NHK高校講座

現代の国語

Eテレ 隔週 月曜日 午前10:00〜10:20
※この番組は、2022年度の新番組です。

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今回の学習

第2回

この説明で分かりますか?

  • 文教大学教授 藤森 裕治
学習ポイント学習ポイント

この説明で分かりますか?

この説明で分かりますか?
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今回のテーマは「この説明で分かりますか?」。
番組のMCはパンサーの向井慧さん。
一緒に学ぶ生徒は石岡飛鳥さん、しゅうせいさんの2人です。

説明をする難しさ、生徒の2人にも思い当たる節があるようです。

あすか「自分が伝えたいことを伝えたつもりだったけれど、相手に誤解されちゃって、あー違うなって思ったことが最近ありました」
しゅうせい「中学生のときの部活で、先輩に教えてもらったことが自分の思っていることと違ったことが何回かありました」


言葉だけで説明しよう!
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「分かりやすい説明」への第一歩として、「これ何してる?」ゲームをやってみましょう!
カードに書かれている4つのお題は、すべて“あるものを使って何かをする”という内容です。
ルールは2つ。
☆ ジェスチャーなし、言葉だけで説明する
☆ NGワードは使わない


4枚のカードの中から1枚を引いて、1分程度でカードの内容を相手に伝えてみましょう!

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最初に、あすかさんが向井さんに伝えます。
みなさんも、答えは何か一緒に考えてみてくださいね!

あすか「人はみんな、たぶん1日1回以上は絶対やっていそうなことです。生きるために必要なこと。これはいろんなところで売っています」
向井「売っている!?」
あすか「売っているものを使ってなんかする、みたいな感じですね」
向井「何かする、みたいな感じ?」
あすか「道端とかにもありますし」
向井「道端に!?」
あすか「お店とかにも売っているものを、まあ、体に取り入れる、みたいな。ちょっと説明が難しいんですけど」
向井「わかりにくいよ!」
あすか「そうですね。いろんな味があります」
向井「味?味??」
あすか「そうですね、何だろ。今日もさっき、楽屋で飲みました」
向井「知りません。それは知りません!楽屋の過ごし方は」
あすか「いや、楽屋にもありますね、これ」
向井「わたしにも?」
あすか「ああ、あると思います」

みなさん、分かりましたか?
向井さんの答えは「お茶」でしたが、正解は、「ペットボトルの飲料を飲む」。
NGワードは、ペットポトル、キャップでした。

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次に、しゅうせいさんが向井さんに伝えます。

しゅうせい「これは小学生くらいから、授業とかでやります。結構、体育の授業とかで、小学生が校庭でやっていることが多いです。技の名前とかで、ハヤブサとか、そういうものがあります」
向井「はい!はいはいはい」
しゅうせい「それの種類の色的に、赤とか、透明とか、いろいろあります。100均とかにも、売ってることがあります。冬にそれをしたときに、肌にあたるととても痛くて、トラみたいに模様がつくことがあります」
向井「はいはいはい、いいのかな、俺が思い描いている物でいいのかな。なわとび!」
しゅうせい「もう正解でしょう。なわとびをする、です」
向井「なるほどなるほど。まあまあ、ほぼね。正解ですね」

ちなみに、用意されていたそのほかのお題は「鉛筆で文字を書く」と「歯を磨く」でした。
みなさんだったらどんな説明をしますか?

分かりやすさの秘訣とは?
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ここで、分かりやすさの秘訣について考えてみましょう。
教えてくれるのは、藤森裕治先生です。

先生「いろんなアドバイスはしたいんだけど、ひとつだけ覚えておいてください」

先生がによると、分かりやすい説明のコツは、全体像を先に示す
細かい話はあとにすることだそうです。

しゅうせいさんの説明を思い出してみましょう。最初に「小学生がやっている」と大枠を示してから、「体育で」というように絞り込んでいきました。だから、「ああこれは縄跳びだ」とイメージできたんですね。

あすかさんの「ペットボトルの飲料を飲む」というお題の説明は、どう伝えると分かりやすかったでしょうか。

先生「うん、難しいと思いますよね。説明するまでもない内容だから」

藤森先生がおすすめするのは、「喉が渇いたときにその喉を潤す為の動きを説明します」というように説明を始めること。その後で細かい説明に入っていくのが良いそうです。

先生「入れ物はこうで(という説明をして)、で、『キャップ』は(NGワードだから)使えないからね。でも『フタ』は使えるわけでしょ…」
向井「そんな一休さんみたいなことでクリアするっていうのもあるんですか!?」
…どうやらオッケーみたいですよ〜。

分かりやすさに挑戦!〜準備〜
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さて、ここからが本番!
2人で協力して、分かりやすい説明をしてもらいます。
お題は、あすかさんが第1回の放送で好きなものとしてあげていた「ジェットコースター」。
しゅうせいさんもジェットコースターは好きということなので、2人でその魅力を伝えてもらいたいと思います。

条件はこの通り。
☆ 説明する相手は、小学2年生の向井少年
☆ 説明の目的は、まるで乗ったような気分にさせること


相手目的。この2つが、分かりやすい説明のための重要なポイントです!
今回説明する相手は小学2年生ですから…
向井少年はジェットコースターに乗ったことがないだろうと想像ができます。
そして、きっと難しい言葉は知らないですよね。
そういうことも考えて説明することが大切です!

