【Q&A】肺MAC症の発病者における生活上の注意は?

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お風呂などでの感染の話がありましたが、既に罹患[りかん]している人も、これ以上の危険リスクを遠ざけるためにお風呂掃除など気をつけないといけないのですか?
それとも予防のためだけの話ですか? どこにでもいる菌を防ぐのは大変難しいです。
すでに発症してしまった場合は、どういう生活、注意が必要なのでしょう?(60歳 女性)

専門家による回答

結核菌や非結核性抗酸菌の遺伝子を調べる方法が、進歩してきたことで様々なことが分かってきました。
人間という種でも遺伝子に幅が合って、白人・黒人・黄色人種と違いがあるように、結核菌やMAC菌の遺伝子にもバリエーションがあって、様々なクローンの違いがあり、それを調べる技術が向上してきました。
その結果、肺結核の患者では、同一のクローンの結核菌しかいないのに、MAC症の患者では様々なクローンのMAC菌が肺内に同時にいること(多クローン性感染)が分かってきました。この事実が示すことは、MAC症発病者であっても、その後も新たなMAC菌の感染を受けて肺病変ができるということです。
MAC症の治療中であれば、薬の作用で予防されていると思いますが、未治療のときや治療が終わった後では、やはりMAC菌の感染を受けないようにした方がよいと思います。
風呂に関しては、できる限りお湯をためずに浴槽の乾燥に務めてください。
発病した方の場合、抗酸菌免疫には栄養状態が大きく関与しますので、夏ばてや風邪をひいて体重減少することがないように気をつけて下さい。
もともとやせているのに、肥満体に対して行われるダイエットなどをすることがないようにして下さい。

(2017年2月14日(火)放送関連)

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