NHK高校講座

ベーシックサイエンス

Eテレ 春・夏・冬特別講座放送
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第29回

浮いた?沈んだ?量った! 〜浮力〜

  • 科学監修:東京理科大学教授 川村 康文
学習ポイント学習ポイント

浮いた?沈んだ?量った! 〜浮力〜

浮力って?
  • 浮力
  • 水中で手を離すとピンポン球は浮く

熱気球は、巨大な袋に温めた空気を送ることで、空中に浮きます。
そして、船のような巨大な鉄のかたまりも、中に空気を閉じ込めることで水に浮かびます。

これらの熱気球や船は、浮力が関係していますが、浮力とはどのような力なのでしょうか。


田畑 「みんな、これまでの経験の中で、浮力って、感じたことがありますか?」

二千翔 「私はプールなどに入っているときや、浮き輪に乗っているときに感じます。」

彩加 「ビート板を使うときに、押してもなかなか沈まないのは、あれも浮力なのかなと思います。」

藤本 「では、浮力というものを知るために、ピンポン玉を使って実験してみたいと思います。空中で、ピンポン玉を上から落とすと、下に落ちます。では、水に沈めて手を放すと、どうなると思いますか?」

二千翔 「浮くと思います。」


藤本チーフが、実際にピンポン球を水に入れて手を離してみると、ピンポン球は水面に浮かび上がりました。
これが浮力です。

  • 水に浮いている状態では、物体にはたらく重力と浮力はつりあう
  • 落ちてしまった時の浮力と重力

重力と反対の向きに 物体にはたらく上向きの力を「浮力」といいます。
水に浮いている状態では、物体にはたらく重力と浮力はつりあっています。
たとえば気球など、空気中でも重力と浮力がつりあえば、浮いています。
先ほど、ピンポン玉が落ちてしまったのは、浮力が重力よりも小さかったためです。

浮力を使って質量がわかる?
  • 沈む深さは、載せるモノの重さによって決まってくる

この浮力の性質を使えば、モノの質量が分かります。

実際に、ジャガイモを量って確かめてみました。
水に浮かべたビーカーにジャガイモを入れると、ビーカーは沈みます。
そのとき沈む深さは、載せるモノの重さによって決まります。

今回は、500円玉を使い、ジャガイモの質量を調べてみました。

  • 黒いテープで印をつける
  • 赤いテープを貼る

まずは、ビーカーを水槽に沈め、水面の位置に黒いテープで印をつけます。
次に、ジャガイモをビーカーに入れて、沈んだところに赤いテープを貼ります。

  • 1枚、約7gの500円玉
  • 20枚500円玉が載る

そして、ジャガイモを載せていない状態で、ビーカーが赤いテープまで沈むようにおもりを入れていきます。
そして、そのおもりの重さを量れば、ジャガイモの質量がわかります。
今回使ったのは、1枚約7gの500円玉です。

里奈ちゃんが500円玉をビーカーに入れていきます。
20枚目を入れたところで、赤いテープのところまでビーカーが沈みました。
この結果から、ジャガイモの重さは140gだと考えられます。

  • はかりでジャガイモを量る

実際にはかりを使い、ジャガイモの重さを量ってみると、ほぼ140gでした。
このように、浮力を使えば、質量の測定ができます。


藤本 「この原理を使い、巨大な象の体重を量ることにしました。どのようにすれば、量ることができるのでしょうか。」

二千翔 「プールに浮かべた。」

彩加 「1枚7gの500円玉では大変なので、お米などを使って量った。」

田畑 「では、実際にどうやって量ったのか、大規模な実験の様子を見てみましょう。」

象の体重を量るには?
  • 大きな象
  • 巨大ないかだ完成
  • いかだを水に浮かべる

大きな象の体重を、どのようにすれば量ることができるのでしょうか。
まずは、象を乗せて、浮かばせるための道具を製作します。
象が乗っても沈まないように浮力を計算し、大きなドラム缶を金具でつないでいかだを作りました。
そして、そのいかだを水に浮かべます。

  • 黒い印をつける
  • 象が乗ってもいかだは浮いている

象が乗る前の水面の位置に黒い印をつけました。
象使いによって象がいかだに乗ると、いかだは沈み始めましたが、それでも十分に浮いています。

  • 赤いテープを貼る
  • 象を降ろすと黒いテープまでいかだが浮く

沈んだ位置に、赤いテープを貼ります。
象をいかだから降ろすと、最初の黒いテープの位置までいかだが浮きました。
この赤いテープまで沈むようにおもりをのせて、そのおもりを量れば、象の体重が分かります。
では、何をおもりに使ったのでしょうか。

  • 赤いテープとほぼ同じ位置になる
  • いかだに乗った人数は54人

今回、おもりに使ったのは大勢の「人」です。
人がいかだに乗って、その体重を合計することで、象の体重を量ることにしたのです。

人が次々といかだに乗っていきます。
赤いテープと大体同じ位置になったとき、いかだに乗った人数は54人でした。

  • 一人ずつ体重を量って足していく
  • 誤差は1%

いかだに乗った54人の体重を1人ずつ量り、足していきます。
そして、最後に象使いの人の体重、48kgを引きます。
合計すると、3295kgでした。

次に、はかりを使って象の体重を確かめてみると、3263kgでした。
いかだで量ったときとの誤差は、約1%と、ほぼ正確な値でした。
浮力の原理を使い、人をおもりにすることで、象の体重を量ることができました。

浮く?沈む?
  • かぼちゃとにんじん 浮くでしょうか?沈むでしょうか?
  • 軽いモノが浮いて重いモノが沈む

ここで、ガリレオ先生こと、川村康文先生(東京理科大学教授)に浮力について詳しく解説していただきます。

水中で浮くモノと沈むモノの違いを、普段からよく食べている野菜を使って実験してみます。

まずは、かぼちゃとにんじんで確かめてみます。
これらの野菜は水に浮くでしょうか。それとも、沈むでしょうか。

はかりでそれぞれの質量を量ります。
かぼちゃの質量は、約1.6kg、にんじんは約170gでした。


彩加 「私は、軽いモノが浮いて、重いモノが沈むと思います。かぼちゃは、重すぎるかな。」

  • かぼちゃは浮いてにんじんは沈む
  • かぼちゃの方が水よりも0.1g/cm<sup>3</sup>密度が小さい

実際に水に入れると、かぼちゃは水に浮き、にんじんは沈みました。


川村先生 「質量が大きいモノでも浮きますし、質量が小さいモノでも沈みます。つまり、浮く・沈むというのは質量だけで決まるというわけではないんです。」


「浮く」・「沈む」には密度が関係しています。
質量を体積で割った値のことを密度といいます。
水の密度は約1g/cm(4℃)、かぼちゃの密度は約0.9g/cmです。
かぼちゃの方が水よりも0.1g/cm密度が小さいのです。

わずかこれだけの差でも、水に浮くことができます。
反対に水よりも密度が大きいと沈みます。

  • 果物を水に沈める

最後に、いろいろな果物が、それぞれ水に浮くか、沈むかを実験しました。

梨・リンゴ・ぶどう・キウイ・バナナのうち、すぐに沈んだのはぶどうとキウイでした。
梨は番組が終わるまでに、浮くのか沈むのか分かりませんでした。
果たして、梨は浮くのでしょうか、沈むのでしょうか。


それでは、次回もお楽しみに〜!

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