第10回(@黒潮町立 佐賀中学校編)~2022年6月3日放送~
土佐湾に面している黒潮町。
津波の第1波が佐賀地域に到達するのは、最短10分。
その後、津波の高さは、最大で15メートルを超えると言われています。できるだけ早く高台に避難しないといけません。
- あっちゃん
-
きょうは佐賀中学校のみなさんです。
ここは、みなさんがよく遊ぶ場所ということなんです。
では、自己紹介をお願いします。
- 黒潮町立
佐賀中学校の
みなさん - 佐賀中学校3年の小谷晃志です。
- 3年の門脇一華です。
- 2年の山本修平です。
- 2年の浜田晏蔵です。
- 教頭先生
- 教頭の宮川昭二です。
- あっちゃん
- この佐賀地域ですが、南海トラフ巨大地震のときの 地震や津波の特徴は?
- まこと先生
-
ここは最大震度7になるんです。
もともと海だったところを人間が埋め立ててきた結果、 作られた街なので、ここは、深さ20メートルにわたって軟弱地盤がありますので、揺れが、非常に大きく増幅されてしまうところになります。
そのあと津波は、徐々に、第1波、いったん引いて、また第2波。そして、第3波くらいが一番高くなって、街全体を飲み込んでしまうということがシミュレーションされています。
津波避難タワーへLet’s go!
- あっちゃん
- 浜町公園を出発して、一番近い高台、津波避難タワーまで、最短ルートで目指します。タワーの最上階までは、 歩いておよそ10分ですね。
- まこと先生
-
周りをよく観察して逃げることが大事です。
きょうは、改めて、そういう視点から、地震や津波が来る、 どこまで逃げるという、そのルート、逃げる道を、みんなで考えていけたらと思います。
- まこと先生
- ここで危険なもの、何があるかな?日ごろから考えているよね?
- 門脇一華さん
- ブロック塀です。
- まこと先生
- そうだよね。背の高さくらいのところがあるね。だから、倒れていると 思うよ。でも、これは倒れて行けないなとわかるでしょ。
- まこと先生
-
3つルート。最低でも。こっちがだめならこっち。こっちがだめならこっちという風に。
ここは、南側から津波が来るから。
基本的に、迂回するんだったら、山側、北側に 迂回する。そうすれば何十秒か、時間が稼げるでしょう。津波が来るまでに。
- あっちゃん
- 山側に迂回して津波避難タワーを目指しましょう。 少し遠回りになるけど、この道路なら、地震の後でも 十分安全が確保できそうな道幅がありますね。
津波避難タワーに到着!
- あっちゃん
-
津波避難タワーに到着しました。
そして、ここで加わって頂くのが・・・。
- 河内さん
- 河内香です。この地区の区長をしていまして、 普段タワーを管理しています。
- あっちゃん
- では、河内さんも一緒に、タワーの最上階、 海抜25メートルの地点を目指しましょう。
- 河内さん
- タワーの周辺は、お年寄りが多い地域なんです。
- あっちゃん
- 階段とは別に、なだらかなスロープがありますね。お年寄りも登りやすくなっていますね。
- まこと先生
- 到着!
- あっちゃん
-
最上階、海抜25メートルですね。
タワーには、雨風をしのげる居室部分があるんですね。
避難した人たち、1日分の、水や食料などの 備蓄もありますね。
- あっちゃん
- さらに、保温用のマットもありますね。
- まこと先生
- 避難したお年寄りの体の負担を軽くするのに役立ちますよ。
- 河内さん
- ここに立ってもらったらわかりますけれど、足の寒さが全然違う。
- あっちゃん
- まこと先生、どうですか?違いますか?
- まこと先生
- キャンプをしたことがあればわかると思うけれど、背中が冷えると人間眠れんよ。
- まこと先生
- あったかいですよ。
- まこと先生
- あっちゃんも寝てみて。
- あっちゃん
- 地べただと、やはり冷たいですよね。
- まこと先生
- だんだん冷えてくるんですよ。そうすると、眠れないんですよ。
- あっちゃん
- 次に、こっちに来ると、だいぶ楽ですね。
- まこと先生
- 体温が奪われにくい。
- あっちゃん
- これだったら、避難しても安心ですね。
津波は鹿島を越えてくる!
