第5回(@高知市立 浦戸小学校編)~2021年9月17日放送~
土佐湾に面した高知市。
南海トラフ巨大地震が起きると、大きく長い揺れのあと、15メートルを超える津波が海岸線に押し寄せると想定されています。
海から小学校までは、わずか200メートル。
できるだけ早く、高台に避難する必要があります。
一緒に考えてくれた浦戸小学校のみなさん
- あっちゃん
- 4年生の山本彩葉(やまもと・いろは)さん。楠瀨日麻(くすのせ・ひまり)さん、八百川笑花(やおがわ・えみか)さん。そして、担任の柳本幸二郎(やなぎもと・こうじろう)先生です。
- 子どもたち
- 津波までに、地域のみなさんが逃げられるためには、どうしたらいいですか?
- まこと先生
- 3分くらいから5分くらい、揺れが続いてしまうんだけど、まずは、その揺れで家がつぶれないこと。そして、ケガをしないで外へ出ること。シーンと揺れが止まったら、津波が来ることになっているので、1センチでも高いところへ逃げましょう。
避難場所へ Let’s go!
- あっちゃん
- 訓練の避難場所になっている標高20メートル以上の高台に最短ルートで向かいます。ゆっくり歩いても5分以内でたどり着ける場所です。
- 子どもたち
- 壁の穴が気になります。
- あっちゃん
- よく見るよね?
- まこと先生
- どうしてだと思う?
- 子どもたち
- たまらないため。
- まこと先生
- その通り。山に水がたまらないように、雨がやんでも、ここから水が出るの。出ないと、山の水位が、どんどんどんどん上がっていくの。すると、山側から押す力がすごく大きくなるの。この壁は、擁壁というんだけど、壁を押し倒す力に変わっていくんです。それを防ぐために、山にたまった水をここから出してるんです。だから、こういう穴を見ても、中に石を詰めてはいけません。
ケガ人を○○車で運ぶ!?
- あっちゃん
-
避難場所への登り口です。
一気に駆け上がれる階段と、少し回り道ですが、コンクリートで整備された道の2つがあります。
- まこと先生
- 足をくじいたり、ケガをしたりして、歩けなくなった人がいた場合、1つ考えられることがあるんだけど、チャレンジしてみましょうか。
- あっちゃん
- 八百川さんが足をくじいたという想定で、やってみましょう。
- まこと先生
- それは、一輪車を使うという方法です。ロープを車輪の近くに、くくりつけます。これで、3人で楽に一輪車を動かすことができるんです。
- あっちゃん
- 一輪車だと、多少の悪路でも行けますか?
- まこと先生
- いろいろなものが落ちていても、車輪が少なければ少ないほどいいんです。この斜面も上がれますよ。
- まこと先生
-
柳本先生、一輪車の前に行ってサポートしてください。
先生がロープの片方を持って、山本さんと、楠瀨さんが、もう片方を持って。斜面が急なので気をつけてください。
- あっちゃん
-
到着しましたが、はぁはぁ言っています。
引っ張ってみて、どうでしたか?
- 子どもたち
- なんだか、試練みたいでした。疲れました。
- あっちゃん
- まずは自分たちのことを考えてですね?
- まこと先生
- そう。余裕があれば。この方法だと、助けられるから。
試練の先に また試練!?
- まこと先生
- ここ、見てごらん。
- まこと先生
-
膨らんでいるよね。押されているのがわかります。
桜の木の根が、多分内側から押しているんだよ。
石垣の膨らみ。これが崩れると、逃げるのに、ちょっと時間 がかかるよね。
避難場所に到着!
- あっちゃん
- 標高20メートルを超える避難場所に到着しました。全校児童42人が避難しても十分な広さです。児童の命を確実に守るため、小学校では、さらなる備えもあるんですよね?
- 柳本先生
-
がけ崩れで道が通れなかった場合に備えて、別の道を用意しました。
昨年度(2020年度)この子どもたちが、地域の方に呼びかけて一緒に整備した道です。
- まこと先生
- そちらの道も見せてください。
- あっちゃん
-
浦戸小学校のみんなは、熱心に防災を学んできました。
去年(2020年)、自分たちの手で新たな避難路を作る計画を立てました。そして、ことし(2021年)1月には、児童と地域のみんなで、新しい避難ルートを整備しました。果たして安全な道なのでしょうか?
新たな避難路を検証!
- あっちゃん
- もう1つの避難ルートは、学校の校門の前から校庭に沿って歩きます。歩きやすいような工夫もあります。雑草が生えにくくなるようマットが敷かれていたり、木の根を切ったりして、みんなで整備した避難路です。
- まこと先生
-
地域の方の力もあって、大きな木の根もカットされているし、いい道だと思います。安全だと思います。
避難する道として、十分に使えます。
みんなの感想は?
- あっちゃん
- どんなことを感じたか、教えてください。
- 山本彩葉さん
-
壁の穴が気になりました。理由は意外なところです。
土砂崩れにならないような工夫がされていたから、びっくりしました。
- 楠瀨日麻さん
-
私は一輪車にびっくりしました。
理由は、一輪車でも人は運べて、すごい便利に使えて、もし地震が来た時、近くに一輪車があったら、それで人を助けたいです。
- 八百川笑花さん
-
私が一番気になったのは、石垣の膨らみです。
膨らんでいるところは、その石が真っ先に落ちると思うので、その石には気をつけたいと思いました。
まこと先生とみんなの約束!
- まこと先生
-
本当にいいところで、近くに高い津波から避難できるところがあるということが、すごいメリット、大きな利点ですね。
それから、たくさんの避難ルートが、もう整備されていると。
まず、3分間の大揺れが止まったら、しっかり周りを見て、そのときの一番最適なルートを選ぶようにしてください。
海に近いから危ないのではなくて、海に近くても、ちゃんと避難することができれば、命はなくならない。
それが素晴らしい学校だと思いました。