NHK高校講座

地学基礎

Eテレ 毎週 水曜日 午後2:40〜3:00
※この番組は、前年度の再放送です。

地学基礎

Eテレ 毎週 水曜日 午後2:40〜3:00
※この番組は、前年度の再放送です。

今回の学習

第2回 第1編 私たちの宇宙の進化

恒星の進化とその最後

  • 国立天文台准教授 青木 和光
学習ポイント学習ポイント

恒星の進化とその最後

今回のテーマは“星の誕生”
  • 仁村紗和さん(サワ)
  • 佐藤藍子さん(アイコ)

サワ 「アイコさん、この前の宇宙のはじまりの話、とてもおもしろかった。今日は、どんなお話を聞かせてくれるの?」

アイコ 「今日は“星の誕生”なんて、どうかしら?」


宇宙には大きく分けて2種類の星があります。
みずから光る星を恒星といい、そうでない星を惑星といいます。太陽系で言えば、太陽は恒星で、地球は惑星です。
太陽と地球はおよそ同じ時期にできた天体ですが、恒星である太陽のほうが少し先に生まれました。
では、恒星はどのようにして生まれたのでしょうか。

実は、恒星は薄いガスが集まって生まれたのです。

星雲と星の誕生
  • 火の玉のような状態で生まれた宇宙
  • ガスの濃い部分ではみずからの重力で引き付けあう

宇宙は、約140億年前に火の玉のような状態で生まれ、爆発的に膨張し始めたと考えられています。
ビッグバンです。

そして約40万年後、光や電波が電子に邪魔されずに長い距離を伝わるようになった「宇宙の晴れ上がり」を迎えます。
このとき、宇宙は水素とヘリウムのガスで、ほぼ一様に満たされていました。まだ太陽のような星は1つもありません。

その後、宇宙がさらに膨張し、密度と温度が低下していくと、宇宙空間に漂うガスの分布に濃淡が生まれました。
比較的濃い(=密度が高い)部分では、ガスが自らの重力で互いに引きつけ合います。

  • 両者が重いほど・近いほど重力は大きい
  • ガスの濃くなったところから星が誕生する

重力とは、あらゆる物体が周囲の物体に及ぼす力で、重い物体ほど強く引きつけあい、また、物体同士の距離が近いほど重力は強くなります。

ガスの濃淡が大きくなると、密度が高い部分は重力が強まるため、ますます多くのガスが集まり、濃度が高まっていきます。
しばらくすると、ガスの濃くなったところから、ついに星が誕生するのです。

  • オリオン座
  • オリオン大星雲に見られる星間雲

星の誕生は、宇宙の始まりの時期だけでなく、現在でも起こっています。
オリオン座の3つ星の下にあるオリオン大星雲で、星の誕生を観測することができます。

オリオン大星雲では、緑色のもやのようなものが観測でき、これを星間雲(せいかんうん)とよびます。

  • 4つのH原子から1つのHe原子ができる核融合反応
  • 可視光で観察できる星間雲を星雲という

星間雲の濃い部分ではガスが集まり、次第に温度が上がっていきます。やがて温度が約1000万℃に達すると、核融合反応が始まります。
核融合反応とは、軽い原子同士がぶつかって重い原子ができるときに、ばく大なエネルギーが生まれる反応です。
恒星の内部では、4つの水素原子から1つのヘリウム原子ができます。
この核融合反応で発生するばく大なエネルギーで、星はみずから光り輝き始めるのです。これが恒星の誕生です。

星間雲の中心で星が生まれる一方、恒星にならずに残るガスがあります。
星間雲のうち可視光線によって観測できる、つまり目に見えるものを特に星雲といいます。
星雲のほかにも、宇宙には目に見えない電波や、赤外線でなければ観測できないガスや塵(ちり)が沢山存在していて、それらも恒星の材料となります。

  • 赤色巨星
  • 膨張してガスが流出する

サワ 「星には寿命があるの?生まれるっていうことは、最後は死んじゃうってことなの?」

アイコ 「そうね。星もいつかは最後を迎えるのよ。」


今から46億年前に誕生した太陽も、あと50億年たつと最後を迎えると考えられています。
現在の太陽は、中心部の核融合反応で、ばく大なエネルギーを生みだしています。
しかし、やがては太陽の中心部の水素がなくなります。すると、核融合が起こる場所が中心部から周囲に移ります。このとき、太陽は次第に膨張を始めます。
膨張は続き、やがて現在に比べて半径が100倍以上にもなります。これを赤色巨星といいます。


赤色巨星の表面からは、ガスが宇宙空間に流れ出すようになります。
太陽は、近くにある惑星を飲み込みながら、さらに膨張を続けます。
地球はもちろん、太陽系のすべての惑星がガスに包まれていきます。
全体が膨張している間にも、核融合の材料がなくなった中心部は収縮していきます。