- あっちゃん
- タワーから海を眺めると、見えているあの島は、鹿島ですね。
- まこと先生
- 私が高知大学に来た40年前に、ここに来たときに、 『ここには津波は来ん』と話すおばあちゃんがいらっしゃって、 それは、鹿島様が昭和の南海地震の時に、 この街を守ってくれたんだと言われたことがありましたよ。
- 河内さん
-
うちのおじは80なんぼかな。
南海地震のとき、山の上から見ていたら、『鹿島さんで、津波がきれいに2つに割れて、こっちに、大した被害がなかった』という話は聞いています。
- あっちゃん
- 南海トラフ巨大地震の後の津波だと、あの鹿島を越えて津波はやってくる?
- まこと先生
- 10メートルの津波の高さで入ってくるわけですから、あの島1つ、あるいは防波堤、波消しブロックくらいでは、ほとんど効果がないです。だから、最悪の想定をしないと僕らは命がないということです。
もう1つの避難場所へLet’s go!
- あっちゃん
-
学校では、もう1つ避難場所を考えています。
それは、佐賀中学校の裏にある、大和田山避難広場です。
そこへ向かう避難路も検証しましょう。
- あっちゃん
-
かなり階段が急です。
それが、海抜24メートルの地点まで続いています。
この傾斜を一気に登るのは、かなり大変ですね。
- まこと先生
- 足がガクガクしている・・・。
- あっちゃん
- まこと先生、これ、楽に登ることができるんですよね?
- まこと先生
-
ちょっとやってみましょうか。人間もともと、手と言っているけれど、足なんだよね。これを使う、4つ。
そうすると、体重が4か所に分散されるでしょ?
- あっちゃん
- あんまり、かっこよくはないかもしれないけど・・・。
- まこと先生
- 全然かっこよくないけど、楽だよ。
- まこと先生
- どう?
- 中学生
- すごい楽でした。
- 教頭先生
-
前の方に、手に分散されるということで、足への負担がすごく減りますね。わかります。
高齢になればなるほど、そうだと思います。
- まこと先生
-
今度、地域の訓練のときに、君たちがやって見せて、お年寄りにもやってもらったらどうかな。
避難をあきらめる人が少しでも減るように、君たちからアドバイスしてください。
防災倉庫に到着
- あっちゃん
-
海抜24メートルのところにある避難場所に到着しました。
でも、佐賀中学校では、津波から逃げて、 ここでいったん過ごしたあと、さらに山を越えて、 別の避難所に移動する計画も 立てているんそうなんです。
- まこと先生
-
この地域は、基本的には、津波に襲われたあと、
なかなか下には降りられなくなってしまうんだけれど。
そのときに君たちは、これからどこに行く?
- 中学生
- 伊与喜小学校。
- まこと先生
- 伊与喜小学校に行くのね。 この山の向こう側ですよね。
- 中学生
- はい。
- あっちゃん
- もう1つの避難場所の伊与喜小学校までは、歩いて、およそ2時間かかります。でも、年に1回、訓練をして備えているそうです。
- あっちゃん
- まこと先生、津波の後は、街は津波に飲まれてしまうので・・・。
- まこと先生
-
戻れないと思います。でも、そういう訓練をしているんだからね。すでにもう。だから家に戻るとか学校に戻るということはもうできない。
今は、ここは一時避難場所。避難所は伊与喜小学校ということですね。
- あっちゃん
- そこまで備えてやっていれば、心配ないでしょうか?
- まこと先生
- 命を守って、まず一晩守って、 次、命をつなぐところまで行くということ。すばらしいです。
- あっちゃん
- 今回、どんなことを感じたか、代表で小谷さんに聞きました。
- 小谷さん
- 町を詳しく見て、細い道にあるブロック塀など、いろいろ身の回りに危険があることがわかりました。
- あっちゃん
- 最後に、まこと先生からの約束です。
- まこと先生
- 1人でも多くの命のために、 ぜひこれからも今の学習と訓練と、 そして、地域の命を守るための活動を 続けていってほしいと思います。