というか…。」

世帯と家族
  • 堀内かおる先生
  • 家族・世帯

ここからは、横浜国立大学教授の堀内かおる先生と一緒に考えていきます。

まずは「世帯」について見てみましょう。
「家族」の範囲は人によって違います。
例えば、単身赴任で父親(または母親)が同居していないなど、さまざまな理由があり、家族の実態はつかみにくいものです。

堀内先生 「 『家族』というのは、概念と考えればいいんじゃないかなと思います。」

国や地域における家族の実態や動向を説明するとき、そして住民基本台帳などに用いられる単位として『世帯』という言葉があります。

堀内先生 「『世帯』はライフスタイルの実態を表しています。」

世帯の分類

主な「世帯」の分類を見てみましょう。
「単独世帯」は、ひとり暮らしなどを示します。
「核家族世帯」は、夫婦だけや夫婦と子どもの2世代が同居している世帯で、一人親と子どもの同居なども含まれます。
「核家族以外の世帯」は、夫婦と両親の2世代や、そこに夫婦の子どもを加えた3世代以上などが同居している世帯です。
「非親族を含む世帯」は、親族以外と同居している世帯で、友だち同士で暮らしたりするケースも含まれます。
寮や寄宿舎に学生同士が同居している場合などは、「施設等の世帯」となります。

家族構成の割合の推移

次に、家族構成の割合の推移を見てみましょう。
1960年からの55年間で、「夫婦のみ」と「単独世帯」が増加し、世帯の規模が小さくなっていることがわかります。
その背景には、少子化や寿命が伸びて高齢者の単独世帯が増加していることや、未婚のまま、ひとり暮らしを続ける人が増えたこと、などがあります。

このような世帯の変化は、ライフスタイルの変化を表しているといえます。
家族構成の変化から、少子化や高齢者の単独世帯の増加といった社会やライフスタイルの変化も見えてきます。
そして、ライフスタイルの変化に伴って、家族の機能も変化しています。

家族の機能の社会化・外部化がもたらすもの
  • 高度成長期
  • 家族の外部化が進む

1970年代、高度経済成長期には産業構造は商業など第3次産業が増え、核家族化が進みます。
また、産業も発展し、家族の機能の多くは外部化していきました。

  • スーパーマーケット
  • ファミリーレストラン

このころ日本に広がり始めた「スーパーマーケット」には、さまざまな食料品や日用品が並びます。
いままでは家庭で作っていた物も、その多くは店で買うのが当たり前となっていきました。
「ファミリーレストラン」の登場もこのころ。
手頃な値段と豊富なメニューが人気となりました。
家庭ではなく、店などで食事をする「外食」が増えていってのです。

  • レジャー施設
  • 結婚式

遊園地などのレジャー施設が全国に広がり、家族で出かけることも多くなりました。
家で行われていた結婚式や葬儀も、式場で行われることが一般化していきます。
出産・保育・医療・介護なども、家庭ではなく、病院などの施設に移り、社会全体で担うしくみが整えられていったのです。


りゅうちぇる 「家庭で作っていた料理を、お弁当やお惣菜を買ったり、レストランなどで手軽に食べれるようになったり、これが家族の機能の外部化なんだね。」

家族の基本的な機能と社会化

他にも、家族の機能の社会化・外部化には、「企業」に外部化した衣食住の生産やサービスなどがあります。

りゅうちぇる 「僕の衣装も自分でちゃんと…作ってはいません(笑)。これは衣装さんが用意してくれて、、、それがもう当たり前になってるんだけど!」

クリーニングも、洗濯の外部化です。
レジャー産業では、遊園地なども外部化のひとつです。
病院・保育所・老人ホーム、そして「学校」も家族の機能から外部化しました。
教育は家庭で、家族によって行われていた機能でした。

