第13回(@土佐清水市立 下川口小学校編)~2022年8月26日放送~
土佐清水市は、海岸線が南海トラフに面しています。
南海トラフ巨大地震では、大きく長い揺れのあと、
30メートルを超える津波が、押し寄せるところもあると想定されています。
できるだけ早く高台に避難しなければなりません。
- あっちゃん
-
下川口小学校の皆さんです。
港に集まってもらいました。
この港の辺りは、よく遊ぶ場所だということです。
では、自己紹介をお願いします。
- 中山未悠さん
- 下川口小学校5年の中山未悠です。
- 濱田優衣さん
- 5年の濱田優衣です。
- 谷岡結衣さん
- 6年の谷岡結衣です。
- 公文歩さん
- 6年の公文歩です。
- 校長
永野美華子さん - 校長の永野美華子です。
- あっちゃん
- この地域の地震や津波の特徴はどうでしょうか?
- まこと先生
- 地震から始まります。
揺れは3分ぐらい続くだろうと言われます。
- まこと先生
-
地盤のいいところも多いですけれど、下川口小学校の周辺は、
埋め立て地なので、どうしても、揺れは震度7になってしまいます。
大体50センチから60センチという大きな横揺れが、上下動とともに 来てしまうということですね。
だから、そこでケガをしないということが、すごく大事です。
- こどもたち
- 津波は、どのように入ってくるんでしょうか?
- まこと先生
- この港に津波が来るときは、 まず浜の部分にある家々をなぎ倒しながら 入ってくるだろうと思います。
- まこと先生
- 過去の地震では、ここからおよそ3キロも津波がさかのぼっています。
だから、そういうことを考えて、きょうは逃げるところを探して、 そして、素早く、安全なところへ逃げてみたいと思います。
とにかく、1分1秒、1センチでも高いところに逃げてください。
春日神社へLet’s go!
- あっちゃん
- まずは港からいちばん近い高台、春日神社を 目指します。港からは歩いておよそ5分のところで、 標高は33メートル以上あります。
- あっちゃん
- 国道を渡って少し歩くと
神社の上り口です。
石段を上っている途中、 下川口小学校のみんな。
何かを見つけたようです?!
- あっちゃん
- 何かあった?
- こどもたち
- 黒いのが見えます。
- まこと先生
- これは岩盤が出ているね。頁岩。真っ黒い。 全部そう。この道は、岩盤を切って作っているね。
- あっちゃん
- けつがん?どんな漢字ですか?
- まこと先生
- ぺらぺらと剥がれるので、漢字では『頁=ページ』に岩です。 で、頁岩といいます。
- あっちゃん
- 地震のあと、ここは崩れていない?
- まこと先生
- 崩れていないです。全然。
- まこと先生
- 昔の人は、苦労して、ここを削って、
この石段を並べていったと思います。
ここも、いっぱい出ている。よく見つけたね。これ、頁岩ね。
- まこと先生
- 非常に地盤が安定した、いい神社ですね。
みんな、ここへ来れば助かったと思いますよ。昔の人も。
春日神社に到着
- あっちゃん
- 春日神社の境内に到着です。
- あっちゃん
- まこと先生、あそこの看板を見ると、33.3メートル。 これだけの高さまで来たら?
- まこと先生
- 大丈夫ですね。ここまで来たら、ばんざーい!
命があります。そして、8時間。
最低でも6時間から8時間、ここで津波の音が 鎮まるまで待ちましょう。
- あっちゃん
- 防災倉庫もあります。あの中には・・・
- まこと先生
- 食料、水、ライト、そしてブルーシートがあればいいね。
校長先生、あるかどうか確認してください。
特に、おじいちゃん、おばあちゃん。体が濡れたら、その日の夜に 低体温症で死んじゃうから。それはだめ。
絶対濡れたらだめ。雨が降っていても地震は来るからね。
- あっちゃん
- 社務所があって、中には、おみこしが入っていますけど。 こういった建物は利用できますか?
