NHK高校講座

ビジネス基礎

Eテレ 隔週 金曜日 午前11:20〜11:30
※この番組は、前年度の再放送です。

ビジネス基礎

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今回の学習

第6回 ビジネスの担い手

卸売業

  • ビジネス基礎監修:城西大学経営学部客員教授 粕谷和生
学習ポイント学習ポイント

卸売業

卸売業って?
  • 卸売業って?
  • 卸売業って?

卸売業はビジネスの担い手のひとつですが、どんな仕事をしているのか知っていますか?
今回は、卸売業について学んでいきましょう!

卸売業の役割
  • 多恵さん
  • 店長

ここはコンビニ“マエマート”。
店長・加藤勝(33歳)とアルバイトの山田多恵(16歳)が働いています。

プリンを手にした多恵さんが店長に話しかけます。
多恵「店長、マエマートのスイーツって美味しくて種類も多いから、私結構好きなんです。」
店長「でしょう!ぼくの実力なんです!…と言いたいところだけど、本部のおかげなんだよね。」
多恵「やっぱり…」
店長「いつどんなスイーツを売ればいいか、本部がアドバイスしてくれているからね〜。」
多恵「…店長はもう本部なしでは生きていけないんですね。」
店長「本部がいろいろなスイーツを作っているいろいろな会社から商品を仕入れて、配送してくれているんだよね。まあ、頼りになる“問屋さん”ってところかな。」
多恵「問屋さんって何ですか?」

  • 生産者と小売業者が直接取り引きすると
  • 中間に卸売業者が入ると

流通経路で、生産者と小売業者の橋渡しをする役割を担うのが卸売業者(問屋)です。
卸売業者は生産者から商品を買い集め、小売業者に販売します。
例えば、3人の生産者と5人の小売業者がいたとします。
生産者と小売業者が直接取り引きをすると、個別に15回の取り引きをしなければなりません。
しかし、中間に卸売業者が入ると、取り引きは8回で済みます。
このように、卸売業者は取り引きの回数を減らして、流通全体のコストを節約する役割を果たしています。

  • 卸売業者が商品を一定期間保管
  • 商品の輸送の役割も担う

そして、卸売業者が商品を一定期間保管することで、小売業者の売れ残りのリスクを減らしています。
また、商品の輸送の役割も担っています。

卸売業の種類
  • 店内にはたくさんの商品
  • 店長と多恵さん

多恵「卸売業者って、私たちの見えないところで大事な仕事をしてくれているんですね。」
店長「そうそう。卸売業者がいなかったら、(店内にある)これだけの商品をぼくが1人で全部集めなきゃならないからね。」
多恵「日本中のコンビニが同じような品揃えになっているのって、実はすごいことなんですね!」
店長「すごいでしょう!ようやくマエマートのすごさがわかってきたようだね!わははは!!」
多恵「店長がすごいわけではないです。」
店長「はい…」
多恵「でも、卸売業者って、どうやってたくさんの商品を集めたり運んだりしているんですか?」

  • 卸売業者は、担当する機能によって3つに分けられます
  • 卸売業者は、担当する機能によって3つに分けられます

卸売業者は、担当する機能によって三つに分けられます。

☆『収集機能』を担当する卸売業者
  …生産者から、農水産物や小規模に生産される工業製品などを買い集め、出荷する。

☆『仲継(なかつぎ)機能』を担当する卸売業者
  …主に大口の売り手から商品を仕入れて、大口の買い手に販売する。

☆『分散機能』を担当する卸売業者
  …収集機能、仲継機能を担う卸売業者から仕入れた商品を、消費地で小売業者などに販売する。

卸売業の動向
  • 店長と多恵さん
  • 多恵

多恵「卸売業者って、いろいろなところで橋渡しをしてくれているんですね。」
店長「縁の下の力持ちって、卸売業者みたいな人たちのことなんだな。」
多恵「店長は卸売業の人に会ったことあるんですか?」
店長「ウチは本部が卸売業者みたいなものだから。それ以外の卸売業者には会ったことないな。」
多恵「卸売業者ってどんな人たちなのでしょうね?一度会ってみたくないですか?」
店長「だったら、テレビとかで見る豊洲市場で働いている人たちって卸売業者じゃないの?」
多恵「え?あの人たちは魚屋さんじゃないんですか?」

  • 魚を仕入れ
  • 集めた魚を仲卸業者や大口のスーパーなどに販売

収集、仲継、分散という三つの機能を担う卸売業者について、東京都にある豊洲市場を例に見てみましょう。

2018年に築地市場に代わってオープンした豊洲市場では、年間35万トン以上の生鮮水産物(魚介類など)や青果物(野菜、果物、花など)が取り扱われています。

豊洲市場には、主に収集機能と仲継機能を担当する卸売業者と、分散機能を担当する仲卸業者がいます。
卸売業者は日本全国、さらには世界中の生産者から商品である魚を仕入れてきます。
これが収集機能です。
さらに、卸売業者は仲継機能も担っていて、集めた魚を仲卸業者や大口のスーパーなどに販売します。

  • 豊洲市場で働いている卸売業者の方の話し

豊洲市場で働いている卸売業者の方に、築地市場から移転して変わったことについてうかがうと、
「閉鎖型の温度管理ができる立派な施設に引っ越しすることによって、食品の安全性が担保されて、これからよりよい食品が提供できると思っています。」
と教えてくれました。

  • セリ
  • 相対取引

一方、仲卸業者はセリや相対取引で魚を買い付けます。
相対取引とは、私たちが店で商品を購入する取り引きと同じです。
仲卸業者は分散機能を担っていて、買い付けた魚を、市場内にある仲卸業者の店舗で、町の鮮魚店などの小売業者に販売します。

  • 仲卸業者の方の話し
  • スーパーの仕入れ担当の方の話し

豊洲市場の仲卸業者に求められる仕事はどんなものなのでしょうか。
実際に仲卸業者の方にうかがいました。
「豊洲市場にはいろいろな魚があって、その中で品質・サイズ・値段など、お客さんにいちばん合っているものを選んできて売ってあげる、という感じです。(お客さんは)経験とか商品知識が豊富な人が多いので、その細かいニーズを的確に見ていくことが大事です。それが、最終的に魚を食べるお客さんが“いろいろなものがあっておもしろい、おいしい”と言ってくれることにつながると思っています。」
つまり、“目利き”と言われる商品を見極めるスキルが大事だということですね。

では、買い手にとっての卸売業者の存在はどんなものなのでしょうか?
買い手であるスーパーの仕入れ担当の方にうかがいました。
「卸売業者というのは、魚の品質とか、時期的に良い魚など、プロの目で見て教えてくれる。そのやり取りの中で、どの魚を買うかを決めるので。そういう判断基準にもなる存在です。」

このように、収集、仲継、分散という三つの機能を担う卸売業者のおかげで、私たちの食卓においしい魚が届いているのです。

  • 店長と多恵
  • 張り切る店長

店長が、また何か思いついたようです。
店長「山田さん。ぼくは心の卸売業者を目指すよ。」
多恵「…心の卸売業者?」
店長「ぼくの目利きで、お客様の欲しいものを常にピックアップ!お客様のハートとハートを橋渡し!これぞ心の卸売業者!!」
多恵「…意味がわかりません。」
店長「そうとなれば、商品のラインナップを見直そう!」
アイデアだけは人一倍持っている店長ですが…次回もお楽しみに!

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