NHK高校講座

家庭総合

今回の学習

第26回 食生活

めざせ! 理想の献立づくり

  • ゲスト:料理研究家 浜内 千波 
    監 修:横浜国立大学教授 堀内 かおる
学習ポイント学習ポイント

めざせ! 理想の献立づくり

今回のテーマは「めざせ!理想の献立づくり」
  • 絢音
  • さとし

「家庭総合」では、これから生きていくために必要な知識や技術を、りゅうちぇるさんと一緒に学んでいきましょう!

これまで、地元でとれる旬の食材を慈(いつく)しんでいただいたり、おもてなしの心を大切にしたりといった、日本食のすばらしさ、そして世界の食文化について学んできました。
今回も「食」について、現役高校生の、絢音さん(高1)、さとしさん(高3)と一緒に考えていきましょう!

今回のキーワードは「献立(こんだて)」です。

りゅうちぇる 「『献立』というのは、食事の料理の種類やメニューの予定を立てたり、考えたりすることなんだけど、高校生の二人は『献立』って立てたことあるかな!?」

絢音 「う〜ん…私は、立てたことないです。」

りゅうちぇる 「そうだよね。」

さとし 「料理をつくる機会はあっても、献立から考えることはしたことないですね。」

りゅうちぇる 「高校生だと、『自分の食生活のこと、献立を立てるところからやっている!』という人はあまりいない(かもしれない)ですよね。でも、将来 生活的自立を果たすためにも、ふだんの食生活のことは、自分の健康にもつながることだから、しっかり意識するようにしていきましょうね。」

今回のテーマは「めざせ!理想の献立づくり」
長く健康でいられるための、理想の献立づくりについて、一緒に話していきましょう!
3つのポイントは「ずっと健康でいられる食事とは?」「献立作成 はじめの一歩」「大切な人のための献立を考えよう」です。
栄養バランスのよい献立づくりにチャレンジしましょう!

ずっと健康でいられる食事とは?
  • 学べる健康レストラン
  • 未病ブランド

ずっと健康でいられるための食事とは、一体どんなものなのか?
健康なからだづくりを意識した献立を、毎日提供している社員食堂を直撃しました!

お邪魔したのは、神奈川県横浜市にある、化粧品や健康食品の開発と販売を手がける会社の社員食堂。その名も“学べる健康レストラン”。
2017年、生活習慣や未病の改善に関わる優れたメニューを提供していることから、社員の健康づくりを支援するこの食堂は、神奈川県の“未病ブランド”に指定されました。

  • Aランチ
  • Bランチ

利用する人は、総カロリーが650キロカロリー前後の、3つの日替わりの献立から選ぶことができます。

本日の献立
Aランチは、「ナスのひき肉はさみ揚げ焼き」。
カロリーをおさえるための秘密は、ナスの調理法にありました。
たっぷりの油に浸して揚げるのではなく、ナスに油をかけて蒸し焼きにしています。

Bランチは、この食堂の人気メニュー「サクサク衣の天ぷら」。
天ぷら粉を牛乳と水で混ぜることで、外はパリッと、中はフワっと!天つゆなしでも食べられるようにしています。

  • Cランチ
  • レモン風味のカレーは大好きなメニュー

Cランチは、「レモン仕立てのキーマカレー」。
カレーを煮込むのに使う水と油の量を減らして塩分を控え目にし、レモン汁を加えてコクを出しています。

いろいろ工夫された日替わりランチは、大好評です。

(社員食堂 利用者) 「レモン風味のドライカレーは、大好きなメニューです。レモンがさっぱりしていておいしいです。」

(社員食堂 利用者) 「いろんな種類があり、栄養バランスがいいので、おいしく、いつもいただいています。」

(社員食堂 利用者) 「基本、私はちょっと血圧が高いので、(社員食堂のランチは)塩分が2グラム前後で、それでもすごく味があっておいしいです。」

  • こだわり1
  • こだわり2

社員の“美と健康”を意識した献立には、いくつかのこだわりがあります。
一般的な定食では塩分が6gほど使われるのに対して、(この社員食堂の献立では)塩分を2g前後におさえます。
野菜は120g以上使用すること。
そして、食物繊維を6g以上含んでいることなどです。

  • 美と健康の両立したメニュー
  • 元岡さん

社員の生活習慣の改善と健康維持をめざし、毎日の献立づくりをしている、機能性食品開発グループの元岡 滋子さんにお話を伺いました。
“美と健康”の両立には、塩分や脂質など とり過ぎてはいけないものは適量に、そしてビタミンやミネラル、食物繊維など とらなくてはいけないものはしっかりと補うことが大事なのだそうです。

