NHK高校講座

地学基礎

今回の学習

第27回 第3編 地球

火山活動と火成岩

  • 監修・講師:東京学芸大学附属高等学校教諭 田中 義洋
学習ポイント学習ポイント

 「火山の噴火と形」「造岩鉱物」「火成岩の分類」

地学基礎では、地球調べ隊の関口隊長と垣内隊員、そして地球調べ隊の顧問の先生が、地球の謎に迫ります!

今日のテーマは、「火山活動と火成岩」。
火成岩を材料とするもの、例えば建築物は、国会議事堂の外壁、お城の石垣、神社の鳥居など、たくさんあります。そしてカーリングで使用するストーンなども火成岩からできています。そんな火成岩と火山活動の関係を調べていきます。

今日のキーワードは、「火山の噴火と形」、「造岩鉱物」、「火成岩の分類」、です。


まずは、火山の噴火と形です。

火山の元である高温のマグマが冷えて固まったものが火成岩です。火成岩は、深成岩と火山岩に分けられます。

地下の深いところでマグマがゆっくり冷えて固まったものが深成岩
地表や地表に近いところでマグマが急に冷えて固まったものが火山岩です。

火山の噴火の仕方や火山の形は、それぞれの火山のマグマの性質によっておおむね決まります。しかし、マグマは、たいていの場合、火山の地下深くにあるので、簡単に調べることはできません。

では、どうしたらマグマの性質を調べることができるでしょうか。
火成岩はマグマが冷えて固まったものなので、火成岩を溶かせば、その火成岩の元の姿であるマグマに戻るはずです。

浅間山の「鬼押出し」の火成岩を溶かして、その火成岩がどんな性質のマグマだったのか調べてみました。調べたのは、「マグマの粘り気」です。


「鬼押出し」の火成岩を細かく砕いて、真っ赤に溶けた鉄の中に入れます。
およそ15分後、温度は1000℃以上になりました。
溶けた火成岩を取り出してみました。
浅間山のマグマは、粘り気があることがわかりました。

それでは、マグマの粘り気と、火山の形はどのような関係にあるのでしょうか?
代表的なものを見てみましょう。

ハワイのキラウエア火山のような、なだらかな形をした火山を盾状火山といいます。西洋の盾を寝かせたような形なので、このようにいいます。そして、富士山は成層火山。雲仙普賢岳のような盛り上がった形のものは溶岩ドームといいます。

どうして、このように火山の形が違うのかというと、マグマの温度が高くて粘度が低い と、流れやすくなって盾状火山になります。逆に、温度が低くて粘度が高い と、流れにくくなって溶岩ドームになります。

マグマの粘り気が異なると、火山の形だけではなく、マグマからできた火成岩にも違いができます。マグマの粘り気が違うと、火成岩に含まれる造岩鉱物が違ってくるからです。
造岩鉱物は、岩石をつくっている主な鉱物のことで、造岩鉱物を調べれば火成岩の違いがわかります。


左の写真は、7種類の主な造岩鉱物、
「かんらん石」、「輝石」、「角せん石」、「黒雲母」、「石英」、「カリ長石」、「斜長石」です。

これらの造岩鉱物の含まれる量によって、火成岩の色が違ってきます。


「かんらん石」、「輝石」、「角せん石」、「黒雲母」は、どれも黒っぽい色をしていて、有色鉱物といいます。

「石英」、「カリ長石」、「斜長石」は、どれも白っぽい色をしていて、無色鉱物といいます。


つまり、有色鉱物を多く含んでいれば火成岩の色は濃くなり、無色鉱物を多く含んでいれば火成岩の色は薄くなるのです。

火成岩の色を見れば、無色鉱物を多く含んでいるのか、有色鉱物を多く含んでいるのかはわかります。しかし、どんな造岩鉱物がどのような形で含まれているのかは、肉眼では分かりません。
そこで、含まれている造岩鉱物を顕微鏡で観察するために、岩石を薄く切ります。これを、「岩石薄片」といいます。

岩石薄片を偏光顕微鏡で観察すると、左側の火成岩は、小さな粒と大きな粒が混じっていることがわかります。一方、右側の火成岩は、どれも大きな粒でできていることがわかります。


最後は火成岩の分類です。

火成岩は、まず火山岩と深成岩に分けられ、さらに、造岩鉱物の違いで分けられます。


無色鉱物は主に、「ケイ素」と「酸素」の化合物=二酸化ケイ素という成分からできています。
一方、有色鉱物は、二酸化ケイ素の成分に、さらに、「鉄」とか「マグネシウム」などといった金属元素が含まれているのが特徴です。

ここで火成岩の分類をまとめてみましょう。

火成岩は、
・火山岩と深成岩に分けられます。
・火山岩や深成岩には、含まれている造岩鉱物の違いにより、黒っぽいものから白っぽいものと、色の違うものがあります。

例えば、火山岩の「玄武岩」は、黒っぽい色をしていて、有色鉱物の「かんらん石」や「輝石」が多く含まれています。
一方、深成岩の「花こう岩」は白っぽい色をしていて、無色鉱物の「カリ長石」や「石英」が多く含まれています。


それでは、「理解度チェック」をしてみましょう。

右の写真、2つの火成岩は何という名の火成岩でしょうか?


こちらの火成岩は・・・
色が黒っぽい。そして、偏光顕微鏡で見ると、粒子は小さいのと大きいのが混じっている。
これは・・・
「玄武岩」です。

では、こちらの火成岩は・・・
色は、白っぽい。そして、粒子は比較的大きいものがそろっています。
これは・・・
「花こう岩」です。

玄武岩は、火山の地表や地表に近いところでできたもの。花こう岩は、地下の深いところでできたもの。その火成岩が一体どこでできたのかもわかります。


●次回の地学基礎は、「火山の恵みと災害」です。お楽しみに〜。

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