堀内先生 「外部化と義務教育による就学率の向上によって、日本では誰もが質の高い教育を同じように受けられるようになりました。」

りゅうちぇる 「教育の外部化は本当によい結果をもたらしたんだよね。僕の家でもよく外食をするし、宅配の料理とかもすごく便利だから結構、使っているんだ。」

  • 千葉さんと幸美さん
  • 浴室の清掃

家族の機能の外部化を、実際に行っている家族にお話を聞きました。
千葉眞智子さんは、家庭科の教師をしています。
朝、千葉さんと次女の幸実さんが、それぞれ仕事と学校に出かけました。
千葉さんが出勤してから1時間後、留守になった家に女性がやってきました。
女性は、鍵を開けて家に入って行きます。
実はこの女性は、家事代行サービスのスタッフの湯澤万里子さん。浴室などの清掃作業を行います。
千葉さんは家の掃除を外部化し、家事代行サービスに依頼しています。
家事代行では、掃除のプロが丹念に作業を行います。
3時間かけて、浴室・トイレ・キッチン・リビングがきれいになりました。

千葉さん 「帰ってきて、すごく気持ちがいいですよね。お風呂・トイレ・キッチン、そういった所が、自分ではあそこまでキレイにできない、水アカとか全部きれいになっているので。」

千葉さんが家事代行サービスを利用し始めたきっかけは、10年以上前にさかのぼります。夫の功さんも高校の教師で、夫婦は共働きでした。
家事と二人の子どもの育児を協力して行っていましたが、仕事は毎日忙しく、お互いにフラストレーションがたまっていったのだそうです。

  • 千葉さんと夫
  • 千葉さんの子どもたち

功さん 「こっちも結構、いっぱいいっぱいでした。8時過ぎに帰ってきて、そこから食事、入浴、一息つくのが10時。1つの提案として家事代行サービスっていうのがあって、ある意味、渡りに船でした。」

掃除を外部化する一方で、子どもたちは保育所や学童保育に預けました。これも、家族の機能の外部化です。
そうしたなか、千葉さんが家事の中で大切にしているのが「料理」。
忙しくても、これだけは外部化したくないそうです。

千葉さん 「食事をちゃんと整えてあげる、3食ちゃんと整えてあげるっていうのが、私にとっての家族への愛情の示し方だったってところでしょうかね。」

  • 千葉さん手作りのキャラ弁
  • 幸美さんの感想

千葉さん手作りのキャラ弁。二人の子どもたちのため、お弁当にもいろいろな思いを込めて作ってきました。

幸美さん 「仕事は忙しいけど、なんだかんだ毎日ちゃんとご飯作ってくれて、お弁当までちゃんと作ってくれて、おいしいし、本当にこれが私のご飯、いつも食べてるご飯の味って感じ。」

千葉さん 「たまたま私は、お料理は得意だったからで、みなさんの家もそうしなきゃいけないってわけではないと思うんですよね。お料理が苦手ならばお料理は代行で、そのかわりお部屋はきれいに保つとか、代行の使い方もご家庭それぞれなのかなと思います。」

  • ウインウインな関係
  • 自立

りゅうちぇる 「僕も子育てをしながらだと、家事も全部やろうとすると大変なこともあるんですよ。しかも、専門家の方にやっていただいたら、よりきれいになるから、すごくいいなって思いました。」

英 「その道のプロフェッショナルの人にやってもらいながら、自分はまた自分の得意なことで愛情を注いだりとかするっていうのは、なんか本当、ウィン・ウィン(win-win)
な関係っていうか。」

りゅうちぇる 「本当にそのとおり。ちなみに千葉さんが利用している家事代行サービスの料金は1時間3500円です。」

さとし 「対価にあってるんじゃないかな。効率的に時間が使えると思うので。」

堀内先生 「やっぱり外部化は便利ですよね。でもそのためには、お金が必要ってこともありますよね。だから、外部化をして得られるメリットと、それに対する支払う代金というものをしっかり考えて、バランスを取っていくことが大事かなと思いました。」

りゅうちぇる 「そうやって考えると、機能の外部化っていうのは、自分たちの理想のライフスタイルを生きるための選択肢だっていうことがわかるよね。その選択肢を選べるのも、自分で考えたりして選択したりできるのも、これも自立なんじゃないかなって思う。」

さとし 「そこが自立なんですね。やっぱり自分で選択していくってことが自立につながるってことなんですよね?」

英 「自立って聞くとすごく難しいこと、たくさん考えちゃうけど、結局は自分でそういってライフスタイルとか生き方を選択していくことなんだなって、ちょっと発見しました。」

みなさんも、理想のライフスタイルを目指して一緒に考えていきましょう!