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飛鳥さんとしゅうせいさん、説明をする準備に取り掛かります。

まず、話す内容を付箋にどんどん書き出していきます。
ある程度書き出したら、カードを並べて話す順序を整理します。
カードを並べながら、足りない項目は追加しましょう。
2人は、ジェットコースターで経験することを順番に話し、そのときどきの気持ちを付け加える、という方針にしたようです。

分かりやすさに挑戦!
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それでは2人の説明のスタート!

しゅうせい「これからジェットコースターの説明をします。まずジェットコースターはとても楽しいです。まずジェットコースターに乗るときに、ベルトを付けます。ベルトを付けて出発すると、まずゆっくりと登っていきます」
あすか「そのときにすごくドキドキした感覚になります。そのまま上に登っていくと、すごく景色がきれいです」
しゅうせい「てっぺんまで着くと、そのまま落ちていきます」
あすか「そのときにふわっとした、ちょっと浮いたような感覚が味わえます。周りの人とかが「キャー」って言っていて、すごく盛り上がったような気持ちになれます」
しゅうせい「そして落ちていくと、そこからスピードがとっても速くなります」
あすか「すごくワクワクする感じになります」
しゅうせい「そしてジェットコースターに乗ったら、すぐに終わってしまうような感覚になります。なので、ちょっとまたすぐ乗りたくなります。以上です」

さて、この説明を聞いて向井少年はどう思ったでしょうか。
向井少年「…乗りたくない!乗りたくない、なんか怖そう。怖い!」

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説明するにあたって2人は「ドキドキ」や「わくわく」など、わかりやすい言葉を使うことを意識したようです。
確かに、向井少年がわからない言葉はなかったようですが、最初に“楽しい”と言っていた割に“怖い”という印象が強く残ってしまいました。
これを解消するために、先生にアドバイスをもらいましょう!

先生「がんばったと思う。言葉遣いも、わくわくとかキャーっとかふわっと、とか。こういうの擬声語、擬態語をオノマトペっていうんだけど。あんまり使いすぎるのもどうかとも思うんだけど、どんなイメージなのかってことを感じさせるひとつの語彙として、小さい子にはとても有効だと言われているから」

先生、二人が工夫したところに気づいていましたね!
その上で、先生は二人にアドバイスをしました。

先生「具体性っていうのを交えて欲しいんだ。“例えば”っていう、例えをたくさん入れて欲しい。”すごいスピード”っていうのも、”背中が椅子に張り付いたまま動けなくなっちゃうぐらい”とか…あんまり上手じゃないけど、“みたいに”なんて言葉を上手に使えるといいですね」

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先生のアドバイスを受けて、説明を修正してもらいます。
2人は、例えの表現を付け加えました。
さらに、カードの並び順を変えて「楽しい」という言葉を最初ではなく最後にもってきたようです。

あんな言葉 こんなコトバ
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のほほん」という言葉。
「のほほんと過ごしていてはだめだ」というように、
もともと「のんき」という、ややネガティブな意味合いで使われていました。
ところが最近は、「のほほんとできそうな雰囲気のお店」という風に、ポジティブな意味でも使われることが増えています。
調査によると、このような使い方は、年齢の高い人の方が「おかしい」と感じる傾向があります。
意味合いを誤解されないように、気を付けましょうね!

分かりやすさに再挑戦!
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それでは、再び説明にチャレンジしてもらいます。

しゅうせい「まずジェットコースターは、ベルトを付けて乗ります。ジェットコースターはレールの上をすごく速く走ります。最初はゆっくり登っていくんですけど」
あすか「そのときにガタンゴトンと電車に乗ってるような感じがして、上に登っていくにつれてドキドキした気持ちになります」
しゅうせい「てっぺんまで行くと、ひゅんって感じで、落ちていきます」
あすか「そのときに、ふわっとした感覚になって、まるで宇宙にいるみたいな感覚があります。落ちるときに声を出して楽しむのもジェットコースターの醍醐味、みたいな感じです」
しゅうせい「落ちてから、スピードがすごく速くなります」
あすか「まるで鳥になって空を飛んでいるような感じで。そのときすごく風が当たって 気持ちいいです」
しゅうせい「ジェットコースターに乗ったら、すぐに終わってしまったような感覚になります。なのですごく楽しく、なので楽しいからまた乗りたくなるっていう感じになっていきます」

先ほどに比べて、楽しそうに感じる要素が増えて、分かりやすくなりましたね!

“楽しい”という言葉を最後に持ってきた理由を「最後に楽しいよって伝えると、多分楽しいってことが頭に深く入るのかなって思いました」と語ったしゅうせいさん。
先生からも「一通り見せびらかされたうえで、『楽しいぜ』って言われると、『やってみたい!』ってなるんじゃない?工夫したな!」と、お墨付きをもらえました。

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最後に、分かりやすさとは何か、改めて藤森先生から問題提起がありました。

先生「思わなかった?こんなパネル貼って説明するより、動画見せればいいじゃんって」

確かに、言葉だけで説明しようとするとうまくいかないこともありますね。そんな時は、図を見せたり、写真や動画を見せたりする方法もあります。つまり、説明する手段にもいろいろあり、それを選んでいくのも大切だということです!

次回もお楽しみに☆

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