ハレピョンブログ~NHK北九州だより~

こんにちは。
アナウンサーの藤重博貴です。

いま、長引くコロナ禍で、全国で自殺者数が増えています。
警察庁によると、去年1年間に自殺した人は2万919人。
10年連続で減少していたものの、11年ぶりに増加しました。

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そうした中、命を守る砦として、
悩みや不安を抱えた人の電話相談に応じているのが、「北九州いのちの電話」です。
相談が深刻化する一方で、現場では、十分対応できない事態に直面しています。
いったい何が起きているのでしょうか。

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小倉北区にある「北九州いのちの電話」の事務局です。
ボランティアが交代で、24時間休みなく、相談を受け付けています。
一日に50件以上の相談が寄せられ、去年に比べ10件程度増えています。

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事務局長の川尻正之さんです。
コロナ禍が長引くにつれ、相談内容がより深刻化しているといいます。

 話:川尻正之さん 
「第1波のときは、新型コロナが初めてのことで不安があって心配だ、
という声が多かったですけど、最近は特に厳しい経済の中でお金がないということで、
寝られないとか、どうしたらいいか分からないとか、
そういう厳しい生活というか、命に関わるような電話が多い」。

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この冬に寄せられた声の一部です。
▽去年春の第1波で仕事を失い、失業保険が切れる今でも仕事が見つからない
▽失職して家族を養えず、離婚した
▽緊張した状態が続いて耐えられず、うつ病になった
日に日に暮らしが追い詰められる現状が明らかになりました。

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こうした中、川尻さんたちは新たな課題に直面しています。
コロナ禍で相談態勢が十分に整わないのです。

▼相談員の多くは65歳以上の高齢者。
感染防止のため休んでいる人が少なくありません。

▼新たな、なり手も減っています。
例年15人程度の応募がある相談員のなり手が、去年は初めて10人を割り込みました。

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人繰りが厳しく、1人だけで電話対応にあたる時間帯も増えているといいます。
事務局長の川尻さん自らも電話に出て、24時間態勢を何とか維持しようとしています。

 話:川尻正之さん 
「なかなかつながらないっていう電話が多いんですよ。
とってもつらくなるんですよね。
それも普通の電話じゃなくて本当に苦しくって大変な方もかかってくるんですけど、
そういうお断りが一番つらいところです」

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悩みを抱えた人が相談を受けられる環境を少しでも整えたいと、
新たな取り組みも始まっています。

全国の「いのちの電話」が加盟する「日本いのちの電話連盟」は、
通話料無料のフリーダイヤルでの相談を毎日受け付けることにしました。
番号は0120-783-556です。
なやみ(783)、こころ(556)と覚えてください。

また、この番号に電話をすると、全国の事務所のどこかにつながる仕組みです。
これまでより、かかりやすいとしています。
午後4時から午後9時まで、毎日受け付けています。

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改めて、相談先の電話番号をまとめてお伝えします。
▼「いのちの電話」フリーダイヤルは、0120-783-556
毎日午後4時から9時まで。

▼「北九州いのちの電話」は、093-653-4343
年中無休で24時間対応しています。

▼北九州市では子ども専用の相談電話もあります。
「子ども相談ホットライン」で、093-881-4152。 
24時間対応しています。

課題となっている相談員の確保について、
「北九州いのちの電話」では、ことし6月をめどに新たな募集をする予定です。
特に若い世代への応募を呼びかけたいということでした。

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 【取材後記】 
コロナ禍で、「つながらない…」という声が聞かれる「いのちの電話」。
その原因は何か、現場では何が起きているのか、知りたいと思い取材しました。
お伝えしたように、実際には、相談員のみなさんは、
命をつなぎとめようとギリギリの奮闘を続けていました。

事務局長の川尻さんは、
「十分に電話対応ができなかった日は、心配してニュースを注視する。
もしかして命を絶っているのではないかと…」と、
やりきれない思いを話して下さいました。
相談する側はもちろん、相談を受ける川尻さんたちにとっても、
さらなる支援体制の拡充が早急に求められると感じました。