NHK高校講座

ビジネス基礎

Eテレ 隔週 火曜日 午後2:30〜2:40
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第16回 企業活動の基礎

企業倫理

  • ビジネス基礎監修:横浜市立みなと総合高等学校教諭 岩瀬紀子
学習ポイント学習ポイント

企業倫理

企業倫理
  • ビジネス基礎
  • 企業倫理

私たちが社会の中で良心をもって行動することが大切なように、企業も社会の一員として良心をもって行動することが求められています。
今回は、企業倫理について学んでいきましょう!

企業活動と企業倫理
  • 500円を届けにきた小学生
  • 店長と多恵さん

ここはコンビニ“マエマート”。
店長・加藤勝(33歳)とアルバイトの山田多恵(16歳)が働いています。

小学生が店に駆け込んできました。
小学生「すみません!(500円玉を見せて)そこでこれを拾ったんですけど。」
店長「お金を拾ったら、コンビニじゃなくて交番でしょ。」
小学生「ぼく、このあとサッカーがあるんで急いでいて。後はお願いします!」
小学生はお金を置いて飛び出していきました。
多恵「ちょ、ちょっと!」
店長「困ったなぁ。いつ、どこで拾ったかもわからないから、交番に届けようがないよ。」
多恵「店長、まさか、お金を自分のものに…?」
店長「ししししないよ!あの子はうちの店を信用してたから預けてくれたの。ここはマエマートにきちんと企業倫理があることを示さないと!」
多恵「店長、企業倫理って何ですか?」

  • 企業も良心をもって行動することが求められる
  • 企業の社会的責任

私たちが社会で生きるうえでは、倫理観を持つことが大切です。
倫理観は良心ともいえます。
私たちと同様に、企業も社会の一員として良心をもって行動することが求められます。
この企業の良心を企業倫理といいます。

企業にとって利益を追求することは大きな目標であり、役割でもあります。
しかし、そのほかに社会的責任もあります。
企業の社会的責任には、
 ・納税
 ・良質・安い価格のものやサービスの提供
 ・出資者への利益の配分
 ・賃金や労働条件の改善
 ・自然環境の保護、生活環境の保全

などがあります。

利益の追求と企業不祥事
  • 多恵さん
  • 500円はどうなる?

店長「またあの子、来ないかな。そうしたら、交番に届けるのに。」
多恵「サッカーに行くって言ってたし、きっと通り道なんですよ。だからまた来ますよ。」
店長「来なかったら、この500円は…」
多恵「店長、まさか??」
店長「盗らないよ!そんなことになったらマエマート始まって以来の企業不祥事だよ。」
多恵「企業不祥事ってどういうことですか?」

  • 振袖レンタルの詐欺事件
  • マンションの耐震偽装

企業が企業倫理を忘れ、利益だけを追求すると、どのようなことが起こるでしょうか。
環境への影響や製品の安全性を無視した企業活動が、公害問題や欠陥商品の隠蔽、産地の偽装といった問題を起こすことにつながります。
過去には、次のような企業不祥事がありました。

【振袖レンタルの詐欺事件】
2018年の成人の日、振袖の販売・レンタルなどを運営していたある企業が、突然、全店舗を閉鎖しました。
成人式当日に晴れ着を予約していた多くの新成人に商品が届かず、成人式に出席できないなど、大きな混乱を引き起こしました。
購入した振袖を受け取れない、着付けのために預けた着物が返却されないなどの被害が続出し、被害総額は3億円以上といわれています。

【マンションの耐震偽装】
建築物を建てるときには、建築士は耐震強度の確認などを行い、物件の安全性を確保するための書類を作成する義務があります。
しかし2005年、大手不動産開発企業の下請け業者が、材料費のコストを下げるために本来必要な柱や部品を減らし、書類を偽装するという事件が発覚しました。
耐震基準を満たさないマンションなどがいくつも建設され、多くのマンション住民などが被害者となりました。

  • 石油ファンヒーターの死亡事故
  • 自動車の欠陥情報の隠ぺい

【石油ファンヒーターの死亡事故】
2005年、大手家電メーカーが製造した石油ファンヒーターから漏れた一酸化炭素が原因の死亡事故が起きました。
空気を送るホースが劣化して穴があき、不完全燃焼で一酸化炭素が発生したためです。
メーカーはテレビCMやチラシを使って15万台以上の商品のリコール、製品の回収・無償修理を呼び掛けました。
その費用はおよそ250億円にのぼりました。

【自動車の欠陥情報の隠ぺい】
シートベルトやエアバッグなどで世界のトップシェアを誇っていた日本の自動車部品製造メーカーが引き起こした隠ぺい事件です。
アメリカ工場で作られたエアバッグが、膨らむ際に破裂する危険性があると知りながら、数年間に渡りそれを隠したまま製造・販売を続けました。
その結果、アメリカで複数の死傷者を出したとされ、自動車1億台以上のリコールに発展しました。

いずれの企業不祥事も、多くの被害者を生み、マスメディアで大きく取り上げられました。
これにより、企業は社会的地位を失うことになったのです。

企業不祥事を起こさないために
  • 多恵さん
  • 店長

店長が本部に電話をしています。
店長「はい、わかりました。失礼します。」
多恵「本部の人は何て言ってましたか?」
店長「あの子が戻ってくるかもしれないから、お金はしばらく保管しておいてほしいんだって。」
多恵「よかったですね。」
店長「コンプライアンス的には問題ないって。」
多恵「店長、コンプライアンスって何ですか?」

  • コンプライアンス(法令遵守)
  • コーポレートガバナンス

企業が不祥事を起こさないための方策をみてみましょう。

【コンプライアンス(法令遵守)】
企業が法律などの規則を守り、社会の一員として企業倫理に則った行動をすること。
企業はコンプライアンスを重要なものとしてとらえ、健全な企業活動を行わなくてはなりません。

【コーポレートガバナンス】
企業不祥事を避けるため、一部の経営者や従業員の判断だけで企業活動が行われないようにする取り組みやしくみのこと。
例えば、企業の行動規範をつくったり、コンプライアンスに関する社内研修の実施などがあります。
また、企業の意思決定に外部の人材を活用する社外取締役制度を導入したり、企業活動の情報公開をすることもコーポレートガバナンスのひとつです。

  • 500円、届けてくれた?
  • 小学生が店に来た

多恵「企業がコンプライアンスを守ることで、企業不祥事は防げるかもしれないんだ。」
店長「だけど、結局は働いている人が倫理観を持ってないとダメだよね。」
多恵「そっか…」
そこに、500円玉を持ってきた小学生がやってきました。
小学生「あの〜…」
店長「おお、少年!戻って来てくれたんだ、よかった!」
小学生「さっきの500円、警察に届けてくれた?」
店長「君に警察に届けてもらおうと思って預かってたんだ。」
小学生「えっ!まだ届けてなかったの?ダメじゃん。落とした人は困ってるかもしれないのに!」
店長「そ、そうだね。すみませんでした…」
怒られた店長ですが、コンプライアンスはきちんと守ることができました…次回もお楽しみに!

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