第1回(@南国市立 大湊小学校編)~2023年6月2日放送~
高知県中部の南国市。 県内で2番目に人口が多い市です。 南海トラフ巨大地震が起きると、 大きく長い揺れのあと、 10メートルを超える津波が、海岸線に押し寄せると 想定されています。
- みんな
- かずくん、まこと先生、よろしくお願いします。
- 島村一新さん
- 大湊小学校6年の島村一新です。
- 髙木美詞さん
- 6年の髙木美詞です。
- 濱田夏樹さん
- 6年の濱田夏樹です。
- 高橋奈美さん
- 6年の高橋奈美です。
- 吉本欣彦 校長
- 校長の吉本欣彦です。
- かずくん
- この地域は、海から学校までの距離は、およそ1キロです。 地震の被害と津波の想定は、どうなのでしょうか。
- まこと先生
- 地震だけだったら、この学校はすごく丈夫なので、 学校の中にいるのが、いちばん安全なんだけど、 実はここ、津波が来るんですよね。
- まこと先生
- 津波に対して、いちばん大事な数字。 ここは、海面から、何メートルの高さですか?
- 子どもたち
- わかりません。
- まこと先生
- まず、小学校周辺の津波による浸水は、最大およそ10メートルと想定されています。
- まこと先生
- そして、ここ大湊小学校はというと、グラウンドが、海面から4.4メートルの高さです。
しかも、地震が起こると、最大2メートル下がってしまいます。
- まこと先生
- 地殻変動といって、大きな地球の動きなので、 東洋町から、南国市、高知市、宿毛市まで 地殻変動で2メートル下がるので、大変危険です。
- かずくん
- 津波は、どこから来るのでしょうか?
- まこと先生
- 津波は、とにかく低いところを選んで入ってきますので、ここから入ってきますね。ほとんど、防御がない、そのまま入ってきます。
次に、ここ。狭いのですが、水門を壊しながら入ってきます。
- 子どもたち
- こわーい。
- まこと先生
- 津波から逃げるためには1センチでも高いところがないとダメなんだけど、実は周りに、あまり高いところがないんです。でも、行政が、あそこにタワーを作ってくれたので、あそこが、唯一の命を守る『タワー』になります。
大湊小南津波避難タワーへ Let’s go!
- かずくん
- 小学校の校区内に津波避難タワーは8つあります。
- 校長先生
- 万が一の場合は、学校からいちばん近い 大湊小南津波避難タワーに向かいます。
- 校長先生
- 学校からは、歩いておよそ3分で着きます。
- まこと先生
- タワーが建つのは、海抜4メートル以上の場所です。
- かずくん
- みんなは、まず、水路が気になっているみたいですね。
- まこと先生
- この橋は、地震のあと落ちているんじゃないかな・・・。
- 子どもたち
- 行けないじゃないですか!?
- まこと先生
- 1年生や2年生が通れないとなったら、どうする?
- 子どもたち
- 水に浸かるしかないじゃん・・・。
- まこと先生
- そう!水に浸かればいい!
あるいは、学校の先生が 水路の真ん中に立って、運んでくれればいいよね。
津波避難タワーへ到着!
- かずくん
- あっという間にタワーに到着です。
まずは、最上階へ。
- 子どもたち
- タワーの3階に到着しました!
- 校長先生
- これで、安心でしょうか?
- まこと先生
- ここで18.5メートルくらいありますから。
12年前の東北、東日本大震災では、だいたい、このくらいの海からの距離で6メートルの津波でした。
ここは、その3倍くらいの高さなので、まずは大丈夫だといえます。
- かずくん
- まこと先生、この地域で、 最初に津波が観測されるのは、 揺れから何分くらいですか?
- まこと先生
- 海岸に到達するのが、だいたい20分から22分くらいです。
みんなは、どのくらいのスピードで津波が来ると思う?
- 子どもたち
- 36キロ!
- まこと先生
- すごい!知っている!正解!大正解!
- まこと先生
- 5メートルの津波だと、時速36キロくらい。
ですから、だいたい時速40キロくらいというと、遅いバスくらいです。
ゆっくり家を押し流しながら、壁みたいなものがこっちに迫ってくるのが、ここから見えると思います。
長時間の滞在!どうする!?
- かずくん
- ただ1つ懸念なのが、逃げられたあとに、ここで過ごす時間が長くなりますね?
- まこと先生
- そう。
ここで、命をつないでいかないといけないので、まだまだ具体的に考えないといけないことがあるよね?
- 子どもたち
- えー・・・。
- まこと先生
- ヒント。地震のあとです。
- まこと先生
- どんな人がいるかな?
- 子どもたち
- あっ!けが人!
- まこと先生
- まず、ここで何が起こっているのか、伝えないといけないよね?
- 子どもたち
- SOS?
- まこと先生
- 偵察ヘリコプターが飛んできます。
だいたい300メートルくらいの高度ですので、見えます。
その方たちに、何かを伝えたいんだけど、その方法、何かやりましょうか?
避難時の“ヘリサイン”を考えよう!
- かずくん
- 早速、伝えるメッセージを考えましょう!
- まこと先生
- ポイントは『短い言葉』で知らせることですよ。
- かずくん
- どんな言葉を考えたかな?
見せてもらっていいですか?
- 子どもたち
- いろいろ考えました。どうですか?
- まこと先生
- 短い言葉で、少ない文字で的確にパイロットに伝わります。どれもいいですね。
- かずくん
- みんな、実際に作ってみましょうか?
どれにする?
- 子どもたち
- 『イシキフメイ』にします。
- まこと先生
- この『イシキフメイ』の6文字。
ヘリコプターは、300メートルが巡航高度です。
規定では1メートル以上の大きさの文字がおすすめです。
“ヘリサイン”を作ってみよう!
- かずくん
- ヘリサイン。
身近にある『ガムテープ』を使って作ります。
- 子どもたち
- 大きく作るのがいいんですよね?
- まこと先生
- そう。上空から見やすいようにね。
- かずくん
- 1文字1文字、大きく貼っていこうね!
- かずくん
- およそ15分経ちました!
- 子どもたち
- ヘリサイン。完成しました!
- まこと先生
- みんなが、自分たちで考えた『イシキフメイ』。
『カタカナ』という画数が少ない字です。
- まこと先生
- 的確に漢字で書かなくても、この『イシキフメイ』、ほかに、どんな意味がある?
これ、1つの意味しかない。
だから間違えることもないよね。
災害の時には『イシキフメイ』の人から助けなくてはいけないから。
- かずくん
- 実際にやってみて、どうだった?
- 子どもたち
- すぐにできるし、簡単でした。
- かずくん
- ガムテープ1つあったら貼れるもんね。
- 子どもたち
- 便利だと思いました。
子どもたちの感想は?
- かずくん
- 代表して高橋さん、お願いします。
- 高橋奈美さん
- きょうは、まこと先生のお話を聞いて、本当に地震が起こったときにいかしたいなと思いました。
あと『ヘリサイン』は簡単に作れるので、おうちの人とか、地域の人にも教えたいなと思いました。
まこと先生とみんなの約束!
- まこと先生
- ひとりでも助けられるように、その時間は、ものすごく大切です。
いちばん命が危惧されるのが、実は、意識のない人なんです。
- まこと先生
- こうした場所では治療ができないので、大きな病院に運ばないといけません。
地震のあと、命をどうつなぐかということは、すごく大事なこと。
きょうは、それを実践してもらったから、良かったです。