  • 白色矮星
  • 惑星状星雲

ガスの放出が続くと、やがて中心には水素をほとんど含まない部分だけが残り、小さくて密度の高い高温の星となります。
このような星を白色矮星(わいせい)と呼びます。


白色矮星の周囲に流れ出したガスは、白色矮星からの紫外線によって輝き、惑星状星雲と呼ばれます。

  • 白色矮星はやがて温度が低下し暗くなる

白色矮星はエネルギー源がないため、やがては温度が低くなり、暗くなっていきます。
こうして、太陽は約100億年の寿命を終えるのです。
しかし、すべての恒星が、太陽と同様に消えるように終わりを迎えるわけではありません。中には大爆発で最後を飾る星もあります。

超新星爆発
  • オリオン座の左上に光るベテルギウス
  • 太陽よりも非常に大きい星は超新星爆発を起こす

オリオン座の左上に光るベテルギウスは、大爆発で最後を迎える恒星のひとつです。直径は太陽の約1000倍もあります。
そのような、太陽よりもずっと大きな星が迎える最後が、超新星爆発です。

  • 超新星爆発は天の川銀河では100〜200年に一度発生
  • 日中に太陽が2つあるように見えるという

超新星爆発は、天の川銀河の中で100年から200年に一度の割合で発生しているといわれています。
ベテルギウスの超新星爆発は、いつ起きてもおかしくありません。
もし爆発が起きたら、夜空で、満月の100倍の明るさで輝くといわれています。
日中は、まるで太陽が2つあるように見えるかもしれません。


サワ 「ベテルギウス、いつ大爆発するんだろう?」

アイコ 「そうね。明日かもしれないし、数年後かもしれない。もしかしたら数万年後かもしれない。超新星が爆発した後、その星はどうなってしまうと思う?」

  • 直径は7万分の1なのに太陽と同じ質量の中性子星
  • 狭い範囲に物質が密集し重力が極めて強いブラックホール

超新星爆発の後に残るものがあります。
ひとつは、爆発の中心部に非常に密度が高い天体である、中性子星ができるケースです。
中性子は原子核をつくる小さな粒子で、それが集まった天体が中性子星です。
質量は太陽と同程度ですが、太陽は直径が約140万kmあるのに対して、中性子性は20kmしかありません。
ベテルギウスが大爆発した後には、この中性子星が残ると考えられています。

そしてベテルギウスよりもさらに重い星が爆発するとブラックホールができると考えられています。
ブラックホールとは、大量の物質が狭い範囲に密集した結果、重力が極めて強くなった天体です。そこからはどんな物体も、光すら放出されることがありません。

このように、星の最後は、その星の質量の違いによって変わってきます。

爆発した星のガスから 新しい星が生まれる?
  • 国立天文台 准教授 青木和光さんに聞く
  • 赤色巨星から流出したガスは新しい星を生む?

サワ 「赤色巨星から流れ出したガスとか、爆発で吹き飛んだガスってどうなるんだろう。星ってガスからできるんでしょ。そしたら、また新しい星が生まれるんじゃないかなって。」

アイコ 「アーカイブスにアクセスしてみましょうか。」


国立天文台 准教授の青木 和光さんに疑問をぶつけました。

サワ 「星が爆発して飛び散ったガスから新しい星が生まれることってありますか?」

あります。星から放出されたガスや、超新星爆発から飛び出してきたガスはその周りに残っていたガスと混ざっていき、そこからまた新しい星が生まれてきます。
こういったことは宇宙の中ではずっと続いており、太陽もその中から生まれてきました。そのため、太陽にはいろいろな星や超新星爆発で飛び出した物質が含まれています。

  • 太陽の膨張で地球は干上がる可能性
  • 意味深に笑うアイコ、不安げなサワ

アイコ 「太陽もいずれは寿命を迎えますよね。そのとき地球はどうなってしまうんですか?」

太陽はこれから次第に大きく明るくなっていきます。それにともなって地球も熱くなって干上がっていくと考えられます。やがて太陽が赤色巨星になると地球はそこに飲み込まれてしまうかもしれません。
飲み込まれなくてすんだ場合は、白色矮星の周りを回り続けると考えられます。そしてやがては冷えて氷づけの世界になってしまうかもしれません。


サワ 「星が最後を迎えて、また新しい星が生まれる。なんか生まれ変わりみたい。」

アイコ 「宇宙ではそれが何十億年という時間の中でくり返されているのね。」

サワ 「なんか自分がすごくちっぽけな存在に思えてきた。」

アイコ 「私は、自分がちっぽけだと思ったこと、一度もないわよ。」

サワ 「アイコさん……。」

またしても意味深に笑うアイコ、そして不安げなサワ。
次回もお楽しみに!

科目トップへ

制作・著作/NHK (Japan Broadcasting Corp.) このページに掲載の文章・写真および
動画の無断転載を禁じます。このページは受信料で制作しています。
NHKにおける個人情報保護について | NHK著作権保護 | NHKインターネットサービス利用規約