第7回(@安芸市立土居小学校編)~2021年11月5日放送~
土佐湾に面した安芸市。
南海トラフ巨大地震が起きると、海岸線では15メートルを超える津波が想定されています。
津波は安芸川をさかのぼり、内陸深くまで襲うおそれがあります。
土居小学校は河口からおよそ2キロのところにあります。
学校は大丈夫でしょうか?
- あっちゃん
-
6年生の小松愛佳(こまつ・まなか)さん、
6年生の小松慶悟(こまつ・けいご)さん、
5年生の川竹美桜(かわたけ・みお)さん、
5年生の川谷恵澄(かわたに・えすみ)さん、
5年生の川谷美渡(かわたに・みと)さん、
5年生の三宮悠聖(さんのみや・ゆうせい)さん、
そして、5年生の担任を務める大西正浩(おおにし・まさひろ)先生です。
- あっちゃん
- この辺りは、南海トラフ巨大地震が起きると、どんな揺れで、どんな津波が来ると予想されますか?
- まこと先生
- 南海地震は普通の地震と何が違うかというと、すごく揺れが長いんです。1分半から3分くらい揺れるんです。
- まこと先生
-
長い揺れですから、この地震は必ず津波が来るというのがわかりますから、小学校は、海岸からちょうど2キロのところにあるんですね。でもね、10年前の東日本大震災では、大川小学校は、海岸から4キロも離れていたの。
でも、平野を通ってきた津波と、川をさかのぼった津波が、ダブルで学校を襲いました。ここも、そういう位置にあるので、そのことを考えておきましょう。
最悪の想定をすることが、防災の第1歩です。
安芸城跡へLet’s go!
- あっちゃん
-
向かうのは、学校が避難場所に考えている安芸城跡です。
鎌倉時代に築かれたとされる山城の跡で、標高は41メートル、歩いておよそ10分のところにあります。
- あっちゃん
- 細い路地で、何かを見つけたみたいですね。
- 児童たち
- 塀が両方にあります。
- あっちゃん
- まこと先生、両方に塀がありますね。
- まこと先生
- 圧迫感があるね。普通に歩いていても。 地震の時には、これが倒れている可能性があるんだけど、 その時、ここを通れなかったら、どうする?
- 児童たち
- 上を通って行かないとダメになる。
- まこと先生
-
おお、それでいい。上でもいいです。
でも、もう1つ、安全な方法があります。
この向こう側を通るんです。
- 児童たち
- この畑の間を通っていく?
- まこと先生
-
そう、その通り。この畑の中を横切って向こうに行きます。あきらめることはないよ。
道を通らなければいけないということはないから。
緊急の場合はね。畑の中を横切って、あのヒガンバナが咲いていたところを通って、そっちに出てくればいいから。
- あっちゃん
- 普段の訓練では、この道を使っているけど、 いざ本当の地震になった時には?
- まこと先生
- ここは、使えない可能性が高いです。 でも、じっと待つのではなくて、津波が来るから、待っていてはダメで、 畑の中を走りましょう。
- あっちゃん
- そういう時は、ほかの人の家の畑でも関係ないですか?
- まこと先生
- 関係ありません。怒られません。
- あっちゃん
-
でも、普段はやめようね。
津波が迫ってきている時は、いかに早く高台にたどり着けるかが最優先です。
事前にルートを考えておきましょう。
森は教えてくれる!?
- あっちゃん
-
高台への登り口に到着しました。
避難場所までは、あと少しです。
- まこと先生
-
ここで、街の方を見てみようよ。
避難場所を考えるのなら、自然をよく観察することが重要ですよ。向こう側の景色と、この辺りの景色、何が違うと思う?
- 児童たち
- 家の数。そして、(農業用)ハウスの数。
- まこと先生
- 自然、平野とか、山とかということと、もう1つ大きな違いがあるけど、向こう側になくて、こちら側にたくさんあるものは?
- 児童たち
- 木。
- まこと先生
-
そう。こんなに大きな森になっているよね。
ここには、だから、つまり・・・津波は?
- 児童たち
- 来ない!
- まこと先生
-
そう、来ていない。何百年も、ここは来ていない。
ということは、木が教えてくれているし、ここは、山崩れがないということもこの木が教えてくれています。
- 児童たち
- 安心安全。
- あっちゃん
- 木があることで教えてくれているというのは、どういうことですか?
- まこと先生
- 木が大きくなるまでの300年間は、少なくとも塩水の津波が来ていないことを木が教えてくれているということです。
- あっちゃん
- それを象徴するのが、このアラカシの木ですね?
- まこと先生
-
そう。ゆっくり成長する硬い木だから、この大きさだと、樹齢300年は超えていると思います。
ここが大きく崩れたことも液状化を起こしたこともないというのは、この木がちゃんと立ってるわけだから、そんなことは起きていないね。
- あっちゃん
- 自然は、私たちに、生き延びるためのヒントを教えてくれているんですね。
避難場所に到着
- あっちゃん
-
到着しました。
標高41メートルにある史跡、安芸城跡。
高さは十分で、全校児童163人が避難できる広さもありますが、課題もあります。
防災倉庫はありません。このままで雨風はしのげるでしょうか?
- まこと先生
- ここに、防災倉庫があれば、一番いいですけどね。 どこに置いてもらう?
- 児童たち
- ふもと!
- まこと先生
- ふもとには何があった?
- 児童たち
- 博物館!
- まこと先生
-
そう。安芸市歴史民俗資料館があったし、書道美術館もあるよね。
そこに先生たちと、みんなでお願いをしてブルーシートを置かしてもらったらどうだろう。そして、先生たちは、それを持って上がってくる。
雨の時はね。雨の時逃げないというわけにはいかないからね。
- あっちゃん
- ふもとの資料館などに置いてもらうことを検討したほうが・・・?
- まこと先生
- これから、みんなで検討したらどうでしょうか?
- あっちゃん
-
小学校では、今後、安芸市と、物資の置き場所を検討したいとしています。
津波から命を守るために、避難に加えて、避難した後のことも考えないといけませんね。
みんなの感想は?
- あっちゃん
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今回、みんなは、どんなことを感じたでしょうか?
代表して2人に聞きました。
- 小松
慶悟
さん - ここが大きい木があり、ここには津波が来ていないということで、 安全だということがわかりました。
- 三宮
悠聖さん - 津波が来た時に危ないところも、安全なところもあって、そこで、僕が、その危ない道を行く人に声をかけて、多くの人を助けたいと思います。
まこと先生とみんなの約束!
- あっちゃん
- 最後に、まこと先生から、みんなとの約束です。
- まこと先生
-
幸い、この地区は、近くに高いところがあって、これが、みなさんの歴史遺産として持っている最大のメリットなので、そこへ逃げれば、まず大丈夫だということ。
そこで8時間は過ごさなきゃいけないということを、これから考えていただいて、それから雨が降ったらどうすればいいかということを、さらに、考えていっていただければと思います。