NHKスペシャル「人体」"健康長寿" 究極の挑戦

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NHKスペシャル「人体」"健康長寿" 究極の挑戦

みなさんは「ピンピンコロリ」という言葉をご存知ですか?健康を保って「ピンピン」と長生きし、寝たきりにならず「コロリ」と人生の最期を迎える、という長寿社会を迎えた日本で理想的な生き方のモデルといわれています。 誰もが思う健康で長生きしたいという願い―それを阻むのが様々な病気です。日本人の死因1位となっているがんや2位の心臓病をはじめ、たくさんの病気が現代社会を生きる私たちにふりかかっています。しかし、そうした病気の治療が今、大きく変わろうとしています。その鍵を握るのが、臓器同士が情報交換に使っている“メッセージ物質”です。2018年3月25日放送のNHKスペシャル「人体」第7集では、そうした“メッセージ物質”を使った治療の最前線に迫りました。司会はタモリさん・山中伸弥さんのお二人、そしてゲストは女優の樹木希林さんと石原さとみさんです。

健康長寿を阻む日本の現実

日本が世界でも指折りの長寿大国であることは有名です。男女ともに平均寿命は80歳を超え、その年齢はさらに上がってきています。しかしその一方で、気がかりなデータもあります。それは日本人は人生の最期の9~12年の間、なんらかの病気と向き合いながら生きているということです。病気にならず健康な状態のまま生き続けられる年齢は「健康寿命」と呼ばれています。この健康寿命と平均寿命を比較すると、女性では12歳、男性では9歳の差があります。健康寿命と平均寿命の差を縮めることが、私たちが「ピンピンコロリ」を実現するための課題であるといえます。

さまざまな病が、健康長寿を妨げる。

日本人の2大疾患に“メッセージ物質”の力で挑む

健康長寿を阻む、様々な病気。日本人の三大疾患と呼ばれているのが、がん、心臓病、そして脳梗塞。これらは日本人が最も多く発症している3つの疾患です。今それらの病気を「人体の中の情報ネットワーク」という視点で見つめなおすことで、全く新しいメカニズムが解明されようとしています。そして、その解明によって治療も大きく変わろうとしています。

がんでは、がん自らが出すある“メッセージ物質”に着目することで、転移を抑えられるかもしれないという可能性が指摘されています。さらに心臓病についても、一度傷つくと元に戻すのが難しいと言われてきた心筋細胞を、“メッセージ物質”の力を利用することで再生できるというのです。

CG 増殖するがん細胞。日本人の死因第一位はがん、第二位は心臓病。2つの大きな壁が、日本人の健康寿命の上昇を阻んでいる。

臓器同士の会話に耳を傾けることでみえてきた医療革命

「人体の中で臓器同士や細胞同士が繰り広げている情報ネットワーク」に着目することで、医療は大きなパラダイムシフトを迎えています。これまでは病気ごとにそれぞれの臓器を診ることが医療の中心的な考え方でした。しかし、現在はそれだけでなく臓器同士のネットワークに注目して治療を進めることが大切なポイントであることがわかってきました。臓器の出すメッセージに耳を傾けることが、治療困難な様々な病気を克服する切り札になると考えられています。

臓器同士の出すメッセージに着目し、臓器同士の関連を知ることが、病気克服のための新たな治療戦略となるという。