元岡さん 「どれだけ健康(によい)といわれても、おいしくないと続けられない。おいしく簡単に続けられる、それが(社員食堂の献立づくりで)とても気にしているポイントであり、大事なことかなと思っています。」

  • 絢音の感想
  • さとしの感想

絢音 「健康的で栄養も入っていて、しかも おいしい料理を、こういう食堂で食べられたら、家でも(健康的な食事を)意識しようという気にもなれるし、すごくいいなと思いました。」

さとし 「“社員食堂”は、毎日のように通って 毎日のように食べるところ。それ(毎日食べる食事)を自分で考えなくても、栄養管理や健康を気づかった食事が出てくると考えると、ワクワクしますよね。しかも、おいしいから!」

りゅうちぇる 「『健康が大事といわれても おいしくないと続けられない』 と(元岡さんが)言っていたけど、本当にその通りだなって思っていて、献立づくりって毎日のことだから『楽しく、おいしいものを簡単に』、という意識で考えていきましょうね!

献立作成 はじめの一歩
  • 一汁三菜
  • 主食

実際に献立づくりをしていく前に、まずは 基本となる「一汁三菜(いちじゅうさんさい)」について見ていきましょう!
ご飯とみそ汁(などの汁物)に3品の料理を添えた「一汁三菜」。
室町時代の本膳料理がもとになっています。

「主食」 ごはんや麺 パンなどの、炭水化物を中心としたもの

  • 主菜
  • 副菜

「主菜」 肉や魚などの、たんぱく質を多く含む献立の主役
「副菜」 野菜やきのこ いもなどを主材料にした煮物やあえ物 ビタミン 無機質 食物繊維などの供給源になる

  • 汁物
  • 5大栄養素を含んでいる

「汁物」 水分を摂取するための汁物 おみそ汁など

5大栄養素(炭水化物・脂質・たんぱく質・無機質・ビタミン)のバランスを考えた「一汁三菜」は、健康的な食事スタイルだと世界からも注目されています。

  • 浜内さん
  • 浜内さんおすすめの献立

それでは実際に、「一汁三菜」の献立を考えていきましょう!
ここで スペシャルゲスト、健康を意識した献立づくりで人気の料理研究家、浜内 千波さんの登場です!
まず、料理カードを使って、理想的な献立を立ててもらいましょう!
献立づくりの基本は、最初に「主菜(メイン料理)」を決め、続いて 栄養バランスを考えて「副菜」や「主食」「汁物ほか」の順番で選びます。

浜内さんおすすめの献立が完成です!
主菜は「ホワイトシチュー」、副菜は「レタス入りトマトサラダ」と「きのこのマリネ」、主食は「グリーンピースご飯」、汁物ほかは「チーズ」を選びました。

  • 五色
  • 五色を意識して献立を考える

りゅうちぇる 「見た目もすごくカラフルで、見栄えもステキだよね。」

浜内さん 「そうです。実は、色がカラフルだということは、見た目もきれいなんですけど、『栄養のこと わからない…』という方(でも)、色をカラフルにすることによって、栄養のバランスが自然と とれるんですね。

献立は色がポイントなんですね!
実は、和食の盛りつけの基本に「五色」という言葉があります。
赤・黄・緑・白・黒 の 五色。
浜内さんの献立には、そのすべての色が含まれていました。

高校生の二人も、「五色」を意識して、自分のための献立づくりに挑戦!

  • 絢音の献立
  • さとしの献立

まずは、絢音さんの考えた献立からチェック!
主菜は「ビーフシチュー」、副菜は「ゴーヤチャンプル」と「野菜スープ」、主食は「五目ご飯」、汁物ほかは「ヨーグルト」を選びました。

続いて、さとしさんの考えた献立。
主菜は「エビフライ」、副菜は「エビとアボカドのサラダ」と 具だくさんの「豚汁」、主食は「ご飯」、汁物ほかは「りんご」を選びました。

二人が選んだ献立、見た目はカラフルでしたが、浜内さんからはこんな指摘が…

  • 絢音が選んだ献立
  • 塩分のとりすぎ

浜内さん 「絢音ちゃんの選んだ献立の、ビーフシチューはしっかりとしたお味付けなの。それからゴーヤチャンプルも しっかりとしたお味付けなのよね。」

りゅうちぇる 「そうですね。」

浜内さん 「野菜スープはたっぷりと入っている、一食でかなりの塩分が入っている(塩分のとりすぎ)。きっとこれを全部いただいたあとには、水をがぶ飲みされるんじゃないかなって。」

