第4回(@四万十市立 竹島小学校編)~2021年7月16日放送~
土佐湾に面した四万十市。
南海トラフ巨大地震が起きると、海岸線では、
20メートルを超える津波が想定されています。
津波は四万十川や、支流の竹島川をさかのぼり、
内陸深くまで襲ってくるおそれがあります。
一緒に考えてくれた竹島(たけしま)小学校のみなさん
- あっちゃん
-
6年生の畑田航希(はただ・こうき)さん、沖周生(おき・しゅうせい)さん、
西内尊(にしうち・たける)さん、濱田大輝(はまだ・だいき)さん、
宮﨑蒼空(みやざき・そら)さん、宮村友里(みやむら・ゆうり)さん、
松村美裕(まつむら・みゆ)さん、そして、教頭の門田なぎさ(かどた・なぎさ)先生です。
- 濱田大輝さん
- 学校は、河口からおよそ4キロ、竹島川沿いにありますが、学校に津波は来ますか?
- まこと先生
-
もしも10年前の東日本大震災と同じ規模の地震が来たら、この近くでは、津波の高さは、12メートルくらいまで高くなります。
実は、竹島小学校と、北上川のほとりにあった大川小学校はほとんど同じところにあるということなんです。
- あっちゃん
-
10年前の東日本大震災で被災した宮城県石巻市の大川小学校。
河口から、距離にしておよそ4キロのところに学校がありました。
津波の犠牲になったのは、 児童と教職員合わせて84人にのぼりました。
- あっちゃん
-
目指すのは、学校が避難場所として考えているところです。
地元で「山の神」と呼ばれる、 高台にある神社を目指します。
標高は40メートル以上、歩いておよそ10分です。
山の神へ Let’s go!
- 児童たち
- 橋が気になります。
- まこと先生
- いいところに気がつきました。
橋の手前は下がってしまいます。
だから、橋と道路の境目に段差ができるんです。
階段みたいになっちゃうんです。
- 児童たち
- 段差は、どれくらい?
- まこと先生
- 境目にできる段差は、最大50センチ程度です。
子どもでも十分越えられます。だから歩きましょう。
〇〇には要注意!!
- 児童たち
- 農業用のため池から、 水がここまで来たりしますか?
- まこと先生
-
来るかもしれないね。土手は、土を盛り上げただけなので、
地震には非常に弱いんですよ。
地震があると、土手にひび割れができて、そこから水がどんどんどんどん抜けてきます。
もし水が流れてきていたら、ここは危険です。いい質問ですね。
- あっちゃん
-
ため池が決壊し、大量の水が流れ出るおそれがあるんですね。
その場合は、別の避難場所を目指さないといけないですね。
山の神の地盤はマジで神!?
- あっちゃん
- ため池が大丈夫だった場合、山の神に向かいます。
まこと先生が何かに気づいたようですが、どうかしましたか?
- まこと先生
- なーんだ、これ? 出ているの、なーんだ?
- 児童たち
- 石ですか?
- まこと先生
-
四万十帯の砂岩です。
深海でたまった砂岩がここに出ています。
非常にしっかりした岩盤です。
だから、この山が全部崩れるということは、まずありません。
- 児童たち
- じゃあ、ここは海だったんですか?
- まこと先生
- そう。それも4000メートルくらいの深い海でたまった石です。
およそ1億年前の石です。
- あっちゃん
- 深い海の底から、何十万年もの時をかけて 姿を現した岩盤は、 地震に耐えられる硬さがあります。安心して山の神へ向かいましょう!
山の神に到着!
- あっちゃん
- 到着しました。ここ山の神は、標高40メートル以上ですから、 ここまで来れば、ひと安心です。
- まこと先生
- でも、別の心配がありますね。
- 門田先生
- 建物もないですし、とりあえず避難する場所ということで 今は来ています。
- まこと先生
-
雨が降っているかもしれないですし、冬は風があって雪がちらついてるかもしれないですし。いろいろなことを想定しておかなければいけません。
特に、雨が降ることは高知にはつきものですから、 何も雨具がないのに、ここで一晩過ごすということは 考えにくいですね。
- あっちゃん
- 南海トラフ巨大地震が起きると、 津波が収まるまで、少なくとも8時間以上は 避難場所にとどまらないといけません。最低でも、 防災倉庫か何か、あった方がいいですよね?
- まこと先生
-
最低でも防災倉庫は用意していただいて、
例えば、四万十市の教育委員会などから、
ブルーシートを入れてもらえれば、そのシートを被って、
津波が収まるまで待つことができます。
100年間で、一晩だけでいいんです。できるよね?
- 児童たち
- でも・・・野宿は嫌です。虫嫌いやし・・・。
- あっちゃん
- 学校の保護者のみなさんや、地域のみなさんで、 整備する必要はあるかもしれないですね。
環境センターへ Let’s go!
- あっちゃん
- 次に考えるのは、 ため池が決壊していた場合の避難先です。
- 門田先生
-
想定しているのは、地域の資源ゴミを収集する
「幡多中央環境センター」です。
小学校からは歩いて10分以内ですし、竹島川を渡らずに 避難することができます。
標高も20メートル以上あります。
- まこと先生
-
防災倉庫はあるんですが、ちょっと広さがもうひとつですね。
50人くらいは・・・いや、無理ですね。
- 門田先生
-
竹島小学校は、児童と教職員あわせて71人です。
全員が避難するのは難しい広さですね。
- まこと先生
- 今後、幡多中央環境センターの 建物の中に避難させてもらうことも 検討してはいかがでしょうか。
みんなの感想は?
- あっちゃん
- どんなことを感じたのでしょうか。
ため池の危険に気づいた濱田さん、橋の危険に気づいた畑田さん、 教えてください。
- 濱田大輝さん
- 山の神には、丈夫な岩盤があるので、特にあそこは、 海抜は42メートルあるので、とても安心だとわかりました。
- 畑田航希さん
- 行く道が安全であれば、あそこ(山の神)を選択して 避難するようにしたいです。
まこと先生とみんなの約束!
- まこと先生
-
きょうはたまたま雨が降らなかったけど、雨が降っていても嵐でも
地震は来ます。南海トラフ巨大地震は来ます。今のままだとあそこ(山の神)にいて、
一晩待つのは無理だよね。
このことも、きょうはみなさんが気づいたので、そのことを ぜひ先生たちと一緒に、一晩はあそこで過ごすんだということを これから改善していってほしいと思います。