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かわ知り かわ知り

高知県内の主な川の特徴や水害に備えて気をつけるべき点など、それぞれの川ごとにシリーズでお伝えする「かわ知り」。
川の歴史や特性を知ることが、いざというときの備えにつながります。

四万十川 (2021年掲載)

高知県の西部を流れる四万十川。
全長は196キロメートルに及びます。
流域の年間平均降水量は全国平均のおよそ1.7倍。
全国有数の多雨地帯として知られています。

流域では恵まれた豊かな自然環境を背景に、川と共存した人々の生活が営まれています。
豊かな恵みをもたらす一方で、「暴れ川」とも呼ばれ、何度も水害を引き起こしてきました。

平成17年の台風14号では、四万十川の具同観測所で過去2番目の水位を観測。
住宅街に水が押し寄せ、全半壊の住宅が38棟、床上や床下まで水につかった住宅が318棟にのぼるなど大きな被害がでました。
さらに、7年前の平成26年、台風11号では、四万十川の支流の中筋川流域なども広い範囲が水につかりました。

では、四万十川には、どのような特徴があるのか。
四万十川の下流を管理する中村河川国道事務所を訪ねました。

河川の管理に携わって40年のベテラン、岡林福好副所長です。
四万十川は曲がりくねりが多く「蛇行」しているのが特徴です。
下流が増水するまで時間が掛かりそうですが、岡林副所長は、決して油断してはいけないと指摘しています。

その他
中村河川国道事務所 岡林福好副所長

「蛇行はしているんですけど雨が降ると、砂州ができてますけどこういうのが全部なくなってしまいますので、洪水の時はショートカットしたような形で流れてきますので流速が早くなって上流からここまで来るのに時間が早くなる」。

増水するタイミングが早くなるだけではありません。
四万十市中心部にあり、四万十市の観光のシンボルの1つにもなっている赤鉄橋。
この周辺には、大きなリスクがあると、指摘しています。

鉄橋を通る道路があるため堤防のかさ上げが難しく、周囲の川の堤防よりおよそ1メートル低くなっています。

その他
中村河川国道事務所 岡林福好副所長

「まわりの堤防よりも、下がっているという状況になっています。
洪水が来た時に(橋)桁に水があたったりしてせきあげが起きて越流や越水する危険性もあります」。

四万十川の下流では、支流にも気を付ける必要があります。

その他
中村河川国道事務所 岡林福好副所長

「こちらを流れているのが中筋川になります、四万十川の1次支川になりますこの川については非常に河川勾配が低く水がはけにくい、川になっています」。

中筋川をはじめとする四万十川の下流域では、街の中に降った雨が川に排出できなくなる、内水氾濫に注意が必要だと指摘しています。

実際に、平成26年の大雨の時には、中筋川の流域が広範囲にわたって水につかる被害が出ました。
では、どこに気をつけていれば、こうした内水氾濫のおそれを察知できるのか。

岡林副所長は、中筋川の水門の状態に注意して欲しいと話しています。

その他
中村河川国道事務所 岡林福好副所長

「本川の水が逆流しだすので樋門を閉めるという操作をする。
閉めると当然内水が上がってきて内水氾濫の危険性もあがってくる。
そういう状況になりましたら内水の状況を把握していただいて、適切に避難していただきたい」。

こうした内水の水位などは国土交通省のホームページで確認することができます。
決して川を見に行くようなことはせず、ホームページの情報などを活用して、避難につなげてください。