りゅうちぇる 「確かにそうかも!水ありきの(献立)。」

さとし 「進みますね、水が!」

浜内さん 「栄養のことを考えたのはグッドで、そして色合いも『五色』が入っていてよかったと思いますけど、生活習慣病は若い方は(関係ない)っておっしゃらないで、塩味を少なくする、(主菜と副菜のバランスを工夫するなど)強弱をつける献立の方がよかったかもしれませんね。」

  • さとしの選んだ献立
  • エビが入っている

りゅうちぇる「続いて、さとしくんの献立の解説・評価をお願いします!」

浜内さん 「(主菜に)エビフライを選ばれました。もうひとつ(副菜のサラダ)がまたエビが入っているんですね。」

さとし 「そうなんですよね。(主菜のエビフライと副菜も海老とアボカドのサラダなんで)エビ・エビですね。」

浜内さん 「そして、そこ(サラダ)にかかっているドレッシングがシーザーサラダ(系のドレッシング)と(エビフライに添えられた)タルタルソース…。これも少しメリハリがあった方がよかったかな。」

さとし 「確かに、似通っていますもんね。」

浜内さん 「そうですね。」

  • 豚汁
  • たんぱく質のとりすぎ

実は、さとしさんの献立には、もうひとつ問題が!
「豚汁」にも、たんぱく質が多い豚肉が使われています。

浜内さん 「こう考えてみると、たんぱく質 たんぱく質 たんぱく質という感じなんですよ。一度にガッツリ系でたんぱく質をとったとしても、全部が吸収されるわけではないので、効率よく分けて(たんぱく質を)とることが体にもいいと思いますね!」

  • 青年期の献立づくりの注意点
  • 食べることを抜かないことが大事

りゅうちぇる 「高校生の二人は青年期、このライフステージのときの献立づくりでは、ほかにどんなことに注意したらよいのでしょうか?」

浜内さん 「やっぱり、わたしたちはダイエットを気にしすぎています。成長期なので(高校生は)食べることを抜かないことが、とても大事になってくると思いますよ。」

大切な人のための献立を考えよう!
  • お父さんのために
  • 母のために

ここまで 自分のための献立づくりをしましたが、今度は“大切な人”のために献立づくりをしていきます!

りゅうちぇる 「二人は誰のために献立を考えてあげたいかな?」

絢音 「私は、お父さんのために献立を考えます。」

さとし 「僕は、母のために考えようと。」

りゅうちぇる 「二人とも素敵だね〜!」

  • お父さんのための献立
  • 絢音がお父さんのために考えたこと

まずは、絢音さんがお父さんのために考えた献立は!?

絢音 「私は、(主菜)牛肉のステーキ、(副菜)トマトとなすのマリネ、(主食)ごはん、(副菜)ブロッコリーとえびのハーブソルトいため、(汁物)オニオングラタンスープを献立に入れようと考えています。理由としては、お父さんがお肉が大好きで、牛肉のステーキに野菜をちょっと添えて 元気いっぱいになってもらって、でもお肉はちょっと重いから、(副菜は)トマトとナスのマリネとブロッコリーとえびのハーブソルト炒めでちょっと軽めだけど おいしいものを入れてみました。」

  • お母さんのための献立
  • さとしがお母さんのために考えたこと

続いて、さとしさんがお母さんのために考えた献立は!?

さとし 「僕は、(主菜)さばのみそ煮、(副菜)なすのお浸し、(主食)麦と白米の混ぜたもの、(汁物)おみそ汁、(副菜)ほうれんそうのごまあえ。僕の母が魚を食べないイメージがあるので、せっかくなので、魚を入れたいと思って。あとは塩分(が多めのものや)、(ボリュームがあって)重いものが多いイメージがあるんですね、僕の家だと。なので、ちょっとあっさりさせたいなと思って、ごはんもナスも、ほうれん草も、薄目なものを選んでみました。」

りゅうちぇる 「いいね!あえて(お母さんが)食べていなそうな、さばのみそ煮とかにするって。浜内先生、二人が考えたメニューはいかがですか?」

  • 絢音のお父さんのため献立
  • 油が多い

浜内さん 「まず、絢音ちゃんの牛肉のステーキ。お父様のこと思って、大好きなステーキをメインに考えたことは、すごくすばらしいと思いました。これ(献立)を見てみると、なすのマリネ、ハーブソルト炒め、オニオングラタンスープ、そしてステーキとなると、(すべてをあわせると)ある調味料をたくさん使ってしまっているんです。」

さとし 「わかりました。油ですか?」

浜内さん 「そうなんです。(お父さん世代は)40代過ぎると油大さじ一杯で112キロカロリー前後あるのね、だから油はできるだけ、お父さんのために控えられた方がいいかなと思います。」

  • さとしのお母さんのための献立
  • 味噌が多い

お次は、さとしさんがお母さんのために考えた献立をチェック!
主菜は“さばのみそ煮”、そして…汁ものも“おみそ汁”なんですね!?

