月の歌

薔薇二曲

詩 :北原白秋
曲 :藤原道山
演奏:ハープ/朝川 朋之 チェロ/古川 展生 尺八/藤原 道山

■解説

「薔薇二曲」は、大正3年発行の「白金之独楽」に収められています。
北原白秋はこの詩について、後にこう語っています。

薔薇の木に
薔薇の花さく、
なにごとの不思議なけれど。

この何の不思議もない当然の事を当然として見過ごして了ふしまう人は
禍である。実に驚異すべき一大事実ではないか。
この神秘はどこから来る。この驚きを驚きとする心からこそ
宗教も哲学も詩歌も自然科学も生れて来るのではないか。

北原白秋「芸術の円光」より

つまり、薔薇の花は薔薇の花で何の変哲もないが、薔薇を凝視ぎょうしすることによって、
その照りきわまった木から絶えず光がこぼれ落ちていることに驚き、その底に万物創生ばんぶつそうせいの生命的エネルギーを感じとっているのです。

作曲は藤原道山さん。
尺八の美しい音色で、薔薇が輝く神秘的な様子を表現しています。

<北原白秋>
日本の詩人、童謡作家。生涯に多くの詩歌や、「待ちぼうけ」「ペチカ」など、
今もなお歌い継がれる童謡を数多く残した。