ページの本文へ

  1. トップページ
  2. こうち防災
  3. 防災企画 【かわ知り】鏡川

かわ知り かわ知り

高知県内の主な川の特徴や水害に備えて気をつけるべき点など、それぞれの川ごとにシリーズでお伝えする「かわ知り」。
川の歴史や特性を知ることが、いざというときの備えにつながります。

鏡川 (2021年掲載)

高知市の中心部を流れる鏡川。
鏡地区から市街地を経て浦戸湾に注ぐ、延長31キロの比較的短い川です。

鏡川にはどのような特徴があるのか。

県河川課の谷脇久志課長に、聞きました。

その他
県河川課 谷脇久志課長

「鏡ダム以外に鏡ダムに入る支川も、直接鏡川に流れ込む支川も多いので、(水を)集める面積が非常に大きい/上流は急峻な山が急な特徴がありまして、水が一気に流れ出てくる。
途中からは緩やかになって、平野の中を流れてきますが、途中からはその平野部に中心都市と言うことで/その流域にたくさんの人が住まれておって、一度、氾濫すると非常に被害が大きいという所になる。
高知県の川の中では、被害が一番大きいことになります」。

上流にはダムを通らず、川に直接流れ込む支流もあるため、大雨が降ると一気に水が流れ込んできます。

最大規模の雨が降った場合に、高知市内で浸水が予想されるエリアです。
浸水は市内の広い範囲に及び最大で16万人が影響を受けると想定されています。
過去には、大きな水害を繰り返してきた鏡川。
特に昭和50年、51年には台風による豪雨で川が氾濫。

市内のほとんどが水没し、高知市は非常事態宣言を発表。
「自分の命は自分で守って」と呼びかけたといいます。

これをきっかけに、川幅を広げ、堤防を高くする大規模な河川改修工事が行われました。
それから40年以上にわたり、大きな水害は起きていません。

7年前、あわや市街地が大洪水にという事態に陥りました。
当時、台風による集中豪雨で、高知市でも900ミリ近い雨が降りました。
鏡川の下流は満水に近い状態になり、堤防内では浸水している建物も。
このとき、市街地への氾濫を食い止めたのが鏡ダムでした。

ダムには過去最大の雨が流れ込み、貯水は満杯に近い状態。
最終手段とされる、「緊急放流」をする事態に追い込まれました。

鏡ダム管理事務所の枝常泰久所長は、緊急放流をすると、下流の氾濫を招く危険性がありましたが、放流せざるを得なかったといいます。

満潮の時間を過ぎたところで雨がやみ始めました。
本来、ダムに流れ込む大量の水をそのまま流すのが緊急放流ですが、あえて手動に切り替え、放出する水量を極力抑える操作に踏み切りました。

その他
県河川課 谷脇久志課長

「下流の鏡川の水位のほうがあと少しになって、なおかつ、大潮が満潮に重なっているということで、下手をすると、あふれてしまうということで/本当に、分単位で1センチ単位で考えながら、手動で操作されたと聞いています」。

この一件を見ても、いまだに油断できない鏡川。 特に鏡ダムは容量が少ないため、注意が必要だと言います。

その他
県河川課 谷脇久志課長

「貯水の容量としては、高知県で一番有名な早明浦ダムの34分の1(の大きさ)で高知県が管理している永瀬ダムと比べても4分の1と非常に小さい貯水量になっています。
近年多い九州の豪雨とか東日本の豪雨とか来れば、いつあふれるかもわかりませんので、注意していただけたらと思います」。

避難のタイミングを知るには、鏡川の観測所がある築屋敷の(つきやしき)水位に注目してください。
こうした水位の情報は県の防災アプリで確認できます。
川には近づかず、高知市のエリアメールなどが出たら、避難を始めてください。