【特集】体がだるい・疲れ・倦怠感に要注意!原因と対策、考えられる病気まとめ

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【特集】体がだるい・疲れ・倦怠感に要注意!原因と対策、考えられる病気まとめ

不規則な生活やストレスは、疲労をためる原因となり、疲れや倦怠感(けんたいかん)につながります。疲れが続く人は要注意!危険な病気のサインかもしれません。疲れ・倦怠感が症状として現れる病気について解説。疲労をためない秋の栄養満点レシピも紹介します。

不眠・睡眠不足

不眠と睡眠不足

不眠は、眠るために寝床に入っても寝つきが悪いなど、眠るのが困難で質のよい睡眠を得られない状態です。一方、睡眠不足は、睡眠をとる時間が十分に確保できていない状態です。不眠も睡眠不足も、日中の眠気の原因となるだけではなく、何日も続くとさまざまな心身の不調の原因となります。

不眠や睡眠不足による影響

不眠や睡眠不足による影響

一般に、睡眠時間が6時間未満になると、翌日の日中に強い眠気を感じるようになります。こうした睡眠不足が続くと日中の慢性的な眠気が生じ、疲れやすさ、集中力や注意力の低下、イライラ感などが起こって、日常生活に支障が出てきます。

不眠・睡眠不足と健康の関係について詳しく知りたい方はこちら



ストレスチェックと解消法

ストレスへの抵抗力

ストレスとは簡単に言うと「心身に過剰な負荷がかかってゆがみが生じること」です。ストレスに強い、弱いの差は生まれ持った体質と、幼少期の生育環境が大きく影響しています。また、今までいろいろな経験をし、学習することによって培われた日々の行動や思考も大きく関係してきます。
人によってストレスに耐えうる限界値は変わりますが、ストレスをため込むと、体と心のさまざまな病気や症状に影響を与えます。

ストレスチェック

ストレスチェック

ストレスがたまっているかどうかを調べる「ストレスチェック」では、食欲、睡眠、疲れなど、ストレスを判断するのに最も適切と思われる8項目をチェックします。この1週間の生活を振り返り、自分に当てはまる回答の点数の合計を出します。

ストレスチェックについて詳しく知りたい方はこちら

ストレス解消法「コーピング」

コーピングとは、「上手に対処する」という意味をもつ言葉で、適切な気晴らしやストレスの発散方法を指します。ストレスがたまったら、事前に考えておいたコーピングリストの中から、ストレスの度合いや状況に適した行動を選び、試してみましょう。

これは番組ディレクター(30代・女性)が作成したコーピングリストの一例です。

コーピングリスト

コーピングのコツは以下の3つです。

  1. ストレスが解決した後、必ず自分のためになる行動にする
  2. 細分化して増やす
  3. 実際にどんどん試してみる

特に1では、やけ酒ややけ食いなど、後々自分のためにならないことは避け、将来の自分にとってメリットのある行動を選びましょう。ストレスの度合いや状況はその時々で異なります。対応するコーピングのバリエーションは多いほうが良いと言えます。

ストレスの原因や解消法、注意したい病気などについてはこちら



軽度のうつ病 セルフチェック

うつ病は「気分が落ち込む」といった心の状態だけではなく、「食欲がない」「体が重い」「疲労感・倦怠感」など、体にも症状が出る病気です。うつ病は検査では判定できないため、症状で判断します。

うつ病の原因や似た症状を起こす病気について知りたい方はこちら

軽症のうつ病とは

「憂うつ、気分の落ち込み」「興味や喜びの喪失」のどちらか1つを含み、「食欲の異常」「睡眠の異常」「そわそわする または 体が重い」「疲れやすい」などと合わせて5つ以上の症状が、ほとんど一日中、2週間以上続き、仕事や家庭などに何らか問題が生じている場合に、うつ病と診断します。このうち軽症のうつ病は、日常生活において生産性は落ちてはいるものの、なんとか休まず続けられる程度のものを指します。

軽症のうつ病の基本的な治療、効果的なセルフケアを知りたい方はこちら
特集「うつ病」はこちら



疲れやすさの原因「貧血」

貧血とは血液中の、「赤血球」の「量」と「質」が低下している状態です。
赤血球の量や質が低下している場合、体にうまく酸素が行き届かず「酸素不足」の状態になります。

酸素不足による貧血の症状

この状態になると、駅の階段を上るような軽い動作でも動悸、息切れがする、疲れやすい、顔色が悪くなる、頭が重いなどの症状が出ます。

貧血の診断基準

医療機関では、ヘモグロビンの値が成人男性で「13g/dL未満」成人女性で「12g/dL未満」80歳以上の場合は「11g/dL未満」で貧血と診断されます。

鉄欠乏性貧血

貧血の中でも、一番多いのが鉄不足によって起きる「鉄欠乏性貧血」です。
私たちの血液の中に存在する赤血球は、肺で酸素を取り込み、全身へ送り届ける重要な役割を果たしています。
酸素を運ぶ役割を担っているのが、赤血球に含まれるヘモグロビンです。ヘモグロビンを作るためには、鉄が欠かせません。体内の鉄が不足すると、ヘモグロビンがうまく作られなくなり、全身に十分な酸素を送り届けることができなくなります。これが、鉄欠乏性貧血です。

