第5回(@四万十市立 八束小学校編)~2023年10月20日放送~
県西南部に位置する四万十市。
南海トラフ巨大地震では、海岸線には、想定で、15メートルを超える津波が押し寄せます。
学校の東側には清流「四万十川」が流れていて、周辺では25分から30分で津波の第1波が到達。
津波による浸水は、10メートル~15メートルと想定されています。
- みんな
- かずくん、まこと先生、こんにちは。
- 刈谷奏音さん
- 6年生、刈谷奏音です。
- 中野寧花さん
- 中野寧花です。
- 山本天海さん
- 山本天海です。
- 山﨑心結さん
- 山﨑心結です。
- 担任 武政愛さん
- 6年生担任の、武政愛です。
- まこと先生
- 立っているところの地面海抜の高さは分かっています。知っていますか?
- 子どもたち
- 3.8メートル!
- まこと先生
- おー!すごい知っている!まさに3.8メートルですね。
ただ地震が起こると地殻変動といって、四国全体の地盤が上がったり下がったりするので。
ここは2メートルぐらい下がるから、地震の後は1.8メートルになっている。
もっと海面に近くなっている。
- かずくん
- 八束小学校周辺での地震・津波の被害想定は?
- まこと先生
- いま考えられている津波の高さは最大で15メートルくらいの高さ。
堤防の高さが10メートル~12メートルくらいしかありませんので、ここには堤防を越えて津波が入ってくる可能性があるということを考えなければいけないことになります。
- かずくん
- 震度だと、どれくらいになりますか?
- まこと先生
- ここは震度7ですね。
真下に震源があるのと、プレートが南から沈みこんできて割と近いんですよ。
その沈みこんでいるプレートとの距離が17キロくらいしかありませんので、神戸(阪神・淡路大震災)と同じような揺れが3分程度続くということを覚悟しておかなければならない。
“お堂”へ Let’s go!
- かずくん
- “お堂”・“大橋”と2か所ある津波避難場所のうち、まずは学校からいちばん近いお堂に向かいます。
お堂は、歩いておよそ10分、坂を登った先です。
この校門を出てこっちに曲がっていくわけですが、みんなこのあたりで気になるところない?
- 子どもたち
- 電柱。
- まこと先生
- 電線が電柱をみんな引っ張っているでしょ?
だから電柱って1つ倒れてしまうと、みんな同じ方向に倒れていくんですよ。
そうするとね、多分この道はもう使えなくなっているかもしれない。
そのときはまた向こう使うか、堤防上の道を使うか、いろいろできますからね。
よーく周りを観察するというのは大事です。
- かずくん
- 地震発生後は電柱が倒れている可能性も。
可能なかぎり障害物を避けるため、昇降口を出てすぐの道を行きましょう。
住宅街を進むと、1軒だけある特徴が・・・?
- まこと先生
- みんなここ見てほしいんだけど、道路が広いから、「壁が崩れ」ても「石垣が崩れ」ても、道の真ん中は通れるかもしれない。
でも、できればこういう軽いフェンス、アルミのフェンスにしていただくと、地震で全く倒壊しません。軽いからぜんぶ揺れについてくるわけ。
だから究極の耐震性を持っているフェンス。
こうしていただくと道路が確保できる。
- かずくん
- さらに進むこと3分、「お堂」の入り口が見えてきました。
- まこと先生
- 周りの人のこともよく考えて。
おじいちゃんおばあちゃんも逃げて来ると思うので一緒に逃げてほしい。いいですか?
- かずくん
- あ!色だ。
- まこと先生
- 砂岩が、しっかりと出ているの。
そこを人間が切っている、削っているわけ。
良い地盤だということが分かる。
“お堂”に到着!
- かずくん
- 八束小学校からお堂に避難してきました。
ここで海抜22.6メートル。避難場所としてはどうでしょう?
- まこと先生
- まず一時の避難場所としてはすごく良いと思う。
ちょうど四万十川の河口が見えているよね?
だいたいどのくらいで津波が引いてしまうか。何時間くらい?
- 子どもたち
- 2時間?
- まこと先生
- 2時間はダメ。
だいたいね、世界中どこでも共通なんだけど、津波が陸上を上がってくる、川を上がってくると、時速38キロぐらい。ゆっくり入ってくる。
8時間くらいで世界の津波はおさまります。
- かずくん
- 避難後に過ごす時間を理解したところで、防災倉庫を確認してみよう。
- まこと先生
- (東日本大震災では、)特に寒かったからね。
夜は4℃とか0℃近かったから、やっぱり全ての暖房がなくなっていくわけですよ。
- まこと先生
- そのときに重要な役割を果たすのが、ブルーシート。被ると暖かい。
それから雨を防ぐことができる。
- まこと先生
- 当時、東北では雪が降っていました。
寒かったので、みんなブルーシートを被って、みんな体温を奪われないように抱き合って一晩過ごしたんだよ。
“大橋”・津波避難場所へ Let’s go!
- かずくん
- お堂から歩いて5分。大橋へ。
山道を進んでいきます。
まこと先生、これ大橋への避難の山道ですけど地盤とか…。
- まこと先生
- これ斜面崩れているな。
もう木が斜めになっているでしょ?
地震じゃなくて大雨でも崩れていると思うよ。
ここの道は使えない、無理。
だったらこの斜面上ろうよ。
崩れた後に木を使って上ろう。
“大橋”に到着!
- かずくん
- さらに山道を進むこと3分。
大橋に到着です。
先ほどのお堂から大橋に避難してきました。
まこと先生、高さとしては38メートルくらい。
- まこと先生
- 40メートル弱です。
世界で最大級の津波でも平地は30メートルを超えることはほとんどないので、ここまで来たらまず命があったということで、ここでしばらく過ごすことになります。
大事なことは、ここまで津波が来ないと思って、東北で逃げなかった人がどんどん死んでいったの。
そのことは非常に大きな教訓ですね。
- かずくん
- 八束小学校からの避難では、津波避難場所が“お堂” “大橋”の2か所あって、おなじ経路の中に位置。
どっちを選ぶべき?
- まこと先生
- やっぱり人間の心理としては少しでも近くの高いところに上がりたいという気持ちが働くのではないかと思う。
近くに残っているのであれば、そこを使うというのが大原則ですね。
でも万が一、お堂の登り口が崩れていて全くないという場合は、次こちらの2番目の命の道が待っているわけですよ。
だからいま2つもっているわけ。
助かるルートを。
これ大切なことですね。
参加したみんなの感想は・・・。
- 子どもたち
- きょうは、ブルーシートを被って1日過ごすということが分かったし、逃げ道も崩れるということが分かったので、これを下級生に伝えていきたいなと思いました。
まこと先生とみんなの約束!
- まこと先生
- どういうときに逃げなきゃいけないのかということなんだけど、警報を待つ、誰かの助言を待つ。これはダメです。
そういうときもたぶん電気がないので伝わってこないと思います。
まず1分以上の強い揺れが襲ったら、海溝型地震なので、まず津波が来る。
そこからもうスタートになります。
揺れがおさまったら、すぐ、きょうの避難訓練を思い出して安全な高台へ逃げていきましょう!
- かずくん
- みなさん、自信を持って逃げられますか?
- 子どもたち
- はい!逃げ足ジシンあり!