第14回(@宿毛市立 沖の島小中学校編)~2022年10月21日放送~
沖の島は、宿毛市の片島港から定期船で
およそ1時間。人口およそ140の離島です。
南海トラフ巨大地震では、大きく長い揺れのあと、
海岸線には、10メートルを超える津波が押し寄せると
想定されています。
沖の島小中学校があるのは、
海抜140メートル以上の高台です。
ですから、地震、津波が起きたときに学校にいれば、
安心です。
ところが、遊び場がある弘瀬地域は、
海がすぐ目の前です。
できるだけ早く高台に避難しなければなりません。
- みんな
- あっちゃん、まこと先生、よろしくお願いします。
- 増本瑚々花さん
- 沖の島中学校3年の増本瑚々花です。
- 増本奏太さん
- 沖の島小学校6年の増本奏太です。
- 増本帆花さん
- 同じく6年の増本帆花です。
- 増本旺史さん
- 4年の増本旺史です。
- 西川璃久人さん
- 4年の西川璃久人です。
- 西川千奈月さん
- 1年の西川千奈月です。
- 6年担任
濱口紅香さん - 6年担任の濱口紅香です。
- あっちゃん
- ここ沖の島の地震や津波の特徴はどうでしょうか?
- まこと先生
- この下、島の下
だいたい20キロぐらいのところに震源がありますので、岩盤のいいところで震度6強。
少しやわらかいところ、砂利のところは、震度7になる地域ですね。
- あっちゃん
- 津波はどうですか?
- まこと先生
- 津波が早く来るんですよね。
最短では、いまの計算だと、第1波は5分で港に来ます。
- まこと先生
- 沖の島は、
すぐ南側が1000メートルという深い海になっています。
津波は、海が深ければ深いほど、 地震のあと早く来るんです。
- まこと先生
- スピードがとにかく速いです。
海の深さが1000メートルですから、新幹線と同じぐらいのスピードで津波はやって来ます。
だから、ここまでは、ものすごく速く来るんです。
- まこと先生
- あっという間に港から海水があふれ始めるということが起きてしまうのが、 この沖の島の津波の特徴です。
- あっちゃん
- ということは、揺れが収まったら、即逃げる・・・。
- まこと先生
- そう、逃げる。山の方へ行くことを考えておいていただきたいと思います。
弘瀬老人憩の家へLet’s go!
- あっちゃん
- 目指すのは、この地域の避難場所になっているところ。
山側にある『弘瀬老人憩の家』です。
標高は40メートル以上で、港からは歩いておよそ5分の場所です。
- あっちゃん
- まこと先生。出発してすぐですが、4年生の西川璃久人さんから質問ですね。
- 西川璃久人さん
- まこと先生、ここの石垣は壊れやすいですか?
- まこと先生
- 石垣は、どうやって作るかというと、人が形を整えて面を出して向こう側へ突っ込んであるだけなんです。
- あっちゃん
- 沖の島は、平地がほとんどありません。
家々は、斜面にくっつくように建ち並んでいます。
- あっちゃん
- そこで、大事な役割を果たしているのが石垣です。
この地域では、斜面に土を盛って、石垣で固定して家を建てているところが多いんです。
- まこと先生
- 石垣は、とりあえず積み上げただけのものだから、基本的には崩れやすいです。
- まこと先生
- ただし、大事なことがあります。
昭和南海地震は、1946年、昭和21年に起こったんだけれど、そのとき、この島はほとんど崩れていないんですよ。
- まこと先生
- 当時は、雨が少なかったんです。
12月21日に起きたんですよ。乾燥していたんです。
だから、非常にしっかりと、この石垣が組まれていました。
- まこと先生
- ところが、雨が降っている夏場の時期のように、水があると、そこに圧力がかかって、石垣が動きやすくなる。
災害をひどくしてしまうんです。
その原因は、実は雨だということは知っておいてくださいね。
いい質問だね!
- あっちゃん
- 雨が多い時期は、地震の揺れで、石垣が崩れる危険性が高まります。
石垣のそばには近づかないようにして、安全を確保することが大事ですね。
弘瀬老人憩の家に到着!
- あっちゃん
- 石垣の横を抜けて、急な階段を上ると・・・。
- あっちゃん
- 標高40メートルを超える弘瀬老人憩の家に着きました。
- まこと先生
- いいところに来ましたね。
高さが40メートルあります。ここまでは津波は来ません。
もう1つの避難場所へLet’s go!
