NHK高校講座

書道T

今回の学習

第4回 漢字の書 楷書

書の表情いろいろ 〜書風を比べてみよう〜

  • 書道監修:横浜国立大学教授 青山 浩之
学習ポイント学習ポイント

書の表情いろいろ 〜書風を比べてみよう〜

  • 皆藤愛子さん
  • 高校生のみなさん

MCは皆藤愛子さん。
そして今回みなさんと一緒に学習する高校生は、
下国歩夢くん、栗原大河くん、黒木うららさんの3人です。

今回は、前回に引き続き“唐の四大家”の臨書に挑戦します。
前回は欧陽詢と虞世南について学びましたが、今回は褚遂良(ちょすいりょう)と顔真卿(がんしんけい)の書をお手本として学習していきます。

軽快な書と重厚な書
  • チョ遂良と顔真卿
  • 皆藤愛子さん

今回お手本とするのは、軽快な褚遂良「雁塔聖教序(がんとうしょうぎょうじょ)」
重厚な顔真卿「自書告身(じしょこくしん)」
楷書の中でも対照的な表情をもつ2つの作品から、それぞれの筆づかいを学びましょう。

雁塔聖教序
  • 「無比」という文字を臨書
  • 躍動感やリズム感も大切に!

最初に、「雁塔聖教序」の中から抜き出した「無比」という文字を臨書します。
線に張りがあり、太い部分と細い部分の差が大きいのが特徴です。
お手本を真似て書くのが臨書の基本ですが、
意識しすぎると筆の進みが遅くなり、線が太くなってしまいます。
躍動感やリズム感も大切にしましょう!

達人に聞こう(1)
  • 青山浩之先生
  • 蔵鋒とは、起筆のときに穂先を包み込むようにする用筆

ここで、「達人に聞こう!」のコーナーです。
今回の達人・青山浩之先生に「雁塔聖教序」の筆づかいのポイントを教えていただきました。
まず、「無」という字の横3本は“1,2,3”と続けて、リズムを考えながら書きましょう。
一般的な筆順とは違いますが、リズム感を大切にして流れを止めないようにするためです。
“1,2,3”の“3”の最初を前の画からの流れを引っかけて書くようにしましょう。
この筆法のことを蔵鋒といいます。
蔵鋒とは、起筆のときに穂先を包み込むようにする用筆のことです。

  • うららちゃんの作品
  • 歩夢くんの作品
  • 大河くんの作品

スタジオのみんなの作品がこちら!
リズム感や筆づかいを意識して臨書できたでしょうか?

みんなの書
  • サッカー部のみなさんが書に挑戦
  • サッカー部のみなさんが書に挑戦

誰でも書のアーティスト☆
今回は、サッカー部のみなさんに書に挑戦してもらいました!

達人に聞こう(2)
  • 「制度」という文字を臨書
  • 「ハネ」や「払い」でコントロールするのが特徴

続いて、顔真卿の「自書告身」の中から抜き出した「制度」という文字を臨書します。
顔真卿の筆づかいは顔法という名前がついているほど特徴的です。

今回は顔法の中から「ハネ」と「払い」について達人に教えてもらいましょう。
太く書こうとすると筆がバサバサになってしまうことがありますが、
それを「ハネ」や「払い」でコントロールするのが特徴です。
逆筆で入れ、ハネの手前で筆を持ち上げてから軽く返すと穂先がきれいに整います。
払いの場合にも、最後は筆を引き上げてまとめると穂先が揃いやすくなります。

自書告身〜臨書〜
  • 太くダイナミックな顔真卿の文字に挑戦
  • みんなの作品

太くダイナミックな顔真卿の書、うまく臨書できたでしょうか?

褚遂良と顔真卿
  • チョ遂良
  • 西安のシンボル、大慈恩寺にある大雁塔

古くから都として栄えた街・西安のシンボルとなっているのが大慈恩寺にある大雁塔と呼ばれる塔。
ここに褚遂良の「雁塔聖教序」が収められています。
褚遂良は学問や人格に秀でていて、皇帝からの信頼も厚い人物でした。
雁塔聖教序は褚遂良が58歳のときの書です。

  • 顔真卿
  • 力強い書風は彼の生き方を象徴しているのかもしれません

褚遂良より1世紀以上あとの唐の中期に活躍したのが顔真卿です。
「自書告身」のオリジナルと伝えられているものが東京都台東区にある書道博物館に所蔵されています。
この作品は顔真卿が72歳のときに書いたもので、自分の辞令書となっています。
顔真卿はとてもまじめで職務に忠実な役人だったといわれています。
その性格が権力者に疎まれて何度も左遷されましたが、国への忠誠心が強く、反乱が起きたときには自ら兵を挙げました。
しかし、晩年には反乱軍に幽閉されて処刑されるという壮絶な人生を送りました。
力強い書風は彼の生き方を象徴しているのかもしれません。

  • 顔真卿とチョ遂良が若い頃に書いた書
  • 時間をかけてそれぞれの書風を確立していった

ここで、顔真卿と褚遂良が若い頃に書いた書を見比べてみましょう。晩年の書に比べて、違いが際立っていないことに気づきませんか?
2人は若い頃には当時一般的だった書風を学んでいたのですが、その後、時間をかけてそれぞれの書風を確立していったんですね。

顔真卿と褚遂良〜臨書〜
  • 好きな方の作品をもう1度臨書
  • 好きな方の作品をもう1度臨書

最後に、みんなに好きな方の作品をもう1度臨書してもらいました!
歩夢くんとうららさんは顔真卿、大河くんは褚遂良を選びました。

筆の材質、毛の種類
  • 筆の穂の多くは動物の毛でできている
  • 羊毛は柔らかいのが特徴

筆の穂の多くは動物の毛でできていて、長さも硬さもさまざまです。
羊毛(中国のヤギの毛)は柔らかいのが特徴で、もっともよく使われています。
また、硬い筆には馬の毛がよく使われます。
その他、鹿、タヌキ、ムササビなど、さまざまな動物の毛が使われています。

  • 体の部位によっても硬さが変わる
  • 孔雀、七面鳥、白鳥の羽根、竹の筆

同じ動物の毛でも、体の部位によって硬さが変わります。
例えば馬は、しっぽ、胴、たてがみ、それぞれ長さや硬さが違います。
中には、孔雀、七面鳥、白鳥の羽根、竹の筆などもあります。
一口に筆といっても、いろいろな材料が使われているのです。

  • 次回もお楽しみに

次回もお楽しみに!

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