放送日がややこしいのですが...
アナウンサー生活31年目の田中秀喜です。
日々のニュースの他、さまざまな仕事をしていますが、
中でも特別な思いを持って取り組んでいるのが、朗読です。
きっかけは、前回の北九州勤務時に担当した、“聴く短編小説”「ラジオ文芸館」。
故・佐木隆三さんがアマチュア時代に書いた短編「野いちご」の読み手として参加し、
演出を担当した大先輩のアナウンサーの特訓を受けて、本番に臨みました。
ちなみに、実際に起きた犯罪をテーマに数多くの小説を著し、ノンフィクション・ノベルというジャンルを確立した佐木さんですが、
この作品は甘く切ない恋愛小説でした。
番組は、幸いなことにそれなりにご好評いただき、以後20年近く朗読に挑み続けています。
朗読番組を作るたびに自分の拙さを反省することにはなるのですが、
「放送を聴いてその本を読んでみたくなった」とか「自分で読んだときより内容が伝わった」
というご意見をいただくと、周りに気づかれないように小さくガッツポーズをしてしまいます。
そんな私が、またまた「ラジオ文芸館」を担当しました。
地元・北九州のアナウンサーとして、没後30年を迎えることし絶対実現したいと思っていた、松本清張作品の朗読です。
今回は「白梅の香」という時代小説を取り上げます。
「眉目優れた津和野藩の若侍・白石兵馬が、初めての江戸勤めで芝居見物に夢中になり…」と、
ひとつの出会いから思わぬ方向へと話が展開していく、清張らしいお話です。
今回は、本来ラジオでは伝わらないはずの「香り」を音響効果で表現してみました。
ご堪能いただけたら幸いです。
放送は、今度の日曜日の「ラジオ深夜便」、日付が変わって16日(月)午前1時台です。
リアルタイムで聴けなくても、「らじる★らじる」などの聴き逃し配信なら放送後1週間、
パソコンやスマートフォンでお聴きいただけます(「日曜日放送分を聴く」をクリックorタップしてください)。
ページをめくる手間もいりませんし、私のように小さい文字を目で追う苦労もありません。
ぜひお聴きください!