【特集】むくみの主な原因と解消・予防法、関連する病気まとめ

更新日

【特集】むくみの主な原因と解消・予防法、関連する病気まとめ

【むくみの原因と自分でできる予防、解消方法を解説】長時間同じ姿勢で足がむくむ、朝起きたら顔がむくんでいた…誰もが経験する、むくみ。慢性腎臓病や心不全など、思わぬ病気が潜んでいることもあります。むくみの原因となる病気をまとめました。

不快な足のむくみ 主な原因

足のむくみ、疲れ、夜中のこむら返りの原因として多いのは、足の静脈の血行不良です。
立ちっぱなしや座りっぱなしで動かない時間が長いと、足の血行が悪くなります。
すると、余計な水分が血管から染みだし、周囲の細胞の新陳代謝を悪くして、足の疲れ、だるさ、むくみ、夜中のこむら返りにつながります。
足の静脈の血行不良の状態を放置すると、やがて静脈が変形し浮き出てしまう「下肢静脈瘤(りゅう)」という病気に進行する場合があります。

下肢静脈瘤の症状

脚の静脈は心臓に向かって血液を戻すため、下図のように重力に逆らい、下から上へと血液を送ります。

下から上へと血液を送る

このとき、血液が下の方に逆流するのを防いでいるのが、静脈の中にある「静脈弁」です。この静脈弁が何らかの原因で弱くなり、うまく閉まらないと、静脈の中に逆流した血液が静脈を押し広げ、血管を変形させてしまいます。これが下肢静脈瘤です。

静脈弁がうまく閉まらないと逆流した血液が静脈を押し広げ、血管を変形させてしまう

下肢静脈瘤の治療

下肢静脈瘤の治療はできるだけ、長時間立ち続けることは避け、寝るときは脚を高くする、脚を清潔に保つ、適度な運動を行うなど、まず生活改善を行います。

下肢静脈瘤の治療はまず生活改善

このような生活改善を行っても効果がない場合は、圧迫療法を行います。圧迫療法は弾性ストッキングや弾性包帯で外側から脚を圧迫する治療法です。脚を圧迫することで、静脈にたまっている血液を心臓に戻しやすくします。そして、むくみ・だるさ・疲れなどの脚の症状を解消することができます。

下肢静脈瘤の圧迫療法

下肢静脈瘤の症状、診断、治療について詳しく知りたい方はこちら

エコノミークラス症候群

いわゆる「エコノミークラス症候群」は、車などの狭い座席に長い時間座ることで、血のかたまり(血栓)ができ、肺などの血管がつまるおそれのある疾患です。

長時間動かずに同じ姿勢を続けていると、脚の血管に血の塊「血栓」ができることがあります。血栓ができると血液の流れがさらに悪くなり、水分が血管の外にしみ出して脚がむくみます。それが「深部静脈血栓症」です。
この血栓をそのまま放置すると、立ち上がったときなどに血栓が静脈を伝って肺にまで達し、呼吸困難に陥ることがあります。そうなると命に関わります。

「【患者体験談】突然の脚のむくみと激痛 エコノミークラス症候群の危険」を読みたい方はこちら



むくみが症状として現れる腎臓の病気

慢性腎臓病

慢性腎臓病の症状

慢性腎臓病は、腎臓の働きが低下した状態や、尿の中にたんぱくが漏れ出る状態(たんぱく尿)の総称で、日本には1300万人を超える慢性腎臓病の人がいると推計されています。

慢性腎臓病は病気がかなり進行して初めて症状が現れます。主な症状はだるさ、食欲不振、頭痛、吐き気、むくみ・動悸・息切れ、高血圧、貧血、骨が弱くなるなどです。
いろいろな症状が現れるのは、腎臓の働きが低下することで体内にさまざまな有害物質がたまってしまうためです。体内に余分な水分もたまるので、むくみが生じ、血圧も高くなります。

「慢性腎臓病」について詳しく知りたい方はこちら

慢性腎臓病が進行すると尿毒症に!末期腎不全とは

慢性腎臓病のステージについて

慢性腎臓病にはステージG1からステージG5の段階があり、G5まで到達した状態を末期腎不全といいます。
末期腎不全とは、腎臓の働きが正常な腎臓の15%未満に低下し、体内の老廃物や余分な水分を排泄できない状態です。そうなると、食欲低下、吐き気、頭痛、だるさ、むくみ、動悸・息切れ、息苦しさ、尿量の減少など、尿毒症と呼ばれるさまざまな症状が現れてきます。

尿毒症の主な症状

「末期腎不全」について詳しく知りたい方はこちら



心臓の病気とむくみ

むくみは心不全が原因で起こることもあります。心不全とは「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」です。

うっ血

心臓は左右の心室が収縮・拡張を繰り返し、血液を循環させるポンプのような働きです。この働きが低下するのが心不全です。左心室が血液を十分に送り出せないと、肺から左心室に戻ってくる血液も停滞します。その結果、肺に血液がたまってしまいます。これを「うっ血」といいます。
一方、右心室が血液を十分に送り出せないと、左心室に戻ってくる血液も停滞します。その結果、全身がうっ血してしまいます。

心不全の症状

全身のうっ血によって起こる症状は、むくみが代表的です。

むくみがあるときの心臓の検査

心不全を診断する際に行われる基本的な検査には、胸部エックス線検査、血液検査、心エコー検査があります。

胸部エックス線検査

胸にエックス線を照射し、心臓の異常の有無を調べます。心不全の場合、正常な場合に比べて、心臓が大きくなっている様子がわかります。

胸部エックス線検査

血液検査

心不全のマーカーとなるBNP(心臓から分泌されるホルモンの一種)を測定します。

心エコー検査

胸にゼリーを塗り、プローブと呼ばれる超音波を発信する機器をあてて、心臓の機能を調べる検査です。心臓の収縮や弁の動きも見ることができます。体への負担が少ないのが特徴です。
動悸や締め付けられるような胸の痛み、息切れ、むくみなどが気になる場合、早めに医療機関を受診して、適切な検査を受けるようにしましょう。

動機・胸痛・息切れ・むくみがあるときの心臓の検査についてはこちら



その他、むくみが出る病気



自分でできる!むくみ解消&予防法

水中ウォーキング

水中運動は陸上では得られない3つの特性「浮力」「水圧」「水の抵抗」を活用できます。特に「水圧」は全身から心臓に血液を戻す作用を助けるとともに、一回の拍動で送り出す血液の量も増やします。結果的に心拍数や血圧が下がり、運動中の心臓への負担が軽くなります。

水中運動は体力に自信のない人や、関節痛などで悩む人も効率的に体を鍛えることができ、転倒予防や、高血圧・肥満などの生活習慣病の改善、むくみ、腰痛や肩こりの解消などの期待が見込めます。さらにこうした効果を得るために泳ぐ必要はなく、水中ウォーキングだけでも十分効果に期待ができます。

水中運動の特性

水中ウォーキングでは全身の筋肉をバランスよく鍛えることができますが、歩き方を変えることによって、さらに狙った筋肉を効果的に鍛えることができます。そこでオススメなのが「前歩き」、「横歩き」、「後ろ歩き」の運動です。

「前歩き」、「横歩き」、「後ろ歩き」を好みで組み合わせて合計20分間を1セットとして、週に2回実践すると効果的です。

水中ウォーキングの正しいやり方についてはこちら