【Q&A】善玉が100mg/dL なぜ良くないのか?

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私は善玉のHDLコレステロール値が100mg/dLです。悪玉のLDLコレステロールや中性脂肪は正常範囲です。番組で「善玉が多すぎる場合も良くない」というお話がありました。どんなメカニズムで、どんな影響があるのでしょうか?
また、善玉を増やしたり減らしたりする方法は、悪玉の場合と同じですか?善玉については ほとんど情報がないので知りたいです。(57歳 男性)

専門家による回答

HDLコレステロールの値が低下すると、動脈硬化やそれによる心筋梗塞・狭心症などが起こりやすく、そのことから、HDLコレステロールは動脈硬化を防ぐ善玉コレステロールと言われてきました。動脈に過剰にたまったコレステロールは、HDLによって引き抜かれます。そして、HDL自体がシャトルバスとなってコレステロールを肝臓へ直接運んだり、HDLからLDLなどの別のシャトルバスにコレステロールを転送して肝臓に運んだりして、最終的にはコレステロールが胆汁の中に排せつされます。これによって過剰なコレステロールが動脈にたまらないよう防御しているわけです。
このHDLから別のシャトルバスにコレステロールを転送する役割を担っているのが「コレステロールエステル転送たんぱく」(CETP)です。CETPが遺伝的に少ない(CETP欠損症)場合には、HDL内のコレステロールが別のシャトルバスにうまく転送されないため、HDL内にコレステロールがたまってHDLコレステロールの値が著しく上昇します。HDLコレステロールが100mg/dLを超える場合には、CETP欠損症を疑います。しかも最近では、HDLコレステロールが極端に高い場合は、むしろ動脈硬化による病気が増え総死亡率も高くなることが国内外で示されています。
CETPの測定は日常検査ではできません。そこで、HDLコレステロールが極端に高い方は、循環器内科の専門医に、動脈硬化がないかどうかを、頸(けい)動脈エコー、運動負荷心電図検査などで調べてもらいます。もし、動脈硬化があるとわかったら、動脈硬化の他の危険因子(糖尿病や高血圧)がないかを調べ、あればそれらの治療を行います。HDLコレステロールを下げる治療の効果はまだ証明されていませんが、LDLコレステロールは下げておいたほうがよいと思われます。

(2018年10月1日(月)〜4日(木)放送関連)

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