【Q&A】早期肺がんとは?病期や再発、転移について

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昨年10月の健康診断で肺に影がみつかり、検査を行ったところ、「肺腺がん」と宣告されました。今年、3月に手術を行い、すりガラス陰影の18ミリで、リンパに転移はなくIAと診断されました。
そこで質問です。「早期の肺がん」とはどこまでを示すのでしょうか。また、早期の肺がんでも「再発・転移」は意識しなくてはならないのでしょうか?(54歳 女性)

専門家による回答

治験や臨床試験などでは、病期I~III期の一部、転移が肺門(肺の入り口)のリンパ節にとどまるものを「早期肺がん」と称しています。(ちなみに、縦郭リンパ節に及ぶと「局所進行がん」と称しています。)
一方、通常の診療では、医療者によって「早期肺がん」の定義はまちまちです。病期I期という人もいれば、IA期という人もいます。
個人的には(私の場合には)、患者さんからすれば手術で100%治る肺がんを「早期がん」と考えられていると思いますので、手術で完全に取り切れていてもがん細胞の形や拡がりなどから再発リスクのある患者さんには「早期」とはお話ししていません。IA期でも再発リスクのある方には「比較的早期」と説明しています。(質問された方の主治医の先生の「早期の肺がん」が、これかもわかりません。)
したがって、私は、2cm以下で再発リスクのないIA期の一部の方に「早期がん」とお話しています。
お問い合わせいただいた方の場合には、大きさ、浸潤径(質の悪い部分の長さ)、細胞の形等を確認されると良いでしょう。再発リスクがなければ「早期がん」と考えてかまいません。

(2018年9月12日(水)放送関連)

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