【特集】言葉が出てこない 原因となる病気まとめ(認知症・脳卒中・脳腫瘍など)

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【特集】言葉が出てこない 原因となる病気まとめ(認知症・脳卒中・脳腫瘍など)

当たり前に話していた言葉がうまく出ないといった症状が現れる場合には、まず「認知症」が疑われます。その他にも、「脳梗塞」や「脳出血」、「脳腫瘍」などの重大な病気が原因となることがあります。「言葉が出ない」症状がでる病気をまとめました。

脳卒中

脳卒中とは

脳卒中の3つのタイプ(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)

脳卒中は、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の中の細い血管が破れて出血する「脳出血」、脳動脈瘤という血管にできたこぶが破裂して出血する「くも膜下出血」の3つのタイプに分けられます。

脳卒中の症状

脳卒中によくある5つの症状

脳卒中によくある症状の中に「言葉が出ない・ろれつが回らない」といったものがあります。

【特集】命に関わる脳卒中 原因と症状、治療、予防法について

脳梗塞

脳梗塞に現れる症状のうち、思うように言葉が出てこない、言っていることが理解できないなどの「失語症」が起こる場合があります。言葉が出ないケースは、脳の言語中枢の障害に原因があると考えられます。

脳梗塞の症状について詳しく知りたい方はこちら



認知症

認知症とは

認知症とは、脳がダメージを受けて記憶力や判断力が低下し、日常生活に支障が出る状態をいいます。

前頭側頭型認知症とは

前頭側頭型認知症とは

前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉や側頭葉に異常なたんぱく質が蓄積して、脳が萎縮することで起こる病気です。
側頭葉が萎縮すると、「言葉の意味がわからなくなる」などの症状が現れます。

前頭側頭型認知症を発症しやすい人は、50~60歳代と比較的若く、65歳未満に起こる「若年性認知症」の主な原因の1つとなっています。

前頭側頭型認知症について詳しく知りたい方はこちら



脳腫瘍

脳腫瘍の症状

脳腫瘍とは、頭蓋骨の中にできるすべての腫瘍を指します。良性でも悪性でも、脳腫瘍が大きくなると、体の片側のまひやしびれなどが起こります。そのため、歩けない、ふらつく、言葉が出にくい、人の話すことが理解しにくい、片目が見づらい、物が二重に見えるなどの症状が現れます。また、てんかん発作や朝起きた時に頭痛がする場合も、脳腫瘍の可能性があります。

これらの症状は脳梗塞や脳出血の場合とほぼ同様ですが、脳腫瘍では腫瘍が少しずつ大きくなるため、多くの場合、徐々に症状が現れてくるのが特徴です。

脳腫瘍の症状

脳腫瘍のサインやセルフチェックの方法について知りたい方はこちら



高次脳機能障害

高次脳機能とは

高次脳機能とは、人間ならではの高度な脳の働きで、注意を払ったり、記憶・思考・判断をおこなったりする機能を指します。これらの機能を失ってしまうのが「高次脳機能障害」です。

高次脳機能障害の原因

原因で最も多いのは「脳卒中」で、次に多いのが交通事故やスポーツ事故、転倒などによる「外傷性脳損傷」です。そのほか「低酸素脳症」、「脳腫瘍」、「脳炎」なども原因になります。さらに「脳性まひ」、「発達障害」、「うつ病」などの病気が原因で、高次脳機能障害の症状がみられることもあります。

高次脳機能障害の症状

脳の働きは、脳の部位によって異なります。そのため、高次脳機能障害は脳のどこに損傷を受けたかによって、症状が変わります。

例えば、前頭葉に損傷を受けたときに起こる障害として「注意障害」や「遂行機能障害」、「社会的行動障害」などがあります。
このほか、注意すべき症状としては「記憶障害」、うまく話せない、思った言葉が出ない、字が読めないなどの「失語症」、視野の左側に注意が向きにくく、食卓の左側に並んだ料理を食べ残してしまう、車椅子の左側がぶつかるなどの「左半側空間無視」があります。

高次脳機能障害の症状や原因、治療法など詳しく知りたい方はこちら



言葉が出ないその他の病気

社交不安症

かつて「対人恐怖症」と呼ばれていた社交不安症。人前で話すのが怖い、緊張で言葉が出ない、視線が怖いなど、人前で何かするときに強い不安を感じ、日常生活に支障をきたすようになります。

「人が怖い」「視線が気になる」と感じる社交不安症の症状についてはこちら

ALS(筋萎縮性側索硬化症)

筋肉が衰える「ALS」(筋萎縮性側索硬化症)の患者のうち、15%が前頭側頭型認知症を合併すると言われています。特徴的な症状として漢字が読めない、言葉が出てこない、怒りっぽいなどの症状が現れます。

ALSの初期症状・合併症について詳しく知りたい方はこちら



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