わたしたちの未来 〜SDGs17のゴール〜
  • 目標4「質の高い教育をみんなに」
  • マララ・ユスフザイさん

「家庭総合」を学ぶとき、ぜひ知っておいてほしい「SDGs」について考える
コーナーです。
今回は、家族の機能の外部化のひとつが「教育」だという話をしました。
そこでSDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」について考えます。
世界には、質の高い教育を受けることができない国や地域がたくさんあります。
なかでも、女子教育の問題は深刻…

今回は、2014年、史上最年少の17歳でノーベル平和賞を受賞した、マララ・ユスフザイさんに注目!
マララさんは、11歳の時から女子教育を支援する活動を精力的に行ってきました。

マララさん 「学校に行っていない少女たちが 1億3000万人、います。世界の指導者は 女子教育に投資すべき です。女性の経済的な潜在能力を生かすために。」

マララさんの故郷・パキスタンでは、貧困が大きな問題となっています。
貧しい家庭の子どもたちは、生活を支えるために働き、学校に行くことが難しいのです。
また、保守的な層を中心に、女性は家の中にとどまるべきだという考え方が根強く、女性が教育を受けることへの反発が残っています。

  • 銃撃されたマララさん
  • 国連で演説するマララさん

そんななか、マララさんは女子教育の重要性を訴え続けました。
しかし、過激な勢力・タリバンは女性が教育を受ける権利を否定。女性が通う学校を次々と爆破しました。
2012年・15歳のとき、マララさんはタリバンに銃撃され、ひん死の重傷を負います。
奇跡的に命をとりとめたマララさんは2013年・16歳のとき、国連本部で女子教育の重要性を訴えました。

マララさん 「1冊の本、1本のペンで世界を変えることができます。教育こそが唯一の解決策です。


さとし 「女子学校が襲撃されてしまったりして、それでも(マララさんが)立ち上がろうって思えるのは、本当に勇気がいる行動だったんだろうなって思います。」

英 「私は、大人は何やってるんだろうなって(思います)。こんな若い女の子が撃たれてもなお発信を続けようとしてるなかで、なんかもう本当に世界って何なんだろう…って思います。」

りゅうちぇる 「そうだよね。やっぱり、社会の価値観と貧困が、女子教育のさまたげになっているんですね。」

堀内先生 「貧困によって、学ぶ機会が与えられない子どもたちっていうのは、将来、仕事を得ることがとても難しくなってしまう。そのことによって貧困がいつまでも続いてしまうことになるんです。」

  • ドライブ・フォー・ファイブ
  • 感想を述べる英

このような状況を受け、2020年2月、国連の事務総長は、思春期の女子教育のための行動を呼びかけました。
「ドライブ・フォー・ファイブ (THE DRIVE FOR 5)」です。

1.机を与えられること
2.自信を持てるようになること
3.学校で学んで、スキルを身につけること
4.学校に通うための、安全が保障されること
5.学校に通うための、健康が保障されること

女子教育のため、まず、こうした環境を整えるための支援が重要なのです。

りゅうちぇる 「これが本当に少しでも早く実現して、学校に行っていない少女がゼロになるといいですよね。」

それでは次回もお楽しみに!

【第3回 家族の役割ってなに?】3ポイント まとめ
  • 家庭総合 第3回 ポイント1
  • 家庭総合 第3回 ポイント2
  • 家庭総合 第3回 ポイント3

1:家族に望むこととは?
  団らんや安らぎ、親子がともに成長する場など、家族の役割はライフスタイルによって、さまざまです。
2:世帯と家族
  世帯ごとの家族構成の変化は、少子化や単身者の増加など、社会の動きを表しています。
3:家族の機能の社会化・外部化がもたらすもの
  理想のライフスタイルをめざし、家族の機能の外部化をバランスよく取り入れていくことができるようにしましょう!

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