貧血とは?詳しく知りたい方はこちら

鉄欠乏性貧血の治療、食生活による改善

鉄欠乏性貧血の治療は、不足している鉄を補うために「鉄剤」を使用するのが基本です。飲み薬が主で、1日1~2回食前に服用します。通常2~3週間で症状は改善しますが、ここで治療をやめるとまたすぐに貧血になってしまうのでその後個人差はありますが、数ヶ月飲み続けます。

鉄を多く含む食材

鉄欠乏性貧血を予防するためには、食生活を改善しましょう。
具体的には、レバー、赤身の肉、赤身の魚、緑黄色野菜、大豆製品、ひじきなどが効果的です。野菜より、肉に含まれる鉄のほうが、吸収率が良いと言われています。また、ビタミンCも一緒に摂取すると吸収がよくなります。
一度にたっぷりとるというよりは、毎日欠かさずに摂取することを意識しましょう。

鉄欠乏性貧血の治療、食生活による改善を詳しく知りたい方はこちら



疲れを解消!栄養満点の秋レシピ

人間の細胞には、一定の時間的なサイクルを持つ体内時計(時計遺伝子)があります。体内時計によって、内臓にはそれぞれ「活発な時間」や「休憩する時間」が決まっています。
体内時計はズレやすく、その乱れが「倦怠感」や「肥満」にも影響を与えることがわかってきました。ただし、そのズレは「食事」を適切な時間にとることによって、合わせることが期待できます。

ベストな時間ととりたい栄養素

朝・昼・夕の食事には、体内時計を合わせる、または体内時計に合わせたベストのタイミングが存在します。
また、体内時計の働きで作られる臓器の活動サイクルによっては、栄養素の吸収効率なども変化するため、どのタイミングで「何」を食べるのかが大切になってきます。

朝食

朝食でとりたい栄養素 たんぱく質・ビタミンD
朝食でとりたい栄養素 食物繊維

たんぱく質は、体内時計に一日の始まりを告げる役割がある栄養素なので、朝食でしっかりとりましょう。秋の味覚のなかでは、秋しゃけやさんま、戻りがつおなどの魚がおすすめです。このほか、腸内環境をよくしてくれる食物繊維も朝にとりたい栄養素です。野菜(特に根菜類)やきのこ類、海藻類に多く含まれています。

【秋しゃけとしめじの昆布蒸し】

秋しゃけとしめじの昆布蒸し

・生しゃけ…2切れ(170g)
・昆布…10g
・しめじ(ほぐす)…70g

[A]
・ねぎ(1cm幅の斜め切り)…30g
・ぎんなん(水煮)…6コ
・塩昆布…10g

  1. 昆布は水150mLで戻しておく。生しゃけは酒・塩各少々をふって10分間おき、紙タオルで水けを拭く。
  2. フライパンに昆布を戻して汁ごと入れ、酒大さじ2、しめじを加えて中火にかける。煮立ったらさけと[A]を加えてふたをし、弱火で5分間蒸し煮にする。
    ※お好みですだちやかぼすを搾る。大根おろしを添えても。

昼食

昼食は朝食をとってから5時間後。
昼食で「とってもよい」栄養素は「脂質」です。昼食で摂取した脂質は、脂肪を蓄えにくく、エネルギーとして消費されやすいとされています。脂質の多い食事は「塩分」も多いことがあります。野菜で「カリウム」をとることもおすすめです。

夕食

夕食は朝食から10時間、遅くとも12時間以内が理想です。
夕食でとりたいのはカルシウム、ナットウキナーゼ、GABA(ギャバ)です。夜間に吸収率が高まるカルシウムは大豆製品(特に高野豆腐に豊富)からとるのがおすすめです。GABAはじゃがいもやトマトなどに多く含まれ、睡眠の質を高める効果があります。

朝食・昼食・夕食を食べるベストな時間とは?
朝食・昼食・夕食でとりたい栄養素とは
朝食・昼食・夕食でとりたい栄養素が多く含まれる食材【おすすめ秋レシピ】はこちら



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