浜内さん 「なにか…、」

さとし 「(言いたいこと)わかります!みそみそしい、ですよね!」

浜内さん 「そう!」

“さばのみそ煮”と“おみそ汁”、みそがかぶってしまったんですね。

  • さばのトマト煮
  • いい感じ

浜内さん 「(さばを)トマト味にされたらどう?」

さとし 「さばをトマトですか?」

りゅうちぇる 「おー、トマト煮込み!」

浜内さん 「さばのトマト煮をおすすめします。」

絢音 「(色的にも)赤も足されて、いい感じ!」

さとし 「いいですね!」

  • りゅうちぇるの感想
  • 浜内さんからの提案

りゅうちぇる 「食事は人の心を豊かにするんだなってものすごく感じた。もっと自分を愛するためにも 人を愛するためにも、食事を大切にしないといけないなと思ったんだよね〜。」

浜内さん 「自分が食べたものが、自分の体になる。相手に対してもそうだということですね。【一汁三菜】この合言葉を覚えて、【一】ごはん、【汁】お汁、そして【三菜】。これはいつも器を別にして並べるのは大変ですから、現代風にワンプレートでも全然かまわないと思います。(献立づくりを考えてみることを)長く続けて、がんばってくださいね。」

  • 料理をする絢音
  • 絢音が作った献立
  • お父さんの感想

後日、絢音さんは、大切なお父さんのために献立づくりに挑戦!
副菜は、健康のために、油を使わない きのこの蒸し焼きとほうれんそうのあえ物に変更しました。

絢音さんのお父さんの感想 「ごうちそうさま!カロリー控えめで減塩仕立て(の献立)。大好きなステーキに大満足です!」

  • 料理するさとし
  • いただきます
  • お母さんの感想

さとしさんは、魚をあまり食べないお母さんのための献立づくり!
さばをみそではなく、トマトで煮込みました!

さとしさんのお母さんの感想 「ごちそうさま!健康を気づかった料理に感激!さばのトマト煮 最高でした!」

  • 料理するりゅうちぇる
  • にんじんしりしり

りゅうちぇるさんも、愛する家族のための献立をつくります!
メインはヘルシーな「豆腐ハンバーグ」。
副菜は、ふるさと沖縄の郷土料理「にんじんしりしり」。
(りゅうちぇるさんの妻の)ぺこさんは、まだ一度も食べたことがないんだそうです。

  • 完成したお弁当
  • おいしい

愛情たっぷりのお弁当の完成です。

ペコ 「わ〜っ!めっちゃ ヘルシーやん。」
 
りゅうちぇる 「そう、めっちゃヘルシー!」

ペコ 「おいし〜い!次、にんじんしりしり食べていい?」

りゅうちぇる 「いっぱい食べて!めちゃくちゃおいしいから!」

ペコ 「うん、おいしい!」

  • 豆腐ハンバーグ
  • これからもがんばります

りゅうちぇる 「これからも、ペコリンだけでなく、(息子の)リンク、家族のためにもっともっと健康も意識した、そしてちゃんとおいしいご飯をつくっていけるようなパパで頑張ります!」

ペコ 「ありがとう!ほんまに、またつくってほしい!」

りゅうちぇる 「うん、つくる!!」


それでは次回もお楽しみに!

【第26回 めざせ!理想の献立づくり】3ポイント まとめ
  •  家庭総合 第26回 ポイント1
  •  家庭総合 第26回 ポイント2
  •  家庭総合 第26回 ポイント3

1:ずっと健康でいられる食事とは?
健康のためには、塩分を控えめに、そして 五大栄養素をバランスよくとる食生活が大切です。

2:献立作成 はじめの一歩
「一汁三菜」を基本に、料理に使う食材の色のカラフルさ、「五色」を意識しましょう。

3:大切な人のための献立を考えよう
大切な人のライフステージや健康状態も気づかった、栄養バランスのとれた献立を考えましょう!

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