もしかして新型コロナウイルス?
息苦しさを感じる…そんな時に、いま一番心配になるのが新型コロナウイルスへの感染ではないでしょうか。
次のような症状は「すぐに相談」を
- 息苦しさや強いだるさ、高熱などの強い症状がある場合
- 高齢者など重症化しやすい人で、発熱やせきなど比較的軽いかぜの症状がある場合
- 重症化しやすい人でなくても、発熱やせきなど比較的軽いかぜの症状が続く場合
(これらに該当しない場合の相談も可能です)
厚生労働省は「『高熱』かどうかは自分の平熱を踏まえた上で判断してほしい。症状には個人差があり、強い症状だと思う場合はすぐに相談してほしい」としています。
一方、症状の1つとして報告が相次いでいる「味覚や嗅覚の異常」については専門家の間で意見が分かれたため記載は見送られましたが、厚生労働省は異常を感じた場合には相談するよう呼びかけています。
症状が4日以上続く場合は「必ず相談」を
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発熱やせきなど比較的軽いかぜの症状が4日以上続く場合
厚生労働省は、感染の疑いがある場合には、まずは全国の保健所の「帰国者・接触者相談センター」(地域により名称が異なることがあります)などに相談してほしいとしています。
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もしかして肺炎?
肺炎は、症状がかぜとよく似ているため、気づかずに放置しているケースが多く、その結果、重症化して亡くなることがあります。肺炎の場合は、かぜとは違い、次のような症状がみられます。

【肺炎の場合】
- 38℃以上の発熱や強いせきが3~4日以上続き 軽減しない
- 黄色や緑色のうみのような痰(たん)が出る
- 上記の症状に加えて、息苦しさや胸の痛みなどが起こる
ただし、高齢者や重い持病がある人は、体力や免疫機能が低下していることから、上述したような「肺炎の典型的な症状」が出ないことがあります。

「ハアハアと呼吸が浅く速い」「何となく元気がない」「体が異常にだるい」「食欲がない」といった症状も肺炎の可能性があるため、注意が必要です。本人が体調の変化に気づいていないこともあるので、周りの人もいつもと違う様子を見逃さないようにしてください。
肺の病気 慢性閉塞性肺疾患「COPD」とは
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の代表的な症状は息切れです。
初期のうちは、症状はほとんど現れませんが、次第に階段や坂道を上がるときに息切れするようになります。進行すると、平地を歩いていても息切れが起こるようになります。

さらに進行すると、座ったり寝たりしている安静時でも呼吸が苦しくなるようになります。また、せき・たんが慢性的に出るようになります。
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突然の息苦しさ 自然気胸とは
「息苦しさ」が症状として現れる疾患はまだあります。なかでも、一般にあまり知られていないのが「自然気胸」です。
自然気胸とは、何らかの原因で突然肺に穴があいて空気が漏れ、その空気の圧力で肺が縮んでしまう状態のことをいいます。いくら息を吸っても肺が十分には機能しないため、酸素が足りなくなり、息苦しさを感じます。いったん起きると、再発の可能性が非常に高い病気です。
自然気胸になりやすいのは、次のような人たちです。
- 喫煙者
- 中高年
- 長身で痩せ型の若い男性
- 子宮内膜症がある女性
たばこを長期間吸い続けると、肺胞に炎症が起こり、気管が細くなるため肺に穴があきやすくなります。また、肺は年齢とともに徐々に衰えて脆くなっていくので、中高年の人はより注意しなければなりません。
さらに、自然気胸は15歳から25歳の若い男性でも多く見られることがあります。身長が伸びていく成長期で、肺の成長が体格の成長に追いつかず、肺に穴があいてしまうのではないかと考えられます。
子宮内膜症の人も気胸になりやすいという特徴があります。一見関係がないようにも見える子宮内膜症と気胸ですが、子宮内膜の細胞が肺に運ばれて定着し、生理の時に出血して肺に穴があくというケースが見られます。
息切れが起こる 心不全とは
「心不全」はよく聞く言葉ですが、実際にどんなものなのか知らない、という人も多いのではないでしょうか。そこで心不全のわかりやすい定義を、日本循環器学会と日本心不全学会が2017年に作りました。心不全とは「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」です。
心不全で、「息切れ」の症状はなぜ起こるのでしょうか。
心臓は、左右の心室が収縮・拡張を繰り返し、血液を循環させています。ポンプのような働きです。この働きが低下するのが心不全です。

まず、左心室が血液を十分に送り出せないと、肺から左心室に戻ってくる血液も停滞します。その結果、肺に血液がたまってしまいます。これを「うっ血」といいます。この「肺のうっ血」によって起こる症状が息切れなのです。
その息苦しさ こころの病「パニック症」かも?
パニック症は、ある日突然起こるパニック発作から始まります。
次の13の症状のうち、4つ以上の症状が突然、発作的に始まるものをパニック発作といいます。

□動悸(どうき) □息切れ □ふるえ
□しびれ □冷や汗 □吐き気
□めまいやふらつき □悪寒やのぼせ
□窒息しそうな息苦しさ □胸の不快感
□現実感のなさ
□死んでしまうかもという恐怖
□気が変になるかもという恐怖
症状は10分程度でピークに達し、本人は強い恐怖や不安を感じます。"このまま死ぬのではないか"と思うほどの恐怖や不安です。
パニック症はこころの病気です。そのため、精密検査を受けても体の異常は見つかりません。
パニック症かもしれないと思った場合は、精神科、心療内科、メンタルクリニックなどを受診することが勧められます。