【特集】せきが止まらない 原因は?関連する病気と治療・対処法まとめ

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【特集】せきが止まらない 原因は?関連する病気と治療・対処法まとめ

せきは、誰にとってもなじみのある日常的なもの。ついつい放っておきがちですが、実は重い病気の症状や予兆の可能性もあります。今回は感染症をはじめ、生活習慣に関わるCOPDや命の危険がある肺がんなど、せきに関わる病気やその原因、対処法についてまとめます。

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長引くせきは「ぜんそく」かも?

3週間以上せきが続く…そんな時は、「ぜんそく」を疑うことも必要です。
ぜんそくは、空気の通り道である気道が刺激されることで、せきや呼吸困難などの発作が起こる病気です。発作以外にも、気道がゼーゼー、ヒューヒューと笛のように鳴る「ぜん鳴」も起こります。

ぜんそくは、重症になると命に関わることもある病気です。
せきが何週間も続いて、なかなか治らないというときには、呼吸器内科などを受診しましょう。

「ぜんそく」の治療法を詳しく知りたい方はこちら

強いせきが長引く「マイコプラズマ肺炎」とは

子どもや健康な若い人に発症するのが、マイコプラズマ肺炎。
原因は「マイコプラズマ」という細菌の感染ですが、感染しても軽度で済むことが多く、自然に治ったり、外来治療でよくなったりします。ただし、なかには重症化することがあり、長期入院や人工呼吸器がないと生活できなくなるケースもあります。

マイコプラズマ肺炎の症状

マイコプラズマによる症状

感染すると、通常は2~3週間の潜伏期間のあとに、気管支炎を発症します。
まず現れる症状は、発熱、頭痛、全身のだるさなどです。せきは、それから数日遅れて始まることが多く、熱が下がったあとも数週間続きます。急性期には約40%の人に、息をするときぜんそくのように「ゼーゼーヒューヒュー」という音がします。

受診する目安

マイコプラズマ 受診の目安

  • 60歳未満であること
  • 特に持病がないか、あっても軽い
  • 強いせきが2~3週間以上続く
  • たんが出ないこと

これら4つの項目すべてに当てはまる場合は、呼吸器内科など専門医のいる医療機関を受診することがすすめられます。

マイコプラズマ肺炎の検査や治療について知りたい方はこちら

アレルギー性肺炎(過敏性肺炎)とは

冬にかぎらず毎年同じ季節にせきが長引く場合、アレルギーによる肺炎の可能性があります。アレルギー性の肺炎は、正式には「過敏性肺炎」という病名で、非常に小さい物質を吸い込むことで起こります。

原因となることがある物質はさまざまですが、最も多いのが鳥のフンや羽毛についている「ブルーム」というとても小さなたんぱく質で、布団やダウンジャケットの羽毛などから起こります。次に多いのが「トリコスポロン」という白カビで、浴室の木の部分など、室内の湿気の多い場所に、夏に生えやすいカビです。

アレルギー性肺炎(過敏性肺炎)チェックリスト

アレルギーによる肺炎?チェック項目

①毎年同じ季節にせきが長引く
②旅先で症状が軽減、もしくは出ない
③羽毛布団やダウンジャケットを使用
④(浴室など)水回りに白カビができる
⑤家の掃除をあまりしていない

といった項目に当てはまるようなら、過敏性肺炎の可能性があります。早めに呼吸器内科など専門医を受診することがすすめられます。

アレルギー性肺炎(過敏性肺炎)の対策や治療について知りたい方はこちら

「間質性肺炎」とは

マイコプラズマ肺炎やアレルギー性肺炎以外にも、さまざまな肺炎にせきはつきものです。
呼吸困難やたんを伴わないせきなどの自覚症状があって、受診して見つかるケースが多いとされるのが、「間質性肺炎」です。

肺には、空気の通り道である気管支があり、それが枝分かれして「肺胞」という袋状の組織につながっています。この肺胞の壁のことを「間質」といいます。一般の肺炎は、肺胞の内部に細菌などが感染することで起こりますが、間質性肺炎はこの間質に炎症が起こります。

一般の肺炎の場合
間質性肺炎は間質に炎症がおこる

間質性肺炎は、間質に炎症が起こり、さらに線維化し、厚く硬くなる病気です。また、肺胞そのものが壊れていく場合もあります。そのため、間質が炎症や線維化で厚くなると、酸素がうまく入っていけなくなってしまうのです。

間質性肺炎の原因と診断、治療法について知りたい方はこちら

微熱・たんがあれば結核も要注意!