- まこと先生
- 残っていればね。建っていれば・・・。
- あっちゃん
- 地震で、この建物がどうなっているかは・・・。
- まこと先生
- 耐震性は、建物を見る限りは、ほとんどないと思いますので。
- まこと先生
- 建物は、倒れているかもしれないし、もし倒れていなくても、
余震が、そのあとずっと10分に1回ぐらい来ます。
建物の中にいることは、ほとんどできません。怖くて。 みんな、外へ飛び出します。地震のときは。 だから、ここを使うことは、まずできないと思います。
- あっちゃん
- 避難場所に建物があったとしても、強度を確認すること。
そして、防災倉庫に何を準備しておくべきか、事前に考えておかないといけないですね。
下川口天満宮へLet’s go!
- あっちゃん
- 次に考えるのは、子どもたちが学校にいるときに地震が発生した場合です。
- 校長
永野美華子さん - 海から学校までは、およそ500メートルです。
- まこと先生
- できるだけ早く高台に避難しないと危険です。
- あっちゃん
- その場合、学校が考えている避難場所は?
- 校長
永野美華子さん - 下川口天満宮です。
学校からは、歩いておよそ10分。
標高は23メートル以上で、さらに高いところに逃げることもできる場所です。
- あっちゃん
- さきほどの春日神社とは別の神社ですね。
- 校長
永野美華子さん - そうです。
- あっちゃん
- 学校の前の広い道を歩いて、神社へと向かいます。
- こどもたち
- 着きました。
- あっちゃん
- 神社の裏山、ここにも防災倉庫がありますね。
標高は23メートル以上です。
- まこと先生
- もっと高くも逃げられるし、ここまで上れば安心ですね。
- あっちゃん
-
防災倉庫の中には水があります。ちゃんと、こういう500ミリリットル。
7年保存と書いてありますね。
- まこと先生
- ブルーシートも準備されていますね。
- あっちゃん
- もうひとつ、箱がありますね?
- 校長
永野美華子さん - これは、下川口小学校が、いざという時のために用意しています。
- あっちゃん
- 中を見てみると・・・
ひとりひとりのこだわりが詰まった袋が入っています。
- あっちゃん
- 飴に、アニメの絵柄のうちわなども。
子どもたちが自分で選んだ7つのモノを入れているんですね。
- あっちゃん
- 手のひらサイズのぬいぐるみまで入っていますよ~。これは?
- こどもたち
- 自分が怖いと思ったとき安心できるように入れました。
- あっちゃん
- なるほど!安心するために。ぬいぐるみなんだね!
- まこと先生
- ずっと揺れが続くんですよね。3年ぐらい。
特に最初のひと月は10分に1回ぐらい、カタカタカタって揺れが来るので。
- まこと先生
- 最初に、やっぱり大きい揺れを思い出しちゃうから。
やっぱり、もう体が硬くなっちゃう。
それが、ずっと続くから、夜なかなか眠れないんだよね。
だから、こういうものを握りしめて、安心感が増すと、彼女は思っているんだと思います。だから、いいんじゃないかな。
- あっちゃん
- 今回、みんなは、どんなことを感じたのでしょうか。 代表して6年生の公文歩さんに聞きます。
- 公文歩さん
- 下川口の地形などを、まこと先生に教えていただき、よく分かりました。
改めて思ったのは、防災倉庫の中に心安らぐものを入れておいてよかったなと思いました。
- あっちゃん
- 最後に、まこと先生から、みんなとの約束です。
- まこと先生
- とにかく1分以上の揺れを感じたら、それが大きい小さい関係なく、ここには津波が来るんだということを理解しましょう。
すぐ高台に避難。
そして、崩れていないということをきょう学びましたね。
近くの神社、岩盤のしっかりした神社に、1センチでも高い方に上がっていくことを約束していただけますか?
- こどもたち
- はい!
- まこと先生
- 昔から、そうした場所を使って、この下川口の人たちは助かってきたんですよ。
だから、そこに神社を祀ってきたので、その意味もよく考えて、有効にその高台を使いましょう。