【Q&A】嚥下反射の対処法 ミントの香りは効果がある?

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85歳になる父が、昨秋より、誤嚥(ごえん)性肺炎で三回入退院を繰り返していて、今も入院中です。本で、サブスタンスPという物質が嚥下反射やせき反射に関係すると知りました。
これは、どのようなものでしょうか。また、ミントはサブスタンスPの分泌を促すとのことですが、マスクにミントの香りをつけて嗅ぐようにするだけでも効果はありますか?誤嚥を繰り返すため、なかなか食べることができないので、匂いだけでも効果があるのなら、ミントの香り付きのマスクをさせようと思います。ご回答、よろしくお願いいたします。(54歳 女性)

専門家による回答

嚥下反射は温度刺激によっても改善することが報告されています。冷温、高温の刺激を食前に与えることで一時的な嚥下反射の改善が期待できます。カプサイシン(唐辛子に含まれる辛味成分)は43℃以上の高温に相当する刺激を与えることになるそうで、これが嚥下反射を改善させることが示されています。
さらに、このカプサイシンをアロマにして吸入させ、嚥下反射が改善したことを示すデータも報告されています。一方で、メントールというミント(ハッカ)の成分が25~28℃以下の冷温刺激を受容するチャネルに結合し、用量依存性に嚥下反射を改善させることも示されています。このことは、メントール・アロマが嚥下反射の改善に有効である可能性を示唆しており、ミントの香りをマスクにつけて嗅ぐようにすると嚥下反射を改善できるかもしれません。
ただし、吸入する成分量や加湿の程度によって効果が大きく異なる可能性もあります。また、市販のマスクを用いずにご自身で成分量の調整をされる場合、その安全性は保証できません。

(2018年1月16日(火)放送関連)

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