NHK高校講座

地学基礎

Eテレ 毎週 火曜日 午前10:40〜11:00
※この番組は、前年度の再放送です。

地学基礎

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今回の学習

第11回 第2編 私たちの地球の変遷と生物の変化

地質構造

  • 筑波大学准教授 鎌田 祥仁
学習ポイント学習ポイント

地質構造

今回のテーマは“地質構造”
  • 地球表面のプレートと火山分布
  • 日本周辺のプレート

サワ 「最近疲れがとれなくて… 温泉行きたい!どこに行くか迷っちゃう。」

アイコ 「日本は世界でも有数の温泉大国だもんね。」


日本に温泉が多いのは、火山が多いからです。
では、日本にはなぜ火山が多いのでしょうか。

地球の表面は10数枚の硬い岩盤に覆われており、これをプレートといいます。
左の画像で赤い三角形で示したように、プレートの境界にはたくさんの火山があります。

日本周辺には4枚のプレートが分布していて、太平洋プレートは東から西へ、フィリピン海プレートは南東から北西に向かって動いています。

沈み込むプレート

プレートどうしはぶつかりあったり、プレートの下に別のプレートが沈み込んだりします。
そのとき発生するエネルギーが、地震や火山の活動を生み出しています。

また、プレートの上部を地殻といいます。
プレートの運動によって地殻にさまざまな力が加わることで、地層や岩石が変形・変位し、複雑な地質構造が作り出されます。

しゅう曲と断層
  • しゅう曲した地層
  • 曲がった下敷き

地層は、れきや砂などが水中で水平に堆積することでつくられます。

左の写真の地層は、両側から押されたために曲がっています。
下敷きを左右両側から押すと、右の写真のように曲がります。地層も同じように力が加わることで曲がるのです。

  • しゅう曲
  • 折り重なったしゅう曲

地殻の両側から押す力が加わると地層が曲がります。このような構造をしゅう曲といいます。
さらに大きな力が加わると、右の図のように折り重なるような構造になることもあります。

地層に力が加わると、しゅう曲以外の形に変形することもあります。

  • 断層
  • 上盤・下盤

地殻の地層や岩石にはさまざまな方向の力が加わることで割れ目が生じ、ずれを生じます。この地層のずれを断層といいます。
断層面に対して上側を上盤(うわばん)、下側を下盤(したばん)といいます。

  • 正断層
  • 実際の正断層

正断層は地殻を左右に引っ張る力が加わり、上盤が下にずり落ちてできる断層です。
右の写真は実際の正断層で、上盤が下にずり落ちているのが確認できます。

  • 逆断層
  • 実際の逆断層

これに対して、両側から押す力が加わり、上盤が上にずり上がった断層が逆断層です。
右の写真は実際の逆断層で、上盤が上にずり上がっているのが確認できます。

  • 柔らかい地層
  • 固い地層

同じように力が加わっても、しゅう曲ができる場合と、断層ができる場合があります。どうして違いが生まれるのでしょうか。

小麦粉とココアで地層の模型を作り実験しました。
1つはふんわりと柔らかく、もう1つは上からしっかりと力を加えて押し固めて地層を作り、2つの地層に左右から押す力を加えてみます。

柔らかい地層に力を加えると、左の写真のようにしゅう曲しました。
一方、硬い地層に力を加えると、右の写真のように逆断層になりました。

地層が柔らかいとしゅう曲し、固いと断層になります。
さまざまな地質構造を形作る要因の一つには、地層の硬さがあるのです。


サワ 「地層が柔らかいとグニャっと曲がって、しゅう曲。硬いと、パキって割れて断層。そういうイメージでいいのかな。」

アイコ 「実際には他にもいろいろな条件、例えば地層がどれくらいの深さにあって、どれくらいの圧力や温度なのか、そして力が作用する時間などによっても違ってくるのよ。」

不整合
  • 海成段丘
  • 海成段丘のでき方

左の写真は高知県の室戸半島の海岸です。
この海岸に見られる階段状の地形を海成段丘(かいせいだんきゅう)といいます。

海岸線で波が時間をかけて大地を削ると、海沿いはやがて崖になります。
そして波に削られてできた崖と平坦な海底が、地盤の隆起あるいは海面の低下によって地上に姿をあらわすことで海成段丘ができます。

