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先生向け高校講座の使い方

静岡県立
静岡中央高等学校
通信制

スクーリングで使う

世界史では画像を使って歴史をわかりやすく。英語では生徒と教科書の距離を近づけるためにインタビューを活用しています。

高校講座を使う目的は?

支援を必要とする生徒たちが、学習に取り組みやすくなる環境を作る。
なじみのない学習内容をわかりやすく。生徒と教科書の距離を近づける。

高校講座を活用する
2つのシチュエーション

  • レポート:番組との対応表を掲載。生徒がレポート作成の補助教材として使用。
  • 面接指導:教材の一部として面接指導で使用。

どうして高校講座?

本校では、以前より、生徒の学習の一部としてNHK高校講座を位置づけてきました。
しかし、通信制の生徒の層の変化から、現在の生徒にとって、より使いやすい方法を考えています。
具体的には、生徒の年齢層が下がり、発達障害や不登校経験など、さまざまな支援を必要とする生徒たちも多く在籍しています。その中で、生徒たちがより学習に取り組みやすくなるような活用方法として、上記にあげた2つを紹介します。

高校講座を活用した学習指導例

レポート
活用のシチュエーションとして、まず、レポートに番組との対応表を掲載し、生徒のレポート作成の補助教材として使用しています。
生徒が持っているレポートごとに対応表があれば、見たいときにどの番組を見ればよいのか、すぐにわかります。近年はスマホで視聴する生徒も増えたため、レポート担当者にQRコード表の掲示の呼びかけを行い、さらにレポートと番組との連動を促しています。
面接指導1:世界史B
面接指導で使用するパワーポイントのスライドに、番組のキャプチャー画像を貼り付けて使用しています。 具体例として、「世界史B」では「イスラーム世界」におけるイスラーム誕生の部分で、講座の中の「ムハンマドと4人の正統カリフ」の画像を使用しました。
イスラーム史は、遠い西アジアのできごとであり、ほとんどの生徒にとってなじみのないものです。
なかでも、ムハンマドから4人の正統カリフ、そしてウマイヤ朝成立への流れの部分は大切でありながら、登場人物が多く、話を進める上で気を遣うところです。
イスラーム世界の拡大
このムハンマドと4人の正統カリフの画像は、中央上方にムハンマド、それを取り囲むように4人のカリフたちが描かれています。面接指導の中では、ムハンマドのイスラーム教の創始の話のあと、この画像を掲示します。そして、ムハンマド亡きあとの正統カリフ制の誕生、カリフの性質を解説。さらに、その後の内紛からウマイヤ朝の建設までを説明します。
1枚の絵を見ながら歴史の事項・流れを解説することができ、画像と対比させながら解説を聞くことで、生徒は視覚的に内容を理解しやすくなります。また、ムハンマドのみ顔が描かれていないという点でも、ムハンマドの神聖を視覚的に確認することができます。なお、パワーポイントのスライドにはタイトルをつけて、生徒が理解しやすいようにしています。
面接指導2:コミュニケーション英語II
コミュニケーション英語IIは、1レッスンが20分×6回で放送されていますが、本校では1レッスンは50分の配分ですので、主に内容スキーマ(内容にかかわる背景知識)に関してNHK高校講座を利用しております。特に、題材に密接につながっている方へのインタビューなどを積極的に取り入れて放送で紹介している方法は、テキストを学習者に近づけるためにも、役立ちます。
例えば、旧作のコミュニケーション英語IIのLesson8は、「Wings of Music」というタイトルでsaxophone playerの寺久保エレナさんを扱っており、本人へのインタビューも4回紹介され、面接指導でも利用しました。
また、講座のアシスタントは、オーストラリアの方ですので、オーストラリア英語(オージー英語)に興味を持たせるためにも少し録音して、面接指導で紹介しました。
NHK高校講座では、学習者のスキーマ(背景知識)を活用しようとする姿勢が感じられます。
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