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戦国の世のなかに、
今の時代を感じてほしい。
チーフ演出 大原 拓インタビュー
どんな大河ドラマがはじまるのか?
そこには、どんな思いが込められているのか?
大原チーフ演出に聞きました。
「おおっ!」の連続を目指します。

今回の大河ドラマでは、見てくださる方に「おおっ!」と言ってもらえるように、これまで大河ドラマでやっていないことに積極的にチャレンジしています。 「おおっ!」の感じ方は人それぞれだと思いますが、

殺陣(たて)を見て「すごい!」とか、
衣装を見て「わぁ、きれい!」とか、
そのほかにも「かっこいい!」、「なんだこれは!」

などの驚きを感じていただけるよう、工夫を重ねています。
たとえば、具体的に言うとネタバレになるので言えませんが、ある戦いのシーンで、
光秀は、飛びます!
派手に、飛びます!

青年・光秀も、今の若者たちも。

明智光秀という人物が歴史に登場するのは、40歳過ぎです。日本の歴史の中でも大きな謎といわれる『本能寺の変』を起こした人なのに、その前半生は誰も知らない。まだ何者でもない、一人の青年が戦国の世とどう向き合っていくのか?
彼はどんなジレンマを抱えてその時代を生きたのか?
そこを意識しながら描いていきます。

また、光秀を生命力のあるキャラクターにしたいと思っています。生命力があるから戦うし、逆に生命力があるから戦いたくない、と思うかもしれない。武士として、庶民たちに平穏な暮らしを約束したいけど、世の中に争いのタネを撒き散らし社会を壊しているのは武士だったりします。そういう葛藤をどこかに抱えながら光秀は生きている。

そんな光秀は、今の若者にも通じる部分があるかもしれません。社会に出ていくと、いろいろな矛盾や理不尽なことに巻き込まれるし、「今の若いのは…」と、いつの時代も言われ、何かと抑制される。もしかすると、光秀も、今の若い人たちも、取り巻く状況は違っても、いくつもの葛藤を抱えて、抑えられつつ生きていくという点では同じではないでしょうか。
とはいえ、光秀も若者もそれを跳ね返しながら、生きているし、気にも留めない。そうした強さが新たな時代を作っていくし、作っていってもらいたい。
だからこそ、
今の時代にリンクする普遍的な部分も、光秀の目線を通して描ければと思っています。

青は黄色を倒し、白は青を倒す・・・。

まだ企画の段階で、資料を読んだり、神社仏閣や由緒ある庭を見ていくなかで、当時の武士たちは風水の要素を取り入れていたことを再認識しました。

その中に「五行相剋(ごぎょうそうこく)」というのがあり、それは木(青)、水(黒)、火(赤)、金(白)、土(黄)の5つの要素が、お互いに影響し合っているというものです。たとえば、木(青)は土(黄)を倒し、金(白)は木(青)を倒すなど・・・。

明智家の家紋は水色桔梗です。光秀が青(水色)なら、信長は黄色、藤吉郎は白といった具合にキャラクターを色分けし、衣装の裏テーマとして「五行相剋」を取り入れました。ただ、土仕事が主の農民である藤吉郎が白ですから、衣装デザインをお願いしている黒澤和子さんには苦労をおかけしています(笑)。

光秀のイメージを、
長谷川さんが変えてくれる。

長谷川博己さんは、池端さんの脚本の行間までを読み込み、それを立体的に硬軟織り交ぜて表現してくれています。しかも、光秀という人物を深く探りながら、そのキャラクターを浮き立たせてくれています。
日本人の明智光秀に対する一般的なイメージは、暗くて神経質な男ではないかと思います。でも、長谷川さんの光秀を見ていると、これまでのイメージが壊れていくはずです。そして、「もしかすると光秀って、こういう人だったかもしれない」と思わせてくれます。
これは、長谷川さんの豊かな表現力がなせる技です。

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