【Q&A】大腸がん 抗がん剤治療をしても再発することがあるのはなぜ?

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一昨年12月、下行結腸がんの手術を受けました。リンパ節転移は見つからなかったのでステージⅢ、抗がん剤カペシタビンを6か月8クール行いました。しかし抗がん剤治療を受けても再発率が20~30%あるそうです。再発してしまうのはなぜでしょう?(59歳 女性)

専門家による回答

大腸がんを完全に治すための治療の原則は、手術でがんを完全に取りきることです。しかし、手術で目に見えるがんを完全に取りきれたとしても、目に見えない小さながん細胞が体内に残っている可能性があり、その小さながん細胞が、手術後に目に見えるまで大きくなることを「再発」といいます。再発をできる限り防ぐために、手術後に抗がん剤を使用する治療を「術後補助化学療法」といいますが、抗がん剤の治療効果は100%ではないため、完全に死滅しないがん細胞が残ることで、一定の頻度で再発を来してしまいます。
とくに大腸がんが大きくなるにつれて、リンパ液に侵入したがん細胞がリンパ節に流れ着いて増殖することがあります。これをリンパ節転移と言います。リンパ節転移の特徴は、がんができた部位から順々に隣のリンパ節に転移していくことです。遠くのリンパ節にいきなり転移することはあまりありません。

(2018年1月24日(水)放送関連)