NHK高校講座

ビジネス基礎

今回の学習

第1回 経済と流通の基礎

経済のしくみとビジネス

  • ビジネス基礎監修:城西大学経営学部客員教授 粕谷和生
学習ポイント学習ポイント

経済のしくみとビジネス

経済のしくみとビジネス
  • ビジネス基礎
  • 経済のしくみとビジネスについて学ぼう

みなさんは日々の生活の中で『経済』とつながり、『経済』に支えられていることを知っていますか?
今回は、経済のしくみとビジネスについて学んでいきましょう!

私たちの生活と経済
  • 店長・加藤勝
  • 新人アルバイトの山田多恵

ここはコンビニ、“マエマート”。
店長・加藤勝(33歳)は“コンビニ経営マニュアル”の本を熟読中です。
そこに、新人アルバイトの山田多恵(16歳)がやってきました。

レジの打ち方などを教えてもらった多恵はお客さんを待ちますが、数時間経ってもお客さんは1人も来ません。
多恵「お客さん来ませんね…いつもこんな感じなんですか?」
店長「そうなんだよ、困ったもんだよ。」
多恵「そこを何とかするのが店長の仕事じゃないんですか?」
店長「ふふっ。だから、僕は日々こうやって(“経営マニュアル”を読んで)コンビニ経営について勉強しているんだよ!山田さんもきょうからバイトを始めて、経済を担う一員になるんだから、しっかり自覚をもって働いてもらわないとね!」
多恵「はあ…」
店長「コンビニの店長は立派な経営者なんだ。だから、いろいろと大変なんだよ。何でお客さんが来ないのか、ちゃんと経済のことを分析して…」
多恵「店長!その『経済』って何なんですか?」
店長「経済?あの、アレだよ……」
店長はあわてて“経営マニュアル”のページをめくり始めました…。

  • 生産→流通→消費
  • 経済

私たちの生活は『経済』によって支えられています。
私たちは、生活に必要な商品をつくる『生産』と、欲しい商品を購入する『消費』という経済活動を行うことで、豊かな生活を送っています。
そして、生産された商品を消費者に届ける活動を『流通』といいます。
この、『生産→流通→消費』という一連のつながりを『経済』といいます。

経済を支えるビジネス
  • おにぎりをすすめるポップ
  • ビジネスって何?

人が来ないコンビニを脱却するには、お客さんのハートをつかむことが大切だと気づいた店長。
おにぎりを宣伝するチラシを作りました。
店長「(チラシを多恵に見せて)どう?」
多恵「いやいや!そもそもお客さんが来ていないんだから、おにぎりを推してもダメなんじゃないですか?」
店長「あぁっ。するどい!」
多恵「もっとお客さんが来る方法を、プロに教えてもらったらどうですか?」
店長「ダメダメ!そんなことしたら、凄いお金がかかるの。ビジネスとして成立しないよ!山田さん、ビジネスっていうのは甘くないんですよ?」
多恵「じゃあ店長、『ビジネス』って何ですか?」
店長「ビジネスっていうのは……」
またしても、店長はあわてて“経営マニュアル”のページをめくり始めました…。

  • おにぎりを作るために必要なビジネス
  • おにぎりを作るために必要なビジネス

それでは、コンビニのおにぎりを例に、ビジネスとは何かを考えてみましょう。
1つのおにぎりを作るために必要なビジネスは、代表的なものだけで8つあります。
(1)おにぎりを作るビジネス
(2)米を生産するビジネス(農家)
(3)米を運ぶビジネス
(4)(おにぎりの中に入れる)具材を作るビジネス
(5)(おにぎりを包む)のりフィルムを作るビジネス
(6)(商品に貼る)シールを作るビジネス
(7)おにぎりを作る機械を作るビジネス
(8)完成したおにぎりを運ぶビジネス

この中の1つでも欠けてしまうと、おにぎりを作ることができません。
おにぎり1つの中にも、さまざまなビジネスが詰まっていることがわかりますね。

  • ビジネスとは
  • ビジネスは、4つに分類できる

ビジネスとは、企業が利益の獲得を目的として、経済のしくみのなかで行う事業活動のことをいいます。
ビジネスは、4つに分類できます。

(1)ものを生産するビジネス
食品や衣料品、自動車などはビジネスによって生産されます。

(2)サービスを生産するビジネス
飲食店や美容業、介護など、消費者に直接サービスを提供します。

(3)ものを消費者に流通させるビジネス
コンビニエンスストアや宅配便などが該当します。

(4)生産・流通・消費をより円滑にするビジネス
銀行や保険会社などの金融業、情報通信業などが該当します。

経済活動の基本的な考え方
  • 新商品の販売について悩んでいる店長
  • どちらを選ぶ?

来週から始まる新商品の販売について悩んでいる店長。
本部から、“高級ケーキ”か“高級ようかん”どちらかを選ぶように言われています。
値段はどちらも1000円。
店長「どっちにするか、決められなくてね…」
多恵「“高級ケーキ”はスイーツ女子やスイーツ男子にうけそうですし、“高級ようかん”はお年寄りにうけそうですね。」
店長「そうか。買ってくれる客層が違うんだな…」
多恵「じゃあ、どっちを売るか決めちゃいましょう!どっちですか?」
店長「決められないよ〜!」

  • 『土地・資本・労働力』の3つを生産要素という
  • トレード・オフ

例えば、
AとB、どちらの商品を売るのか。
X市、Y市、Z市、どこに工場を建てるのか。
など、ビジネスは選択の連続です。

どちらか一方を選択して、どちらか一方を諦めなくてはいけない状況をトレード・オフといいます。
なぜトレード・オフになるのかを考えてみましょう。
まず、商品を生産するには、土地をはじめ、鉱物や水などの天然資源が必要です。
さらに、工場や機械などの資本、従業員などの労働力も必要になります。
この『土地・資本・労働力』の3つを生産要素といいます。
生産要素には限りがある(希少性といいます。)ので、企業は消費者が求めるものすべてを生産することはできません。
だから企業は選択を迫られるのです。
また、トレード・オフによって選択しなかった案から得られたであろう価値を機会費用といいます。

  • 次回もお楽しみに!

まだ“高級ケーキ”か“高級ようかん”か決められない店長。
このコンビニがお客さんでにぎわう日は訪れるのでしょうか…次回もお楽しみに!

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