NHK高校講座

数学T

今回の学習

第33回 第4章 集合と論証

命題と集合 (1)

  • 数学監修:湘南工科大学特任教授/湘南工科大学附属高校教育顧問 湯浅 弘一
学習ポイント学習ポイント

命題と集合(1)

  • 松本あゆ美さん
  • 学び隊

この番組のMCは松本あゆ美さん。
そして今回みなさんと一緒に学習するのは、
学び隊の、奥井亜実さん、加藤幹夫くん、多堀玲央くんの3人です!

正しい文 正しくない文
  • 玲央くんの髪の毛は短い?
  • 玲央くんの髪の毛は短い?

「玲央くんの髪の毛は短い」
この文章は正しいですか?正しくないですか?

この場合、髪の毛が何cm以下だったら“短い”というような定義が決まっていません。
ですから、この文章が正しいとは言い切れません。
答えは…「正しい」とも「正しくない」とも言えな
となります。

  • 厳密に考えると正しいのか正しくないのかの判断が難しい例
  • “愛していない”=“嫌い”というのは間違いです

日常生活には、厳密に考えると正しいのか正しくないのかの判断が難しいことが多くあります。
例えば…
あゆ美「幹夫くん、私のこと好き?」
幹夫「好きです。」
あゆ美「それは、愛しているって意味の好き?」
幹夫「いや、愛してはいないですけど…」
あゆ美「じゃあ、嫌いってこと!?」
幹夫「いや、人として大好きです。」
このやり取りの中で“愛していない”=“嫌い”というのは間違いですね。
A(幹夫くんはあゆ美さんを)イコールB(愛している)ではないからといって、AイコールC(嫌い)とは限らないのです。
AイコールD(人としては好き)かもしれないし、AイコールEやAイコールFの可能性もあります。

今回は、はっきりした根拠に基づいて筋道をたてて考え、論理的に判断することを学習します!

  • 正しいか正しくないか判断できる文や式を命題
  • 命題が正しいことを真、正しくないことを偽

それでは問題です!
次の文が正しければ◯、正しくなければ×、どちらとも言えなければ△をつけなさい。
(1)亜実ちゃんは東京出身である
(2)幹夫くんはやさしい
(3)玲央くんの血液型はB型である


答えは…
(1)◯ (2)△ (3)×

正しいか正しくないか判断できる文や式を命題といいます。
上の問題では(1)と(3)が命題です。
そして、命題が正しいことを、正しくないことをといいます。

  • 玲央くんがつくった文
  • 学び隊

それでは、真の命題、偽の命題、命題とはいえない、この3つにあてはまる文をつくってみましょう!

玲央くんがつくった文がこちらです。
真の命題「ゆあさまはボクより身長が小さい」
偽の命題「多堀は数学がキライだ」
命題とはいえない「宇宙人はいるか?いないか?」


ゆあさまは身長168cm、玲央くんは185cmなので
「ゆあさまはボクより身長が小さい」は真の命題になっています。
“好き”や“嫌い”ははっきりとした定義がありません。
ですから、「多堀は数学がキライだ」は命題とはいえません。
また、「宇宙人はいるか?いないか?」は疑問文となっていて、命題とはいえません。

  • 命題の真偽を述べなさい
  • (x−3)(x−5)=0の解はx=5だけでなくx=3もある

それでは、数学の問題で真偽を考えてみましょう!
次の命題の真偽を述べなさい。
(1) 7+8=15
(2) (x−3)(x−5)=0の解はx=5である。


答えは…
(1)真 (2)偽
x−3)(x−5)=0の解は=5だけでなく=3もあることに注意しましょう!

  • 亜実ちゃんがつくった命題
  • 亜実ちゃん

数式を用いて真の命題と偽の命題をつくってみましょう。

亜実ちゃんがつくった命題がこちらです。
真の命題「9×9=81」
偽の命題「8÷2=5」

どちらも正解です。8÷2=4となりますね!

条件のある命題
  • 条件のある命題
  • 命題の「ならば」を記号で表す

=2ならば=4である
これは「=2ならば」という条件のついた真の命題です。
ベン図を使って表すと上の図のようになり、
=2は=4であるための十分条件
=4は=2であるための必要条件です。
命題の「ならば」を記号で表すと
=2 ⇒ =4
となります。

  • 湯浅弘一先生(ゆあさま)
  • みかんならば果物である

ここで、命題について教えてくれるのは湯浅弘一先生(ゆあさま)です☆

「みかんならば果物である」という命題を使って考えてみましょう。
この場合には
果物はみかんであるための必要条件
みかんは果物であるための十分条件
となりますね。

  • 「必要」か「十分」か?
  • 真の命題となるのはPがQの中に含まれている場合

それでは問題を解いてみましょう!
次の□にあてはまるのは、「必要」か「十分」か書きなさい。
=1は=1であるための□条件である


答えは…必要条件です。
PQ真の命題となるのは、ベン図で表したときにPQの中に含まれている場合です。

  • 真の命題
  • 偽の命題

次に不等式で表された命題の真偽を調べてみましょう。
「−2≦≦1 ⇒ <3」
−2≦≦1を命題P、 x<3を命題Qとして、これを数直線で表します。
すると、ベン図で表すとPQの中に含まれていることがわかります。
ですから、この命題は真の命題です。

もう1問考えてみましょう。
<2 ⇒ >0」
<2を命題P、 x>0を命題Qとして、これを数直線で表します。
すると、<2を満たす=−1や=−2などは>0を満たしていないことがわかります。
これはベン図で表すとPQからはみ出しています。
ですから、この命題は偽の命題です。

このように命題が偽であることを示すには、反例をひとつあげれば良いのです。
反例とは、Pは満たしているがQは満たしていないもののことをいいます。

キミもチャレンジ!
  • x<2 ⇒ −1<x<2
  • 偽の命題

それでは問題を解いてみましょう!
次の命題の真偽を調べなさい。
また、偽である場合には反例をあげなさい。
<2 ⇒ −1<<2」


答えは…偽の命題です。
反例は=−2です。このほか、=−3なども反例ですね。

  • 次回もお楽しみに〜

数学は毎日少しずつ繰り返して復習することで必ずできるようになります。

次回もお楽しみに〜☆

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