NHK高校講座

ベーシック国語

Eテレ 毎週 月曜日 午前10:20〜10:30
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第33回

文学史 〜金子みすゞ〜

  • 出演:杏林大学教授 金田一 秀穂
学習ポイント学習ポイント

文学史〜金子みすヾ〜

文学史〜金子みすヾ〜
  • 山口県仙崎にやってきた滝沢カレンさん
  • 金子みすゞ

今回は文学史の授業の7回目!金子みすヾについてです。
金子みすヾについて学ぶため、山口県仙崎にやってきた滝沢カレンさん。


Q. 仙崎の町を『竜宮みたいに浮かんでる』と詩にした詩人がいるのを、ご存知ですか?
カレン「詩人?わかりません。」

Q. (その詩人の顔写真を渡され)第一印象は?。
カレン「女性なんですか?…友だちが多くて、町で一番の世話焼き上手みたいな。お母さんみたいな人。」


大正時代から昭和にかけて活躍した童謡詩人・金子みすゞ
独特な視点と優しさ溢れる詩の世界が、今でも多くの人に感動を与えています。

  • 金子文英堂(金子みすゞ記念館)
  • カレンさん

カレンさんが訪れたのは金子文英堂(金子みすゞ記念館)です。
ここでカレンさんに、金子みすゞの『こころ』という詩を読んでもらいました。

カレン「お母さまは大人だけど心は小さいから…心が小さいお母さま?子どもは逆に大きな心を持つってことでしょうか?」

Q. 誰の目線で書かれた詩だと思いますか?
カレン「自分?…お母さん?」

Q. それはなぜ?
カレン「まぁでも、自分でお母さまって自分のことを言わないか。…『私でいっぱい』って言ってるから、やっぱりみすゞさん!」

  • 教えてくれるのは、金子みすゞ記念館・館長補佐の河野隆一さん
  • 金子みすゞ

まずは、詩を理解するためにも、作者のことについて知りましょう。
教えてくれるのは、金子みすゞ記念館・館長補佐の河野隆一さんです。

カレン「なぜここに(記念館を)建てたんですか?」
河野「金子みすゞさんは仙崎出身で、みすゞさんが過ごしていた実家はこの場所にあったんです。」
カレン「へぇ!!」
河野「当時の建物をご存知の方のお話をうかがいながら設計をして、当時を再現しています。」
カレン「そんなことまでしているんですか!?」
河野「そうですね。みすゞさんが3歳から20歳まで過ごしたと言われています。」

明治36年に仙崎で生まれた金子みすゞ。
書店で育ち、多くの本に囲まれたみすゞさんは、当時新しい表現だった“童謡”の世界に感銘を受けました。
そして20歳の頃に、童謡雑誌に詩を投稿し、詩人としての活動を始めました。

  • カレンさん
  • 河野さん

河野「児童向けの雑誌に投稿された詩の中から、優秀な詩が選ばれて雑誌に載るんです。みすゞさんは、それを楽しみに本を開いていていました。異例のはやさで彼女の実力が認められ、投稿を始めて3年後には童謡詩人会に入会しています。要は、有名な詩人の仲間入りを果たしたということです。」
カレン「(当時の)有名な詩人は他にどんな人がいますか?」
河野「北原白秋さんとか、与謝野晶子さんとか。」
カレン「あ〜!そんなに昔の話なんですね。」
河野「そうなんです、はい。当時の有名な詩人からは“期待の星”として期待されていました。」

  • カレンさんと河野さん
  • 金子みすゞ

しかし、順風満帆とはいきませんでした。
この頃、みすゞさんは結婚しますが、このことが後の人生を大きく左右します。

河野「子どももできたりという人生を歩んでいるのですが、旦那さんに『詩作はやめてね』と言われてしまい、詩作を続けることができなかったと聞いています。結局、夫婦間はうまくいかなくなり、離婚をされるんですけど(※明治民法では、子の監護権については協議の上で定めのない限り、原則として父に属すとされていました)、それでも子どもは自分のところで育てたいという思いを持っていました。それが叶わなくなって、最後は自ら命を絶ってしまいます。」

愛するわが子を思いながら短い生涯を終えたみすゞ。
しかし、残された512編の詩を通して、私たちに多くを語りかけています。

  • カレンさん
  • 河野さん

カレン「(金子みすゞのことは)小学校からの(教科書で)ちょっと知ってた人ぐらいでした。こんなに素晴らしいところで生まれたっていうのも、もちろん知らなかったし。今日私が学んだことは、本には結末があるかもしれないけど、詩には結末がない!」
河野「そうですね。そういう意味で無限大ですよね、解釈のしかたによってね。」
カレン「私は今日、はじめて金子みすゞの顔を知りましたけど、まさか26歳で(自ら命を絶った)とか、昔の厳しい時代に生まれたからこその人物であって、今(の時代に)金子みすゞさんが生まれても友だちになってなかったかもしれない。まぁ今も友だちじゃないけど!」
河野「そうですね(笑)」
カレン「今に生まれているのと、昔に生まれているのだったら、きっとまた…詩は書いてないかもしれない。」
河野「そうですね。その時代に生きて、その時代に感じたことを詩にして、今も多くの人たちに見てもらって、今の時代に感動を与えていることを考えると、何か必然とか運命だったような気がします。」

  • みすゞさんのお墓があるお寺で
  • 『こころ』の詩が刻まれた石碑

最後にカレンさんが訪れたのは、みすゞさんのお墓があるお寺です。
ここには、番組冒頭にも出てきた『こころ』の詩が刻まれた石碑があります。
彼女の人生に触れたカレンさんに、あらためて同じ詩を読んでもらいました。

カレン「(この詩の解釈は)どっちでもいけるなって。主人公が子どもでも親でもいける。多分、みすゞさんは子どもが大好きでかわいくて、 “あなたはまだ脳をいっぱいにしちゃだめだよ、これからいろいろ学ぶんだぞ”っていう、子どもはそれくらい親のことなんか考えずに他のことにも目を向けなさい、っていう親からの愛の1個だということを思い知りました。」

我が子への愛情で“こころ”をいっぱいにした金子みすゞ。
その優しさと愛情は時を超えて響いています。

それでは次回もお楽しみに!

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