結核菌に感染して肺などに炎症を起こす病気が結核です。
次のような症状が現れたら、要注意!もしかしたら、結核かもしれません。

結核の症状
結核が進行した時の症状

結核になると、微熱やせき、色のついたたん、身体のだるさといった症状が出ます。進行すると、息切れがしたり、血の混じったたんが出ることがあります。
結核の症状は、かぜとよく似ているため、かぜと間違えられる場合があります。そういった症状がながく続く場合には、早めに受診して適切な治療を受けることが大切です。

結核の発症危険度チェック

①70歳以上
②糖尿病がある・腎臓病で透析治療を受けている・胃の切除手術後
③関節リウマチの注射薬・抗がん剤・ステロイド薬(内服)などを使っている
④やせすぎ
⑤喫煙者

結核の発病の危険性が高くなるのは、上記のチェック項目のうち、①の70歳以上で、②~⑤のいずれかに当てはまる人です。

結核感染の予防法について知りたい方はこちら 結核の検査方法や治療法について知りたい方はこちら

浴室で感染しやすい「肺MAC症」とは

MAC菌という、結核菌によく似た菌の感染によって起こる肺の病気が「肺MAC症」です。
最近、CT検査や遺伝子検査の普及により、発病している人が多いことが明らかになってきました。急増している原因として考えられるのが、風呂場での感染です。42℃前後の温度で繁殖しやすいMAC菌にとって、気密性の高い風呂場は、まさに最適な環境なのです。

危険な「肺MAC症」の症状

肺MAC症の症状

MAC菌は、結核菌と比べて病原性が弱いため、感染してもしばらくは症状のない状態が続きます。その後、肺の炎症が進むと、せきやたん、血の混じったたんなどの症状が現れます。ただし、結核と異なり、人から人へ感染することはありません。

肺MAC症になりやすいタイプとは

肺MAC症のなりやすさをチェックすることができます。
次のチェックリストにある7つの項目に当てはまる人ほど、肺MAC症になりやすいと考えられます。

【肺MAC症 なりやすさチェック】
①40歳以上の女性
②きまじめ・ストレス体質
③小食・やせ型
④胃の働きがあまりよくない
⑤換気せずに風呂掃除
⑥汚れたシャワーヘッドを使用
⑦土をよくいじる

このような項目に当てはまる人は、特に「肺MAC症」に注意することが大事です。
せきやたんが1か月以上続いたり、血の混じったたんが出たりした場合、呼吸器科など専門医を受診してください。いまは症状がなくても早期に発見したいときは、健康診断の胸部エックス線検査を定期的に受けることがおすすめです。

「肺MAC症」に感染しないための予防・対策を知りたい方はこちら

命にも関わるCOPDとは

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、主にたばこを吸う人に起こる肺の病気です。
たばこの煙には、ニコチンやタール、PM2.5の粒子など、さまざまな有害物質が含まれています。そこで、たばこを長く吸い続けていると、次第に肺や気管支が黒く汚れて炎症を起こし、せきやたんが出るようになります。

COPDの症状は息切れやせき

COPDの代表的な症状は息切れです。
初期のうちは、症状はほとんど現れませんが、次第に階段や坂道を上がるときに息切れするようになります。進行すると、平地を歩いていても息切れが起こるようになります。

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「COPDの進行を防ぐ治療」詳しくはこちら

せきが続く…「肺がん」を見逃さないために

「肺がん」は、日本では、がんの中で最も亡くなる人が多いがんです。その理由として、肺がんは進行しないと自覚症状が現れにくく、気づきにくいこと。また、ほかの主ながんと比べて進行が速く、転移しやすいことなどが考えられます。

そこで、定期的に「肺がん検診」を受けて、早期に発見することが大切です。現在、肺がんの治療は大きく進歩しており、早期発見ができれば、根治を目指すこともできるようになっています。

肺がんの疑いがある場合の検査方法を詳しく知りたい方はこちら

喫煙だけじゃない!「肺がん」の原因

肺がんの最大の危険因子は「喫煙」です。
研究によると、非喫煙者に比べて、喫煙者が肺がんになるリスクは、男性で4.4倍、女性で2.8倍と高くなります。

そのほかにも、アスベストなどの「有害化学物質」や、PM2.5による「大気汚染」といった環境因子が関係したり、最近では、女性ホルモンの一種「エストロゲン」が、肺のがん細胞の増殖を直接促進したり、がん化を促進したりすることにより、肺がんの発生に関わると考えられています。

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