第17回(@四万十町立 興津小学校編)~2023年1月13日放送~
高知県西部の四万十町。
南海トラフ巨大地震では、大きく長い揺れのあと、
30メートルを超える津波が押し寄せると想定されています。
- みんな
- あっちゃん、まこと先生、よろしくお願いします。
- 竹添 桃さん
- 興津小学校6年の竹添桃です。
- 谷村 美虹さん
- 6年の谷村美虹です。
- 橋本 統さん
- 6年の橋本統です。
- 山﨑 楓さん
- 6年の山﨑楓です。
- 髙橋 紗羅さん
- 5年の髙橋紗羅です。
- 津野 梨々さん
- 5年の津野梨々です。
- 校長
坂本益英さん - 校長の坂本益英です。
- あっちゃん
- 想定は、30メートルを超える津波ということですが、 改めて、地震の揺れと津波の特徴について、 興津小学校がある地域は、どうなのでしょうか。
- まこと先生
- まず地震ですが、小学校は、
サラサラした海砂の上に建っています。
- まこと先生
- 浜堤という地形の上に建っている学校なので、揺れは岩盤のところに比べて1.5倍になりますので、震度7になるということになります。
- あっちゃん
- 津波は、どう入ってきますか?
- まこと先生
- 津波は、とにかく低いところを選んで入ってきますので、まず小室の浜の方から平行に入ってくるんですけど。
- まこと先生
- あとは、後川から入ってくるんですね。 そして、一部は、この浦分の方へも入ってくるという、 いくつも入ってくるルートはあるので・・・。
- 子どもたち
- いっぱい、入ってくる・・・。
- まこと先生
- 津波は、2つから来れば、その2つの足し算になるんですよ。
3つから来ると3つの足し算になります。
だから、とんでもない高さになることも知っておいていただきたい。
興津小学校・防災の取り組み
- あっちゃん
- 高い津波が来る海から興津小学校までは、わずか200メートルほど。
できるだけ早く、高いところに避難する必要があります。
- あっちゃん
- 津波から命を守るため、興津小学校は、向山避難広場を避難場所として確保しています。
学校からは歩いて10分ほどです。
- あっちゃん
- 山の斜面、標高30メートル地点にあって、さらに高い場所に上っていくことができる場所です。
- まこと先生
- 防災倉庫の中を見てください。
- あっちゃん
- 児童ひとりひとりの非常用持ち出し袋が、 あらかじめ備蓄してありますね。
- 子どもたち
- ほかにも備えがあります!
- あっちゃん
- どんな備え?
- 子どもたち
- 『5分間走』です。
- 校長先生
- タイヤを飛び越えたり、ブランコのところをジグザグに走ったり、ジャングルジムの上にタッチしたりということで、どんどん乗り越えていけるような力をつけています。
- あっちゃん
- 私も体験してみます。
- 校長先生
- タイヤなど、障害物を乗り越えたり、よけたりして走るのは、地震のあと、建物や電柱が倒れていることを想定しているんです。
- あっちゃん
- 結構いい運動になりますね。
まこと先生、こういうふうに障害物を乗り越えることを普段からやっているというのも面白いですね。
- まこと先生
- 体力ですよ。日ごろの蓄積が、命を結局長らえさせるので。
大人こそ、やっぱり学ばないといけないね。
- あっちゃん
- 大人も、やったほうがいい。先生は、やらない?
- 校長先生
- 先生は見守ります。
- あっちゃん
- 校長先生も、ぜひやってみてください。
- まこと先生
- やる必要がありますね・・・。
- あっちゃん
- みんなは、逃げ足を、毎朝走って鍛えています。
でも、命を確実に守るためには、『まだ、ほかにも、できることはあるはず』と考えています。
防災拠点施設へ Let’s go!
- あっちゃん
- 興津小学校は、すでに、非常用持ち出し袋を備えた避難場所がありますね。
- 校長先生
- でも、さらに、新たな避難場所がないか、探しています。
その候補の1つが、興津地区の防災拠点施設となっている場所です。
- まこと先生
- では、一緒に目指してみましょう。
- あっちゃん
- 標高は35メートル以上。歩いて20分ほどです。
- 子どもたち
- 学校を出発します!
