【Q&A】COPDでシムビコートを処方 肺胞が壊れているか検査する方法は?

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呼吸検査の1秒率などからCOPDの診断を受け、日に2度2吸入ずつシムビコートを処方しています。
外国では1吸入ずつということですが、国内では前述のように決められている理由と、肺胞が壊れているかを確認する検査方法を教えてください。(70歳 男性)

専門家による回答

シムビコートは吸入ステロイド剤と長時間作用型気管支拡張剤(β刺激薬)の合剤で、もともと気管支ぜんそくの治療薬として開発された薬です。
COPDに対しては長時間作用型気管支拡張剤のうち、軽症のCOPDではβ刺激薬か抗コリン薬のどちらかを、中等症のCOPDではβ刺激薬+抗コリン薬の合剤を使うのが基本です。しかし前立腺肥大があって抗コリン剤による尿閉の副作用がでる場合は、シムビコートを使うことがあります。
日本ではこの薬剤がCOPD患者さんに有効かを調べる臨床治験を行なった際、日に2度2吸入ずつ使ってプラセボに対して有効性が認められました。2度1吸入ずつ使った場合に有効か確かなデータはありませんが、ぜんそく患者さんでは吸入回数に比例して効果がでるので、効果は低くなっても1吸入でも有効性はあると思われます。
肺胞の破壊を調べる方法として、以前は選択的気管支肺胞造影という方法がありましたが、造影剤が肺に残ってしまうことや患者の負担が大きかったため現在では行なわれていません。今は患者の負担の少ない胸部CTスキャンを行なって、肺胞が破壊されて毛細血管が減った結果として描出される低吸収域(low attenuation area)を定量的に計測できるソフトを使えば、客観的に判定できます。

(2017年2月13日(月)~16日(木)放送関連)

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