  • 地層の不整合

左の写真の地層は 上部は茶色で水平ですが、下部は白っぽい色で、斜めになっています。

このような地層の関係はどのようにできたのでしょうか。

  • はじめに海底で水平な地層が形成される
  • 地層が隆起・傾斜し、風化侵食で表面が削られる
  • 再度海底に沈降して、その上に新しい地層が堆積して不整合が形成

まず、左の図のように、砂や泥が海底に水平に堆積して地層ができます。
次に、地層が隆起して海面上にあらわれるとき、隆起すると同時に傾斜します(中画像)。そして海面上に現れた地層は風や雨、太陽の光や熱などにさらされ、風化や侵食を受けます。
その後、その場所が地殻変動等で再び海に沈み、新しく砂や泥が堆積します(右画像)。


こうしてできた上下の地層の関係を不整合といい、堆積した時代に大きなへだたりがあることを示します。
不整合は、とても長い時間をかけて地殻に大きな力が働いたことを記録しています。

変成岩
  • 変成作用
  • 変成岩

地殻には、堆積岩と違ったでき方をする岩石があります。

岩石は高い温度や圧力に長い間さらされると、含まれる鉱物が不安定になります。すると、岩石の化学組成が変わったり、新しい鉱物ができたりします。
この作用を変成作用といいます。
そして、その変成作用でできた岩石を変成岩と呼びます。

変成岩が形成される条件を満たす環境のほとんどが、地殻に力が加わった場所、つまりプレートの沈み込みなどが起こる場所になります。

右の写真は変成作用でつくられた変成岩です。

  • 結晶片岩
  • 結晶片岩を形成する変成作用

結晶片岩と片麻岩はプレートが沈み込んだり、大陸どうしが衝突することで形成されます。

左の写真は結晶片岩で、板状もしくは棒状の鉱物が一定の方向に配列しています。
結晶片岩を形成する変成作用は、主にプレートが沈み込む、地下深くで起こります(右画像の黄色で示された部分)。

  • 片麻岩
  • 片麻岩を形成する変成作用

左の写真は片麻岩で、鉱物が粗い粒状という特徴があります。
片麻岩は、結晶片岩よりも高温の場所で形成されます(右画像の水色で示された部分)。

  • ホルンフェルス
  • ホルンフェルスは接触変成作用によって形成される

ホルンフェルスは、マグマが貫入したところで岩石が熱せられて形成されます。
その変成作用は、右の画像中 火山のすぐ下のオレンジ色で示されるような、マグマの熱が伝わる 比較的狭い範囲で起こります。

変成岩は、どこでどのような変成作用によって つくられたかで分類されます。

岩石サイクル

アイコ 「この変成岩もやがてはまた姿を変えてしまうかもしれないのよ。」

サワ 「どういうこと?」


アーカイブスにアクセスして、筑波大学 准教授の鎌田 祥仁(かまた よしひと)さんに聞いてみました。


緻密で硬い変成岩が姿を変えてしまうということは、想像するのは難しいかもしれません。
しかし地質時代という長い時間スケールで考えると変成岩もやがて堆積岩や火成岩に姿を変えてしまうのです。
堆積岩がプレートの沈み込みによって地下の深いところにもたらされると変成岩に変わるという話がありましたが、その変成岩もさらに地下の深い温度の高い場所に行くと、溶けてマグマになってしまいます。

そのマグマが地下の深いところで冷えて固まれば深成岩、マグマが地表に達して噴出すれば火山岩になります。つまりこれらが火成岩ということです。
これらの火成岩が地表に露出すると、雨風や温度変化にさらされて風化や浸食を受けます。
そうしてできた砕屑物は河川等によって運ばれて、海や湖の底に堆積し堆積岩になります。もしこの堆積岩が地下の深いところにもたらされると、再び変成岩になります。

  • 次回もお楽しみに!

サワ 「一度できた岩石がまた別の岩石になるんですね。」


はい。このように地球の表層には、堆積岩・火成岩・変成岩と3種類の岩石が存在しますが、長い時間スケールで捉えてみると、一度形成された岩石が姿や形を変えずに、そのままでいることはあまりありません。
例えば堆積岩から変成岩そしてマグマを経て火成岩になる。そして地球表層で砕屑物となって、再び堆積岩へと姿・形を変えていると考えることができます。
このように、岩石が場所や形を変えながら循環していることを岩石サイクルと呼んでいます。



それでは、次回もお楽しみに!

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