- あっちゃん
- 今度は、石垣が崩れて通れない場合を考えます。
- あっちゃん
- いったん港に戻ったみんなが、次に向かったのは、もう1つの避難場所です。
昔、この地域の学校だった場所で、標高は30メートル以上あります。
その場所も港からは、歩いて、およそ5分のところです。
- あっちゃん
- 海沿いの坂道。
ここを上って、むかしの学校に向かいます。
もう1つの避難場所です。
- あっちゃん
- まこと先生、ここ旧弘瀬小学校・中学校の校舎、ここも避難場所ですね。
高さは海から十分ありますけど・・・。
- まこと先生
- 高さはありますけれどもね・・・。
- まこと先生
- よく見ると、ベランダの下の鉄筋が、かなりボロボロになっていて、塩水が、ここまでしぶきが上がってくるので、錆びて、それで膨れるんですね。それで、コンクリートを破壊していくんですよ。だから、この出っ張りは少なくとも、もう地震のときに落ちているかもしれないね。
- あっちゃん
- そうすると、一時的に命を守る場所としては、いいですが・・・。
- まこと先生
- そう。いいですね。だから、ここにテントを建てたり、ブルーシートでみんな雨に濡れないようにするのは、すごく大事だよ。
- あっちゃん
- ただし、避難場所とするのならば、もうちょっと綺麗に・・・。
- まこと先生
- 整備を日ごろからしておくと、命をつなぐところがたくさんできる。
これがダメならこっちが使える。これがダメでもこっちが使える。
生き残る場所がたくさんできるよね。
- あっちゃん
- 命を確実に守るために、避難場所は、日ごろから、整備しておくようにしましょう。
ヘリサインを書いてみた!
- まこと先生
- みんなに提案があります。
- まこと先生
- 沖の島は『離島』です。
津波が収まったあと、島の状況を伝える方法は、限りがある恐れが高いです。どうしますか?
- 子どもたち
- 電話する。
- 船に伝える。
- 飛行機で。
- まこと先生
- 空に向かって伝える方法があります。
そう。上空のヘリコプターに確実に伝えるため、『ヘリサイン』を活用しましょう。
- まこと先生
- 高台に避難したあと、命をつなぐためには欠かせない方法なんです。
- あっちゃん
- まこと先生、どうしましょうか?
- まこと先生
- たぶん、ここで起こることは、地震で家が崩れて、下敷きになって、足を大ケガしている、骨折している人が複数発生していることが考えられます。
そのことを表現する『大ケガ2』と書いてみましょう。
- あっちゃん
- まこと先生、使うのは?
- まこと先生
- 石灰です。運動場に線を引くときに使うよね。
ポイントは、難しい漢字を使わないこと。
そして、少ない文字数で簡潔に伝えること。
文字の大きさは、1メートル四方に1文字にします。
- あっちゃん
- まこと先生、上から見てみると、はっきりと読むことができます。
やっぱり白は目立つんですね。
- まこと先生
- 目立ちますね。いいね、石灰は。
もし、石灰がないときは、新聞紙とか、白い模造紙とか、それを濡らしてね。風で飛ぶから、濡らして貼り付ければいい。
それでも飛ぶのだったら、石を乗せればいい。
白い石で書いてもいいよ。
- あっちゃん
- こういう離島だからこそ、大事ですね。
- まこと先生
- そう。万が一のときには、ヘリコプターしか来ないから。
情報は、ヘリに伝える。電話は通じないから。
- あっちゃん
- 離島だからこそ、ヘリにアピールするというのは、非常に大事なんですね。
みなさんも、参考に、ぜひ防災倉庫には石灰を入れておいたほうがいいですね。
- あっちゃん
- 今回、みんなは、どんなことを感じたのでしょうか。
代表して6年生の増本奏太さんに聞きました。
- 増本奏太さん
- 石垣が崩れる可能性が高いので、石垣から離れて自分の身を守りたいと思います。
またヘリコプターに助けを求めるために、広いところに、わかりやすく文字を書くことが大切だと知りました。
これからは自分の身を守るために、きょう教えてもらったことを生かしていきたいです。
- あっちゃん
- 最後に、まこと先生から、みんなとの約束です。
- まこと先生
- まず、地震でケガをしない。ケガさえしなければ、上がることができる、すぐ近くに高いところがありますから。
たくさんの避難路、避難ルートを使って、命をつないでいってほしいと思います。
それをしっかりやっていきましょう。これからも君たち、みなさんの力で、この地域を守ってください。お願いします!
- 子どもたち
- はい!