分散避難「新型コロナと避難のポイント」 (2021年掲載)
- アナ
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きょうは、新型コロナウイルスの感染が懸念される中、どう避難するべきなのか、
「新型コロナと避難のポイント」についてです。
ことしも新型コロナの感染が終息しないまま、例年より早く雨の時期を迎えました。
まず、県内の避難所の感染対策はどうなっているのでしょうか。
- 記者
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去年からの感染拡大を受け、県内各地の自治体でもさまざまな取り組みが進んでいます。
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まず、避難所の感染症対策についてのマニュアルですが、すべての市町村で策定が完了。
その上で、対応の手順などを確認する訓練も多くの自治体で行われています。 -
また、感染対策に必要な物資の確保も自治体ごとに進められています。
体温計やマスクなどの衛生用品のほか、
ほかの避難者との接触を防ぐついたてや、
床に落ちた飛沫から距離をとるための段ボールベッドなどが確保されています。県も、購入に必要な費用の半分を補助する制度を設け、自治体の対策を後押しする考えです。
- アナ
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県内でも避難所でのコロナ対策の取り組みが進んできているということですね。
- 記者
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はい。避難とは、危険な場所から逃れることで、必ずしも避難所に行くということではありません。
新型コロナの感染拡大が続く中、推奨されているのが“分散避難”です。
災害時の避難行動に詳しい専門家は、次のように話しています。
- その他
- 高知県立大学 神原教授
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「そもそもコロナの前から避難所の生活環境は、難を逃れるという避難の仕方で一時的に数日間いるということでも、やはり生活しづらい環境ではある。プライバシーの確保とか治安のことはよく言われる。分散避難はそこは守れることになる。あらためて分散避難のあり方を問われている状況。私たちが避難すべきところはどこかを2つ3つ考えるのが必要」。
- アナ
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分散することで感染症のリスクも当然減るというわけですよね。
この分散避難の際には、どんな点に気をつければいいのでしょうか。
- 記者
分散避難の避難先としては、
▼親戚や友人の家、▼ホテルや旅館、▼一時的な車中泊、▼在宅避難などがあげられます。分散避難を行う場合にまず確認すべきことは、それぞれの場所に行くまでにどんなリスクがあるのか、事前に知っておくことがあげられます。
具体的には、ハザードマップを使って、浸水や土砂災害のリスクがないか、確認してください。
また、一時的な車中泊の場合は周りにトイレや水道があるかや、
外に出て体を動かせるスペースがあることも重要です。
車中泊の場合、周囲にほかにも避難者がいる場所だと防犯面でも安心だと、専門家は話しています。その上で、備蓄も欠かせません。
専門家は、3日から1週間過ごせる量を備蓄しておくよう呼びかけています。
水や食料は、同じものばかりそろえるのではなく、自分が食べたいものを少しずつ揃える方が、健康状態も保ちやすいとされています。
また、車中泊の場合は、ふとんなどの寝具も用意するなど、車の中での生活に何が必要かあらかじめ考えることが重要です。では、どのような基準で避難場所を選べばいいのか。
専門家は、避難先を考える際のポイントについて、次のように話しています。
- その他
- 高知県立大学 神原教授
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「まずは家族がちゃんと集まれる場所がいい。家族で考えたときに車の方がいいよねとか、知人の家なら避難させてもらえるのではないかとか、具体的に思いつく場所が大事。1回でも行ったことがある場所がいい。1回も行ったことがないと、災害の時でも開くかとか受け入れてもらえるかとか、避難先が同じように被災した場所だと行けることにはならない」。
- アナ
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家族で行ったことがある場所を選ぶことが望ましいということなんですね。
- 記者
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実際に危険が迫っているときに、全く知らない場所に避難するというのはなかなか難しいと思います。
水害から確実に命を守れるよう、これまで以上に、事前にできる備えを進めていただきたいと思います。