【Q&A】すい臓がん手術後にIPMN

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2年前、すい頭部がんの手術を受けました。すい頭と十二指腸を切除し、抗がん剤のS-1を1年間服用しました(1日100mg)。今のところ再発の徴候はありません。しかし、手術の4か月後から、すい臓のアミラーゼが最大120程度まで上昇し、徐々に低下しています。また、MRCP検査では、すい管の中間くらいにIPMNとみられる病変が見つかりました。「IPMNもがん化することがある」というので心配です。今後どうしたらいいですか? なお、腫瘍マーカーCA19-9は、最大37程度、今32程度です。
また、手術後、年に2回ほど突然の発熱(39度)、悪寒、心窩[か]部の鈍痛があり、1~2日で改善します。「逆流性胆管炎ではないか」と言われています。この症状を防ぐ方法はありますか?(58歳 男性)

専門家による回答

IPMNとは、すい管内乳頭粘液性腫瘍のことで、基本的には良性ですが、悪性に進行する場合もありますので、経過観察が必要です。病変の大きさや形を観察し、経過観察で良い場合が多いです。悪性の疑いが強ければ、すい臓を全部取る「すい全摘術」が必要になる可能性があります。主治医とよく相談することがよろしいと思います。
逆流性胆管炎は、すい頭十二指腸切除術を受けた方のうち、ある一定の確率で発生する副作用です。多くが 抗生物質(抗菌薬)の投与で軽快しますが、重症になると肝臓に膿がたまったりすることもありますので、熱が下がらないときは、病院を受診することが重要です。確実に防ぐ方法はありませんが、規則正しい排便や食事などが重要と考えられています。

(2017年6月14日(水)、15日(木)放送関連)

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