「匠」
Takumi

第6回 時計修理技能士

兵庫県は日本標準時の東経135度の子午線が通っています。写真の大きな青い時計は、阪神淡路大震災前まで明石市立天文科学館で日本の標準時を刻んでいました。

今回の匠は、西宮市で60年にわたって壊れた時計の修理を続けてこられた重栖貞夫(おもす・さだお)さんです。時計職人の家に生まれ、技能功労栄誉賞など数々受賞されています。

メーカーが純正の部品をはめ込んで修理するのではなく、重栖さんの修理は世界中から集めた部品をミリ単位に加工し、自在に作りかえていきます。

阪神淡路大震災では、揺れでたくさんの時計が壊れました。重栖さんは今まで100以上のそんな時計を修理してこられました。

「スマホが普及していつでも時間がわかるようになり、時計がなくても暮らせるようになった。そんな時代でも、時計を修理して欲しいという依頼があるのなら、その人の思いをくんで一所懸命に修理します」と話されます。

筆者も、実は奈良にある時計店の息子です。私がずっと見てきた時計修理の奥深い世界を、皆さまにも知ってもらいたくて重栖さんにご協力を願いました。無数の部品と機械に向き合う職人さんたちの魅力を感じてもらえれば幸いです。

真ん中:森本さん一家〈修理された時計のお宅〉。左上:山本知歩〈ディレクター〉。右上:平井克昌〈筆者・撮影〉。 左下:浅野梨紗〈照明〉。右下:尾田和啓〈音声〉。