- あっちゃん
- 早速、何かありますか?
- あっちゃん
- まこと先生、みんなから質問です。
- 子どもたち
- まこと先生、ここは、地盤が砂だけど、液状化しても、ほかの避難場所とかに、逃げられますか?
- まこと先生
- 逃げられます。
- まこと先生
- 人間の体重ぐらいはね、どんなに液状化しても支えられるんですよ。いい質問だな。すごい。
- まこと先生
- 液状化というと、みんな液体になるから、ズブズブと沈んでしまうと思っている人がいるんだけど、そんなことにはならないんです。
- まこと先生
- でも、車は、完全に重たいから刺さってしまうんだけど。
人は歩けるんです。いい質問だね。
- あっちゃん
- 新しく考えている避難場所に行くためには、この橋を渡らなければならないんですね。
- まこと先生
- そうですね。山には行けないですね。
- あっちゃん
- 後川にかかる橋のところで、次の質問があるようです。
- 子どもたち
- この橋は、落ちませんか?
- まこと先生
- 心配だね。
- まこと先生
- でも、橋げたが落ちないように、何かしているのがわかる?
- まこと先生
- 新しいセメントが見えるよね。
- 子どもたち
- はい。
- まこと先生
- これは、
落橋防止のための追加工事をしているんです。
橋は周りのところに比べて基礎をしっかり作ってあるので、 橋は落ちないんだけど、橋の両サイドが、地震の揺れで、ぐっと下がっちゃうんです。
- あっちゃん
- もう少し、詳しく見てみましょう。
- まこと先生
- 橋の両側は、土を盛り上げて道が作られています。
- まこと先生
- 地震が起きると、盛り上げた部分が崩れ、大きな段差ができてしまいます。
車は通れなくなる可能性が高いです。
- まこと先生
- 人は、段差ができても『よいしょ』と上がれるんだけど、車は、ここで大渋滞してしまいます。
逃げようとする人が、ここで止まってしまう。気をつけてね。
興津地区防災施設に到着
- あっちゃん
- 橋を越え、山道を上り切ると、興津地区の防災拠点施設に到着です。
- あっちゃん
- 普段は、高齢者向けのデイサービス施設と、保育園として使われています。
標高は35メートル以上です。
- まこと先生
- ここまで来れば、安心です。
- あっちゃん
- ここは、新たな避難場所になるのでしょうか?
まこと先生の評価は?
- まこと先生
- これは、かなり厳しいかなと思いましたね。
- まこと先生
- ここへ来る時に、津波が真っ先に入ってくる川を横切らないといけないというのがあって。
- まこと先生
- 不安要因、危険性のほうが高いですね。
やっぱり距離があれば、それだけ時間がかかるので。
- まこと先生
- 20分とか30分とか、
津波が来るまでに時間はあると思うんだけど、
途中の電柱が倒れたりブロック塀が倒れたりすると、やっぱり距離が長ければ長いほど、想定外の時間がかかってしまう。
- まこと先生
- ここは、津波が8時間で収まるので。
そのあと、こちらに来て寝泊まりをする、あるいは、こういう食料と水を使って生活が始まると思った方がいい。
- まこと先生
- まずは、命の山、向山避難広場へ逃げる。
- あっちゃん
- 今回、みんなは、どんなことを感じたのでしょうか。 代表して竹添桃さんに聞きました。
- 竹添 桃さん
- 私は、地震が起きると、液状化になる可能性があると知っていたけれど、道路を通って逃げられないと思っていました。
けれど、人の体重だったら支えられると知って、学校にいても家にいても諦めずに逃げ切りたいです。
- あっちゃん
- 防災学習に熱心な興津小学校のみんなに、まこと先生から宿題が出ました。
- まこと先生
- 特に、夜の訓練というのは、学校ができていません。でも、家にいる時間は1日の半分以上です。
- まこと先生
- 家で地震に遭あうことが、一番可能性としては高いので、そこで君たちは、真っ暗、停電した中で逃げなければいけないということを考えておかないといけません。きょう以上に大事なことは、家からの避難も家族と、ぜひやってほしいと思います。
- 子どもたち
- はい!