【Q&A】白血球数が低く疲れやすい。精密検査を受けるべき?

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健康診断で「白血球数 2940」という数値で、基準値より低く精密検査を受けるようにとの判定を受けました。年齢的にも以前より疲れやすさを感じます。私の母親も白血球数は低めだそうで、体質もあるのかもしれませんが、きちんと精密検査を受けるべきでしょうか?(46歳 女性)

専門家による回答

白血球数が2,940/μlは確かに低めですが、聖路加国際病院の女性の白血球数基準値は2,900~7,800/μlですので、当院では基準値内と判定します。血液検査値の基準値は施設によって微妙に異なっていて、A施設では「基準値より低い」、B施設では「基準値内」ということが起こりえます。

健診で偶然に軽度の白血球減少を指摘された場合、一番多い原因はウイルス感染症です。この場合は数週間以内に白血球数は正常に戻ります。「年齢的にも以前より疲れやすさを感じる」という症状からは、鉄欠乏性貧血や潜在性鉄欠乏症があるかもしれません。鉄欠乏性貧血でも軽度の白血球減少を来すことがあります。血液検査でフェリチンを測定して15ng/ml以下であれば、鉄剤を使うことが勧められます。

慢性的に軽度の白血球数減少がある場合は、まず白血球の中身(好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球のバランス)に異常がないかどうか、他の血球(赤血球と血小板)に異常がないかどうかが問題になります。白血球の中身にも他の血球にも異常がなくて、慢性的な軽度の白血球減少というのであれば、ほとんどの場合心配いりません。ただし、白血球減少が進行性である場合や白血球の中身や他の血球に異常がある場合は、骨髄疾患の可能性がありますので精査が必要になります。その場合は血液内科に受診して下さい。

(2019年4月1日(月)、2日(火)放送放送関連)