【防災チェック】ことし変わる!新たな避難情報
こんにちは。
アナウンサーの藤重博貴です。
「ニュースブリッジ北九州」で、
毎月、家庭や地域での災害への備えをご紹介しているコーナー、「防災チェック」。
防災士でもある、私と廣瀬アナウンサー、
気象予報士の森本さんの3人を中心にお届けしています。
今回ご紹介するのは、
【ことし変わる新たな避難情報】です。
命を守るために欠かせない避難の情報が、ことし、大きく変更されるんです。
この図は、
現在の避難情報と、ことしからの新たな避難情報を比較した図です。
主に3つのポイントがあります。
まず現状では、
▼避難に時間のかかる高齢の方などが避難を始めるタイミングで、
「避難準備の情報」が出されています。
これが、ことしから、「高齢者等避難」という新たな名前に変わります。
次に、
▼災害のおそれが高まり、危険な場所にいる全員が避難を始めるタイミングで、
いまは「避難指示」や「避難勧告」が出されています。
しかし、「避難指示」と「避難勧告」、どちらで逃げればいいのかわかりにくいという課題がありました。
そこで、ことしから「避難勧告」という言葉はなくなり、「避難指示」に一本化されます。
これまで「避難勧告」が出ていたタイミングで「避難指示」が出されるため、
より早い避難を心掛ける必要があります。
また、避難指示までに避難を終える必要があるという意味で、
今後は、「避難指示」の上に紫の線が引かれます。
▼さらに、氾濫など、すでに災害が発生し、
命を守るための最善の行動をとる必要があるとき「災害発生情報」が出されています。
これが、「緊急安全確保」という名前に変わります。
命の危険が極めて高く、もはや安全に避難できない状況です。
今いる場所で少しでも高い場所に移動するか、崖から離れた部屋に移動するなど、
直ちに、身の安全を確保する必要があります。
今後は、
▼とにかく身を守るという意味の「緊急安全確保」、
▼危険な場所にいる全員が避難する「避難指示」、
▼高齢者などが避難する「高齢者等避難」と、
ことばを聞いただけでどんな行動をとるべきなのか、イメージしやすくなりました。
ただ、新たな避難情報は、すぐに適用されるわけではありません。
新たな避難情報が適用されるのは、ことしの出水期前からの予定です。
あと半年ほどは、これまでの避難情報が出されます。
ことしは途中で情報が変わるため混乱するかもしれませんが、
いずれせよ大切なのは「早めの避難」です。
その早めの避難のために役立つのが、「避難スイッチ」です。
「避難スイッチ」とは、避難を始める基準となる身近な出来事のことです。
例えば、身近な川や用水路の水位の上昇などを、
「避難スイッチ」としてふだんから注意しておくとします。
仮に雨で水位が大幅に上昇していたら、「危ないかもしれない」、と自ら気づき、
早めに避難を始めることができます。
ぜひ家族や近所で、何が「避難スイッチ」になり得るのか、話し合っておいて下さい。
今後はいっそう、早めの避難を心掛けましょう。